昔CM監督の巨匠黒田秀樹氏に聞いた話。
彼は元々ドラマーで、
リズム感のある編集で知られる。
代表作は沢山ありすぎるが、
黄色と黒は勇気の印のリゲインから、
ペプシマンから、資生堂の椿から、
まあ色々ある。
この人が独自に編み出した技法があって、
音楽合わせで編集しているときに、
仮に4拍の音楽だとしたら、
3拍めに何か変な動きのあるものを入れると、
面白く、良くなるのだそうだ。
経験則だから理由はない。
8ビートなら、3ビート目と7ビート目か、
6ビート目が該当箇所ということ。
1、2、3、4と連続するリズムで、
1、2、さん!、4、とやるといいということ。
そういえば3の時だけアホになる人いたなあ。
これは時間軸に対する重要な示唆だ。
人は1、2はまあそんなもんか、と思っていて、
3が1や2と似たようなものならば、
同じものの繰り返しと思って飽きてしまい、
3で全く違うことをすると、
なんか違うぞ、と心惹かれるということだろう。
3と同じに4に行けばそっちの方向へいくが、
また元に戻ることで本線に戻り、
安心して次の4拍を迎えられ、
そして次の3でまた何か外しを期待する、
そしてそれがループになり、
グルーヴになっていく…
というようなことだろう。
これは、グルーヴの組み方として重要な示唆である。
打ち込み系のドラムでは、
8ビートで8拍目だけ二連打することがよくある。
これはまたべつのグルーヴであろう。
僕は音楽理論に詳しくないが、
リズムには様々なものがあるはずだ。
基本は心臓の鼓動と言われるが、
僕は歩くこと、と以前に記事に書いた。
アフリカンのリズムでは、これに手や跳躍が入るらしい。
だから複雑なリズムになるそうだ。
もし単調なリズムだなあ、と感じたら、
このことを思い出して欲しい。
破調するなら、1、2、と来たあとの3!!で、
4に戻ればいいと。
たとえばシーンの強弱やアクセントを考えるときに、
これを意識するとグルーヴが作れるんじゃない?
今取り組んでいるやつで、
これを取り入れてみたら、なかなか良くなったんだよね。
ループ性が退屈だったなあと思ったものが、
鼓動のように生命を持ち始めている気がしてきた。
ていうか無意識にそうやってるところがよくて、
そうなってないところでグルーヴが死んでるなあ、
と感じたので3の話を思い出したんだよね。
細かい構造だけでなく、大局的な3でもやってみると、
変化がついていいような気がする。
脚本における三幕構成理論は、全体を4等分して考える。
3に当たるのが二幕後半と呼ばれるパートだ。
1でセットアップしたものが、
2で展開してミッドポイントを迎えて、
3では死の予感やボトムポイントがやって来る、
大概は暗黒面である。
ハッピーエンドという明るい物語なのに、
ここの3があることで全体がよく見えるんだね。
あんこの中に入れる塩みたいな効果があるわけだ。
あるいは、起承転結の「転」もそうだよね。
これはもともと漢詩の理論だが、
同じ拍を刻む漢詩だからこそ、
三拍目に違うことをやろうぜ、となったんだろう。
ストーリーに起承転結理論を持ち込むのは、
僕は推奨していない。
4コマ漫画では成立する。4拍だからね。
でも120ページもある内容で、
転はじゃあどこからどこまでか、
となったときに、
転をクライマックスと解釈すると、
4拍で見ることは崩れる。
だから転はクライマックスと解釈せずに、
60〜90ページ、二幕後半と考えた方が、
拍の考え方にはあっている。
4拍で分かりやすいのは、
クイーンのWe will rock youの前奏だね。
ドン、ドン、パン、(休符)、
ドン、ドン、パン、(休符)
と、3拍目に手拍子が入る。
この感じ。
3拍目に何かが起こる。
困ったら思い出してくれ。
2023年05月23日
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