色んな要素がありすぎて、
脚本って難しい。
これだけやってきて分かることは、
「焦点に集中させられるかどうか」
で決まること、かな。
キャラクターが魅力的か。
会話がうまいか。
感情移入できるか。
好きになるか。
悪役ならば憎めるか。
人間的な魅力、せつなさ、業などを描いているか。
深いか。
感動するか、笑えるか、その他七色の感情を引き出すか。
構成がうまいか。
伏線の妙、設定の妙などがあるか。
などなど、
色んなうまさやチェックポイントがありそうだ。
だけど、
シナリオとして一番なくてはならないもの、
これを外したらどんなものでも下手、
というのはなんだろう?と考えると、
「焦点へのひきつけ力」
じゃないかなあと考える。
焦点とはつまり、
「今何をしなければならないか?」だ。
登場人物には、
動機に支えられた目的というものがあり、
そして今の状況というものがあり、
事件の解決という大きな方向で動いている。
そして「今、可及的すみやかにやらねばならないこと」
が焦点である。
書類を12時までに出さないといけない、
売り上げを50万上げないといけない、
崖から安全なところへいかないといけない、
○○に会う必要がある、
などなどである。
これに、どれだけ引き付けて夢中にさせられるか?
がシナリオの腕だと思う。
文字で書いてるだけだと、
単なるお使いゲームになる。
○○までいって、○○と話して、
それから○○と○○を交換して、
○○にそれを渡すために○○へ行く、
などのようにだ。
詰まらないゲームは、この作業リストでいっぱいになるだけで、
これを一個一個消していくだけの作業になるだろう。
これを、作業ではなく夢中にさせることが、
「焦点に引きつける」ということ。
「○○へ行く」という目的に対して、
「うおー、○○へ行くぞー!
めちゃくちゃ行きてえー!
行ったらどうなる?マジやばい!
ああー、早く行きてえなー!
今晩寝られねえよ、まるで遠足の前の日だ!」
と、
「観客」が思うことが、
焦点に引きつけられているということである。
多くはその登場人物の気持ちと観客は一致しているが、
たとえその登場人物が冷めてたり嫌々であったとしても、
観客だけはワクワクしていることが、
「焦点に引きつけられている」
ということである。
つまり、
「常にストーリーの向かう方向に対して、
身を乗り出している」
状態を、上映時間中何%キープしているか?
が、
上手いシナリオという基準になる、ということだ。
100はなかなか難しい。
でも50は超えたい。
70〜80あたりが理想?
詰まらないシーンの代表である、
説明シーンなどで冷めるだろうか?
いや、
「ようし!説明されるぞ!
把握しなきゃ!ああーそういうことかー!」
と観客がなっていれば、
「説明という焦点に引きつけられている」
わけだからそれもカウントできるわけ。
作者は運転席で運転する。
観客は助手席に座っている。
その助手席で、
ずっと「うわー!」って観客が言ってて、
ずっと「次は?次どうなるの?どこ行くの?
そっち?うわーそっちか!」
ってなってるか?
ということだ。
観客が子供ならばそうかも知れない。
でも子供は15分で飽きて寝ちゃう。
映画シナリオは、二時間のドライブだ。
二時間の間、
助手席に乗った大人を、
いかに夢中にさせて、
「今これをやらなきゃ」に夢中にさせ続けられるか?
が上手な運転ということである。
ジェットコースター的な緩急もあれば、
七色の感情もあろう。
泣かせたり笑わせたり怒らせたり驚かせたりしながら、
一体これはどうなってしまうのか?
に夢中にさせ続けること。
もちろん一つだけだと二時間持たないから、
焦点をうまくすり替え(小ターニングポイント)、
複数の焦点を走らせ(サブプロット)、
それらが合流したり分岐したりするべきだろう。
それでいて、
メインの焦点(メインプロット、センタークエスチョン)に、
一番関心と興味がある状態に保つこと。
これらが上手くいけば、
「途切れない」シナリオになり、
夢中な話になるのだ。
たぶん、100埋めると観客は疲れちゃうよね。
だから休むところも計算して、
うまく緩急をつくらないといけない。
そんなことできるの?
できてるのを名作と言うんだね。
もちろん、焦点だけがシナリオの粋ではない。
最初にあげたものもある。
テーマと時代の噛み合いもあろう。
だけど、
どんなに魅力のあるそれらだとしても、
焦点の誘導と引きつけがなければ、
夢中になるシナリオにはならないんだよね。
2023年10月16日
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