外面からは窺い知れない内面を、
人はもっているときがある。
内面をさらけだした外面をしていることもある。
どちらがいいのだろう。
それは、作品が「どう見えるか」にもある。
あなたの作品を一個の人格だとする。
あなたと全く一緒にしないのがコツであった。
だからその作品は、
あなたが手がけた、
あなたに似ていない別の何かだ。
一部の魂は融合しているだろう。結果的に。
だから分霊という考え方が近いかもね。
本体ではないという意味でちょうど良い距離感かもだ。
で、
その作品という独自人格は、
外面から窺い知れない内面を持っていたほうがいいか、
内面をさらけ出した外面であるべきか、
どっちだい?
本質がモロに出ている外面かい?
それとも、
ある種の誘導になっていて、
それを辿っているうちに、
あまりにも別世界に連れて行くタイプかい?
これは、作品の本質を問う話ではない。
人前に出る話でもない。
「マーケットの中でどのような存在感を放つのか?」
という話をしている。
人は、
親しい人たちの前では、
内面と外面を一致した、
リラックスした姿をしていることだろう。
だがそれは、人格を皆が認識して、
「そういう人だから」と分かっているから、
そのような格好で許されているわけだ。
むしろよそ行きの格好をしてきたら、
「どうしたの今日は」と言われてしまうだろうね。
だがそれは、
周囲の人と「長い時間を過ごしてきたから」
という理由があることを忘れてはならない。
内面のさらけ出しは、
ある種の甘えであったりするわけ。
その甘えこそ、人間関係の許しなのだが。
さて、
本題はマーケットの中でどうあるか、
ということだ。
つまり、よそ行きをどう外面化するか、
という話である。
全員初対面だ。
そしてマーケットには、
様々なよそ行きの格好の戦略を持った人たちで、
ひしめいている。
外面で釣って中身のないやつもいるだろう。
内面を出しすぎてドン引きされてるやつもいるだろう。
中身がないことを、外見でカバーしてるやつもいる。
流行の装いをして見られやすくしてるやつもいるし、
流行が似合ってないやつもいる。
独自のファッションすぎて、理解されてないやつもいる。
その中で一番の注目を浴びたい?
浴びたあと中身を知られて、
失望されないだけの、外面と内面のペアだろうか?
たった一人だけの王子様を探すための、
舞踏会ではない。
できれば全員に札をあげさせる、
一番人気にならなければならない。
全員は無理だから、
お好きな人だけでもいいかもだ。
いや、お好きな人だけではマーケットが狭まるから、
浮動票を少し取り込みたいだろう。
その中に、知らなかっただけで本当の客がいるかも知れないからね。
さて、
その時の、
的確な外面と内面のありかたは?
インパクトだけの外面ではだめだ。
本質がとても外面に出ていないとだめだ。
それでいて、おいしそうな料理に見えるべきだ。
露出過多で「露骨で下品」と、他の人たちに刺されないものがいいよね。
ちょうどいい外面はなに?
答えはない。
何がベストかはわからない。
だけど、
あなたは転校生を初日に送り出す親かもしれない。
友達がたくさん出来ますように、
嫌われませんように、
この子のいいところを早く見つけられますように、
と願うだろう。
あるいは、親友が合コンに行くのを見送るのだ。
その格好でいいかなあ、
今の流行はこっちだぞ、
とはいえ流行りをモロに入れても媚びだしなー、
流行をお前らしくアレンジしないとなー、
という気持ち。
そんなスタイリストになったつもりで、
自分の作品の外面を見てみよう。
作品の外面とは、
タイトルと冒頭とコンセプトだ。
予告編を作れることもあるが、
それなしで伝わることもとても多い。
コンセプトは、ワンビジュアルになるときもあれば、
「デブリ事故に陥った宇宙飛行士が生還するまでの話」
なんて一文になる場合もある。
そういう見方で、作品の外面を見てるだろうか?
タイトルで悩み、
コンセプトで悩むのは当然だ。
最初に決めたもので書き終えたとしても、
「あとで変えてもいいよ」と言われたら、
最終的に自分の描き切ったものと、
タイトルをうまく繋げたく思うのは当然だ。
この作品は、何が面白いのか?
どう面白いのか?
何が楽しめるのか?
どこが深いのか?
そこに何が待ってる予感がするのが的確か?
流行りの形をしているか?
それらをうまくまとめた短いものに、
辿り着けるかは誰も分からない。
名コピーライターならすぐできるか?
というと、
名コピーライターほど沢山候補を書くんだよね。
ひとつのコピーを決めるまで数百書くのは普通。
その中から選ぶセンスを持ってるかのほうが大事。
数百のあり得る世界線の中から、
正解を選ばなくてはならない。
あなたの作品を世に出すときに、
作者である親が最後に手を入れられるのは、
タイトルだ。
最高の外面をつけて、
世に送り出してやれ。
内面の奥深さに辿り着きやすい、
魅力的な外面をつくりだしてやれ。
タイトルがうまいやつは、中身もうまい。
世の中のヒット作は大体そう。
「自分の外面」と考えずに、
「他人の外面を整えてやる」と考えると、
技を活かすことができる。
2023年11月16日
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