2024年01月21日

登場人物が増えると、クラスタが形成されてしまう

映画のメイン登場人物は5〜6人、
と僕は考えている。
これが増えると厄介なことになる。
なぜなら、組み合わせ爆発があるからだ。


人間関係を考える。
ある登場人物と、別の人物の関係を考える。
全登場人物と関係があるだろうか?

2人なら、2の関係を考えれば良い。簡単だ。
3人なら、6の関係を考える必要がある。ちょっとややこしい。
4人なら、12の関係を考えなければならない。
たぶん全部を網羅しきれない。
だから、この人とこの人は喋ったことがない、
みたいな「無関係」が発生するだろう。

5人なら、20の関係があり得る。
しかしこれも管理しきれず、
沢山の無関係があるだろう。
5人は2人と3人にわけて考えた方が整理しやすい。
つまり、2クラスタに割れるわけだ。

6人だと、30通りの関係があり得る。
全部は考えきれない。しかも変化するんだぜ?
だから、3-3、2-2-2、3-2-1みたいな、
クラスタ分けをして考える。

7人なら42通り、
8人なら56通り、
9人なら72通り、
10人なら90通り。

二乗のオーダーで関係性は増えていく。
これらの全部を把握し切れるわけがない。
そして全てを描いている長さは、
シナリオにはない。
だから、
登場人物が増えれば増えるほど、
無関係の大陸はたくさん増える。

クラスに40人いて、一年毎日いても、
無関係の人、喋ったことない人はたくさんいるわけだ。


たかが二時間、
あるいは長期連載ものであっても、
ほとんどは無関係なんだよね。
クラスタ内でしか関係できない。

だからこそ、
クラスタを全部渡るようなキャラクターは、
重要になってくる。
クラスタ内の人間関係が動くのは、
それまで無関係だった人と関係することで起きるわけだ。

大体、
最初は主人公に、クラスタを渡るキャラクターがやってくる。
使者と呼ばれる役割の人物だ。
事件のきっかけも外からやって来ることが多い。

だけど一旦主人公が行動を起こすと決めたら、
今度は主人公が「クラスタを渡る人」になるんだよね。
いつもと異なる別世界へいき、
交渉したり説得したり、時には強引にことを進める。
それは、
普段のクラスタ外と関係を持つことに他ならない。

陰キャだから書けない、は言い訳だ。
陽キャを描けばいいし、
陰キャなりのクラスタ渡りを描いてもいいのである。
何より、動機が強ければ、
人は他人と関わってでもなんとかするものだ。



さて、
こうして、人間関係がかき混ぜられるのが、
物語というものだと俯瞰できようか。

このとき、
普段のクラスタの外の人たちが接触する様を描くと、
面白くなるんだよね。

学校のクラスでいえば、
文化祭という目標ができた時に、
普段喋ったことのない子と喋って、
こんな人がいたんだと気づくことはよくあることだ。

こういう、混ざっていくときの楽しさ、
あるいは逆にもめごと、
なんかがストーリーの種になるのだ。

そこでもめごともなくすぐに混ざると、
嘘くさくてご都合主義になるわけ。
呉越同舟のまま目的だけは共闘する、
などのほうが現実的だね。


登場人物が少ない方が全関係を把握しやすい。
多くなるとクラスタが発生する。
どう捌くかは、あなたの捌き力に比例する。
posted by おおおかとしひこ at 08:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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