という経験則がある。
ものの本によれば7割から9割直すという主張もある。
なんでだろう。
僕は、2本のラインを書く必要があるから、
という風に考えるとよいと思う。
まず一本のラインは、
「今起こっているストーリー」だ。
ある主人公がいて、ある生き方をしていて、
そこに事件が起こり、
主人公が巻き込まれ、
どうしてもそれにかかわらざるを得なくなり、
その解決に乗り出すまで、
が一幕の主な流れだ。
これは今起こっている焦点を追いかける、
メインプロットである。
このラインとは別に、
もう一本のラインが走っている。
それは、「ストーリー全体のライン」である。
たとえば、テーマに関するものを前振ったり、
ラストシーンへ向けて、
これがどういう意味のある物語か、
ということを前提とするラインである。
この、目の前のことと、俯瞰したものの、
2本のストーリーラインが走らなければならないから、
一幕はリライトでもっとも直すのだ。
つまり、
第n稿では、その両者のバランスはまず取れていない、
ということだ。
俯瞰したラインを強化すればするほど、
ラストに腹落ちする力が強まるが、
目の前の焦点は弱くなり、
「いつまで経っても話が始まらない」という感覚になるだろう。
目の前で起こっているラインを強化すればするほど、
「今起こっていることに注目して集中できる」
はあるけれど、
「一体全体何を話そうとしてこれをやっているのだろう」
という俯瞰した疑問が起こってしまう。
つまり、両者のバランスが取れていないわけだ。
正しいバランスは、
今目の前に起こっていることに集中できて、
面白く感じられて、
しかも全体の前振りが出来ているものを言う。
「これはあとで使うんだろうな」という伏線があり、
「これはあとで覆される前提だな」というものがあり、
それでありながら感情移入ができて、
今巻き込まれていることに夢中になれるものをいう。
どうしたらそのバランスを取れるのかは分らない。
しかし、
出来上がった第n稿を見て、
「今〇〇のラインが強すぎて、反対側のラインが弱い」
を判断することは出来るだろう。
だから、それがバランスするまで、
直すことになるだろうね。
もちろん、
いまここで張っておくべき伏線ではないからカットすることもあるし、
焦点に集中させるために、冗長部分ををカットすることもあるだろう。
足すだけでなく、引くことも重要だ。
これらの足し引きは、
三幕よりも、二幕よりも、
一幕がもっともバランスが難しい。
逆に、この一幕のバランスが決まれば、
二幕、三幕はこれに準じる、でよくなるからね。
それを決めるために、
何回も書き直すことになるだろう。
2024年02月07日
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