コンフリクトを描くのが物語である。
つまり、なんらかの勝負をするのが物語である。
主人公と敵、主人公とライバルなど、
競合したり競争したりするのが物語である。
で、その勝負のついた瞬間とは、
どのようなものか?
将棋で詰みになるような瞬間ってどういう感じかな。
格闘技でレフリーが止める瞬間ってどういう感じかな。
スポーツで時間切れになる瞬間が、
勝負あった、の瞬間かな。
それともそのだいぶ前に勝敗はついてたかな。
ビジネスで、ある企業やサービスが支配的になった瞬間ってどんなものだろう。
ツイッターが流行ったとき、
ガラケーよりスマホになったとき、
本屋からアマゾンになったときは、
どういう感じだったろう。
参りました、と相手が負けを認める時もあれば、
何度も負けを認めないが、
ずるずると後退していくこともあるだろう。
劇的に死ぬ時もあるだろう。
吸血鬼にガラスの上で襲われて、
天井のガラスが割れて吸血鬼が落下して、
クリスマスツリーの尖っているやつに刺さる、
なんて勝負の決着の瞬間はよくあるよね。
勝負している人同士だけじゃなくて、
観客全員が、
「勝負あった」と思うのが理想だ。
つまり同時がよい。
相手に2点差空けられても、
まだ3ポイントを入れられれば勝てる、
ブザーと同時に投げたシュートが3ポイントで入る、
なんて瞬間(ブザービートという)も、
よくある劇的な勝負あったの瞬間だ。
詰みの場合は、
あらゆる考えられる手段が手詰まりになって、
どうしても相手の攻撃を受けきれない、
と判断したときだろう。
将棋の場合は、将棋が分かる人しか分からないが、
映画の場合は、人生が分かる人ならばわかるような、
詰み方がいいと思うな。
ああ、人生詰んだ、みたいなことだね。
悪役、適役、ライバルが、
そのように察して膝から崩れる瞬間が、
勝負あった、になるのかもしれない。
どのような形でもよい。
しかし、映画なのだから、
それは劇的に越したことはない。
なるべく派手にやることだ。
そのあとの祝福を派手にやっても意味がない。
紙吹雪が舞い、美人に囲まれてシャンパンを開けてもあまり意味がない。
それよりも、
勝負あった、の瞬間が、
息詰まるバトルの結果、
そこしかないゴールにたどり着いたように、
一番興奮したいものだ。
その、オリジナルの瞬間をうまく描けたら、
映画史に残ると思うよ。
クライマックスの、
その瞬間のためだけに、
色んな伏線がある。
仕込み続けて仕込み続けて、
ついにその瞬間に来たときに、
緊張の糸がほぐれ、
もう戦わなくて済み、
命の危険が去り、
家に帰れる、
という瞬間になるわけだ。
2時間の娯楽はおしまい、
対局ありがとうございました、
という感じになる瞬間。
あとは安心する時間に過ぎない。
これまでの健闘をたたえあい、
緊張がほぐれて、
頭が整理される時間に過ぎない。
(だから映画のエンディングは、
決着がついたら5分以内で終われ、
という経験則がある。
クールダウンする前に暗転して、
満足を定着させよと)
あなたの物語の「勝負あった」の瞬間は、
どのようなものだろう。
他の物語の「勝負あった」の瞬間は、
どのようなものだろう。
研究して比較してみよう。
また、
大ラストの瞬間だけでなく、
途中の勝負あったの瞬間も考えよう。
交渉したが決裂したとか、
追い抜こうとして成功したとか、
そういう途中途中のターニングポイントの瞬間である。
それらを色々工夫することは出来るよね。
たとえば彼女がデートを受け入れた瞬間は、
一段階の勝負あったの瞬間だ。
これがウキウキさせるようになっていれば、
ストーリーは楽しくなってくるよね。
そんな感じ。
あなたが2時間かけて作って来た物語は、
どのような勝負あった、を迎えるのか。
それまでにどのような(小さな)勝負あった、
を乗り越えてきたのか。
それらをいくつ越えてきたのか。
そんなことを考えて、
骨格を俯瞰すると、
色々見えてくるものがある。
なるべく切れよく。
なるべく一撃で。
なるべく鮮やかに。
なるべく劇的に。
それが映画じゃないかなあ。
2025年03月09日
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