普段彼らのYouTubeを楽しませてもらっているので、
お布施のつもりで見てみた。
冒頭、僕の嫌いなアクション監督谷垣健治を
ディスったようなキャラクターが出てきてちょっと面白かったが、
でもまあストーリーなんてあってないようなB級アクション映画でしょ。
ただし、テーマがとても気になったので、
脚本論的に書いておく。
言いたいことはラストに集約されていて、
「アクション俳優にはほんとに強いやつもいる(それが俺)」
ということに尽きる。
そのために、リアルアクションと、
飛んだり跳ねたりのワイヤー「ダンス」を対比しているのはよい。
じゃあこの軸で話を進めなければならない。
ところがこの軸は、
冒頭のアクション映画出演シーンとラストにしかでてこない。
間は何してたかというと、
軍艦島的な場所で、やくざと殺し合いをして女子高生を守っただけだ。
じゃあ、このバトルが坂口拓のいう「リアルアクション」か、
というところが問題になってくる。
僕には、やっぱり振り付けをしているように見えたんだよね。
とくに売りであるところの石井東吾とのアクションが、
ところどころ映画的にするために振り付けされている。
貫手を頬にかすめたところ、
足先蹴り、ワンインチパンチなどを見せる、
三本指で引っ掻いた傷の血を舐める
(完全に燃えよドラゴンのオマージュ)など、
段取りじゃねえか、
と思われるところがいくつかあった。
そもそも許せないのは、
そんな廃工場で裸足になるやつおらんやろ、という部分だ。
足先蹴りを見せる演出になっているのは理解するとしても、
何年も放置された廃工場なんだから、
釘は落ちてるしガラスはあるだろうし、
そもそも埃で滑るでしょ、ってことを思った。
美術部がほうきで怪我しないように掃いた床じゃないと、
あんな危険なアクションはできないだろ、
って冷めたね。
ペースがどんどん上がっていくのも演出だし、
7秒しかかけないジークンドーのスタイルで、
あんなに長く戦っちゃだめでしょ。
そのへんに冷めてしまったね。
で、そもそもの落ちよ。
それ、テーマにいるのか?ってこと。
以下ネタバレ。
最初からずっといた若手の弟子が存在せず、
それは坂口拓の妄想であったという落ち。
それを認めるならば、
坂口のいうリアルアクションも妄想で、
アクション俳優は強いも妄想、
という落ちになってしまうんだけど、
それでいいの?ということ。
虚実をないまぜにしたかった仕掛けなのかもしれないし、
ただアクションしても詰まらんなあ、
と思ったことによるツイストなのかもしれないが、
テーマからブレブレの要素にしかならなくね?
つまり、
「私たちは何を楽しめばいいのか?」が、
どこにもないのよね。
リアルアクションは、
石井東吾とのアクションが振り付けられていることや、
床が嘘なことで覆される。
途中のペンライト抜刀は面白かったけど、
最初は有効でもすぐに対処されるやろと思う。
そもそも敵の兵隊を倒していく過程で、
なぜ「ここにいるぞ!」と皆が声を上げて仲間を呼ばないのかがわからない。
無言でいろと訓練されているわけがないので。
こうした、リアルアクションとかいいながら、
振り付けされたものばかりを見ていると、
「何がいいたかったんだ?」ってなってしまう。
「……という映画でした」というどんでんでよかったのに、
なぜもう一個、
後輩はいなかった、という二重どんでんにしてしまったのか?
ストーリーが空っぽだったからだよね。
西垣アクションの九龍城はストーリーはスカスカだった。
それに対抗したかったのかもしれないが、
結局ストーリーなんてないに等しかったから、
どんでんみたいに何かをしたかったのかもしれない。
それが二重どんでんで新しいでしょ?
なんて思ったのだろうか?
じゃあ、この映画のテーマを、
坂口は狂ってる(YouTuberとしての活動も嘘である)
となると、何がしたいんや、となってしまうわけだ。
監督は坂口と仲が悪いのか?
それとも坂口はそれがアクション俳優という虚実である、
などと思っているのだろうか?
そういえば、
実写映画「魁!男塾」(脚本監督は坂口拓本人)
では、「マジ当て」と称して、
実際に拳を当てるアクションをやっていた。
それが男塾と全然関係ないので、
アクションをやりたいだけなんだなあこの人、とあきれたものだ。
男塾を実写化するというならば、
男塾名物「直進行軍」をいかに馬鹿馬鹿しく本気でやるか、
という狂気が必要だ(だって電柱に上って降りるんだぜ)けど、
こいつは何もわかっていないのだな、
と失望したことを強く覚えている。
ヒロインもかわいくないし、
ショートカットの敵もアニメみたいに立っているわりには何にもなっていないし、
結局何がしたかったのか、まったく意味不明となってしまった。
もっと女二人のシーンでもつくって、
百合映画としても楽しませてくれよ。
「RRR」は敵がほんとうに嫌なやつで、
それを殺すところにスカッとしたものだけど、
アクション映画に必要なものは、
勧善懲悪の爽快なストーリーじゃないのかね?
それ以外に武の意味ってあるのかね?
別に坂口拓と石井東吾が拳を交えたことで仲良くなり、
一緒にラスボスと戦ってもよかったのに。
アクションは、なんのためにするんだろう?
なんのために殴るのだろう?
それを用意するのがストーリーであり、
動機というものだ。
谷垣の九龍城やるろうに剣心はつまらなかったが、
それをディスっているこの映画もつまらなかった。
同じ穴のムジナで、映画ってのをわかってるのかい?
って思っちゃったね。
ジャッキーチェンの名前を出してはいたが、
ジャッキーがアクションのために戦ったことはない。
必ず誰かを殺す理由があった。
B級シナリオでもいいから、
誰かを殺したいから拳をふるうような話を見たいよな。
そうじゃないと映画じゃないよね。
これは映画じゃなくて、自主動画レベルだと思う。
これだったら、画質とかどうでもいいから、
坂口vs石井の10分スパー動画のほうを見たいわ。
で、ウェイブって効くの?
ほとんどは手打ちで、一発デカイのを当てるときに使うの?
それともウェイブってハッタリの虚の部分なの?
フラフラしてる構えのときしか使ってなかったよね?
リアルアクションと言いたいなら、そこもちゃんとやってくれよ。
フィルムとしてはわかりにくいが、15:22のパンチはウェイブなんです、
みたいに解説してくれれば認めるよ。
もっとちゃんとドキュメント映画を研究したほうがいい。
フェイクドキュメント映画もね。
2025年02月28日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック

