2025年07月15日

事件は勝手に起こるのではない、起こるべくして起こる

ストーリーの中で事件が起こると、
次に展開しやすくなる。
なにー、これが起こっただとー?となって、
それに対処することになるからだ。

その驚きは保持しつつ、因果関係がなくてはならない。


たとえば怪獣が現れたとしよう。
事件だ。
これに対処してどうにかしたとする。
次に地震が起こったとしよう。
事件だ。
これに対処してどうにかしたとする。

現実にはこのようにバラバラの事件が、
単独で起こるだけだ。
だけど物語では、そこに因果関係がある。
怪獣が地殻変動を起こして地震を起こしたとか、
地震のせいで地下深く眠る怪獣が目覚めたとか。
つまりこれから予想されることは、
地震の連発と怪獣の多数登場だ。

なぜ物語では怪獣と地震に因果関係があるのか?

それは、
「因果関係のひとまとまりを区切ったもの」が、
物語だからだ。
物語の中では、
「関係のないものは省略されている」からである。
逆に言えば、
「出てきたものはすべて関係していて、
因果の糸で結ばれている」のだ。

現実では、
怪獣と地震に一切因果関係がなくても進む。
物語では、
怪獣と地震が起きたら因果関係がある。

驚くべきなにかを事件とよぶが、
事件は因果関係があるのだ。


たとえば急に爆発が起こるとしよう。
なにい?と驚き、それへの対処が必要だから、
展開を書きやすくなるだろう。
つまり、
展開に詰まったら爆発事故を起こせばよい。

しかし単なる何も因果関係がない爆発だと、
単なる「雨が降ってきた」と同じ、
偶然によるものになってしまう。

その爆発事故が、これまで主人公がやってきたことと関係ある
(敵が爆発事故に見せかけて殺しに来たとか、
主人公の間抜けな行動でガスがたまって爆発に至ったとか、
主人公の行動の結果、誰かが爆発のきっかけになったとか)
と、
「話」になるわけだ。

そしてそれは、予想できる爆発と、
予想できない爆発があるだろう。

予想できる爆発は、展開が面白く見れる。
敵め、やりやがったな、よし反撃だ、などのようにだ。
予想できない爆発は、驚き、そこに因果関係が見いだせると面白くなる。

驚きが挟まれるかどうかの違いである。
結局、驚かせるのは手段であって、
次に引きをつくることでしかない。
メインは展開の面白さになるべきだろう。


展開に困ったら爆発を起こせ。
事故を起こせ。
雨が降ってくるでもよい。
突然フラれてもよい。
怪獣や地震でもよい。
驚く何かを起こすのは、展開のフックとして当然だろう。
ただし、偶然それが起こっていると、変だと思うわけだ。

つまり、
展開のコツは、
驚くべき、しかも因果関係がある展開、
が理想ということになる。

それが出来ていないなら、
展開が思いつかないよう、となるのだろう。


テヅカチャートで訓練ができていると、
いったん前のに戻って、別の展開を持ってきたほうがよい、
と気づくかもしれない。
その先に突破できる面白いアイデアがあるかもしれない。
それは分からない。展開次第だ。

展開は毎度毎度困るのだ。
やり方に正解はないと思う。
偶然でなければよいだけだ。


ただ、いろいろな因果関係の結果、
たったひとつの偶然が味方した最悪だった、
というのはそれはそれで面白い。
つまり、因果関係がぎりぎりまであって、
それを決めるにはサイコロを振る、みたいなことは面白い。

結局、因果関係、つまり、
あることをした結果、次が起こる、
という連鎖に偶然というスパイスをかけているだけ、
ということに気づこう。
我々は因果関係から逃れられないのだ。



起こるべくして起こる、という風に組み立てよう。
それらに偶然のスパイスを絡めるのはよい。
あまりに都合がよい偶然はご都合主義になるね。
(秘密をしゃべっているところを、偶然立ち聞きするとかね。
これは、その場所にいた必然性を使うと、
急にご都合主義に見えなくなることが多い。
何かを持ってきたとか、別の理由でそこにいたとかだ)

つまり、ストーリーのほとんどの「起こる」は、
必然性をもって説明できなければならない。
それが弱いと、偶然に頼った話になって、
そんな偶然はめったに起こらないので、
退屈な、時間のかかる話になってしまうだろう。


起こるべくして起こってしまった、
驚くべき、
惨劇、悲劇、幸福、勝利、
などのようになるのが理想だ。
posted by おおおかとしひこ at 07:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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