パッと理解できること。
そしてもっと良いことは、
それを理解した人が他人に伝播しやすいこと。
あなたのアイデアを説明してくれ。
どんなに素晴らしいアイデアだとしても、
単純な形に還元した時に、
その良さが失われるならば、
いいアイデアではない。
たとえばドラえもんは、
「未来の国から来たロボットが、
未来の道具で助けてくれる」
がアイデアだ。
この文字数にして、ワクワク感は半端ない。
「未来の道具で助けてくれる」まで凝縮してもいいが、
なんで?になるので、
「未来の国から来たロボットが」があったほうが分かりやすい。
ただし、
「ぐうたらなのび太を、未来の子孫が憂えて、
真人間にするため」などのような動機は不要だ。
コアアイデアに付帯するものであり、
そこは芯ではない。
同様に、「ガキ大将のジャイアン、腰巾着のスネ夫、
賢いしずかちゃんがいて、毎回のび太は困ったことがあって…」
なんてこともいらない。
アイデアの芯の部分ではないからだ。
アイデアとは、
こうした具体を捨象して、
いかにコアを抽出できるか、にかかっている。
そしてそれが新しく、おもしろければ、
人はそれを見にくる。
万博は「世界を変える未来を展示する」がコアアイデアである。
「実際どんなものか見に行こう」となるわけ。
(実際できてるかはしらない)
これが見せ物の本質だと思う。
抽象的だが、新しく面白そうなアイデア。
そしてその具体的実装を見にいく。
両方が必要だ。
ダラダラと長くて、イマイチ良さが分からず、
しかも見たことのあるようなアイデアや、
看板だおれなどは、
ダメな見せ物であるわけだ。
そういえば東京五輪は、
元々福島復興五輪というアイデアであった。
それが実装はなんだったんだろう。
そういえば五輪も万博も大電通さまだな。
ずいぶん見せ物が下手になったのではないだろうか。
アイデアが単純な形をしていると、
口コミが走りやすい。
「今度ドラえもんってアニメがはじまるんだぜ!」
「どんなの?」
「未来から来たロボットが、未来の道具で助けてくれるんだ!」
「なにそれおもしろそう」
ってなるわけだね。
これが、コンセプトがしっかりしてるってことだ。
ドラえもんが青だぬきであることや、
のび太がぐうたらであることな、
ドラえもんが押し入れで寝ることや、
しずかちゃんのお風呂に毎回ワープすることは、
ディテール実装にすぎないわけ。
こうした、
コアのアイデアとディテールの実装の関係を、
名作について勉強すると良い。
○○という映画について、
その本質的なコアアイデアはなんなのか。
そのディテールはどうなのか。
コアのアイデアはテーマであるとは限らない。
たとえばスターウォーズ(ep4)のテーマは、
「若者がアイデンティティを見つける」だが、
コンセプトはスペースオペラだ。
「SFの世界観で、中世騎士物語をやる」
だと思う。
このコンセプトならば別のディテール実装もありえる。
みんな甲冑をつけたり、
馬が出てくるパターンもあり得るよね。
たまさか、スターウォーズは、
アイデンティティの定まらない若者、
フォース、ライトセイバー、
宇宙海賊ハンソロ&チューバッカ、
C3POとR2D2の凸凹コンビ、
ストームトルーパーやダースベイダー、
スターファイターやXウイングやデススターといった、
ディテール実装になっただけだ。
(フォースは、アーサー王物語における魔術師マーリン的な要素から、
思いつくことは可能だ。まあ元ネタは気功だけど)
ディテールを集めて、
コンセプトを煮詰める手もある。
ダースベイダーやフォースやライトセイバーを思いついて、
「そうか、俺はSF騎士物語がやりたいのか」と気づき、
そのように全体を組み直すこともできる。
そうすると、エクスカリバー的な存在、
姫的な存在、マーリン的な存在を補完することも可能だね。
コアのアイデアがシンプルだと、
スタッフに伝わりやすいことも大きい。
特に製作委員会なる素人出資集団に、
プレゼンしやすいこともある。
「新幹線に爆弾が仕掛けられ、
時速100キロを割ると爆発するのだ」は、
「新幹線大爆破」のコアアイデアだが、
これだけでサスペンスのワクワクが出てくるよね。
あと実装は何線にするか、
どういう時刻表があるのか、
関わる人たちは誰か、なんてのを詰めていけば良い。
コアのアイデアがシンプルであればあるほど、
実装は自由になる。
それもいいところだ。
あなたの物語は、
どのようなアイデアまで還元されるだろうか?
それを他人から聞いた時「おもしろそう」と思うかな?
「南極探検隊が見つけたのは古代生物の化石。
どの生物史にもない、まるで宇宙人のような…
だがそれは化石ではなく、冬眠状態だったのだ…!」は、
クトゥルフ神話の中のひとつ、
「狂気の山脈にて」のコアアイデアだ。
1936年発表、実に100年近く前の小説だが、
まったく古びてない、いいアイデアだと思う。
遊星からの物体Xは、これをパクってたんだなー、
とよくわかる。
まあ、遊星からの物体Xは、
「誰がXに取り憑かれてるのか」という犯人探しのシーンが異常に面白いので、
コアアイデアから発展させて、
オリジナルを獲得しているけどね。
こんな風にして、
コアアイデアを上手に抽出すると、
物語の背骨が見えてくる。
自分のでも、他人のでも、どんどんやって、
単純な形に煮詰めると良い。
2025年08月17日
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