2025年08月04日

楽しいと悲しいの違い

楽しいは、ずっと楽しくないと楽しくない。
悲しいは、1個悲しいとずっと悲しい。


つまり、
喜劇の方が悲劇よりもずっと難しい。

悲劇は、
悲しいことが1個あると成立する。
それは人の心を傷つけ、
立ち直らせなくして、
二度と復活できないか、
立ち上がるまでの話になる。

もちろんたくさん悲しいことがあってもよいが、
中心になるのは、
たった一つの大きな悲しみではないか。

喜劇は、
たくさん楽しいことがなければならない。
受けた笑いが1個あればよいわけではなく、
いくつもの楽しさを連続させて、
ずっと楽しくなくてはならない。


昨日仕事をした女優さんに、
「監督はずっと(撮影中)笑ってた」
と評されて、
たぶんいいコメディができたんだなと感じた。

滑ろうが滑らなかろうがかまわぬ。
楽しさとは、
ディズニーランドのようでなければならない。

そして人は同じ楽しさでは飽きてしまうので、
楽しさとは、
別々の楽しいことがたくさんやって来ることだ。


つまり、楽しさとは、
楽しさのバラエティのことかもしれない。
アホから知性まで、
右から左まで、
低温から高温まで、
ホワイトからブラックまで。


喜劇を書きたければ、
たくさんの楽しさを用意することだ。
悲しみがあったとしても、
それ以上のたくさんの楽しさがあるべきだ。
そして悲しみは、その楽しさのスパイスにすらなる。

悲劇を書きたければ、
多少の楽しさでは覆らない、
たった一つの悲しみをつくることだ。

恋はどっちだろう。楽しさか、悲しさか。
人生はどっちだろう。楽しさか、悲しさか。


ギリシャ時代以来、
人類は2つの形の物語をつくり、
享受してきた。
喜劇か悲劇だ。

どっちを書いても良い。
どっちつかずになるべきではない。
posted by おおおかとしひこ at 09:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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