そうだな、高校生の時くらいかな。
「芸術とはなにか定義しよう」などと生意気にも思い、
「捨てがたきもの」と定義したことがある。
素晴らしいものから、日常品のちょっとしたものまで、
うっかり捨てることができないものは全部芸術、
と高校生なりに定義したのであった。
純粋芸術ならそうかもしれないが、
我々がやってるのは商業芸術である。
その定義では広すぎるなー、とふと思った。
純粋な芸術に順位をつけられるだろうか?
無理じゃないかな。
だから、芸術とは、
一人でもこれは捨てられないと思えば、
保存されうると考える。
それは最悪作者でもいい。
これは芸術だと思い、大事にすれば、
それは芸術であり、
それらに順位はないと思う。
一方、僕らがやってるのは商業芸術である。
単純に売上で序列がつく。
それは、儲けろ、
ということを言おうとしてるのではない。
商業芸術が残るのは、
捨てがたいから残るわけではない。
「より儲けたから」残るのだ、という話をしたい。
世界名作劇場を見てみよう。
名作だから残るのもあるが、
その当時ヒットしたから、
ないし当時ヒットしなくても、
後世に多くの人に価値を認められたから、
そのラインナップに入れるのだ。
どんなに名作だったとしても、
誰も知らなければ、
捨てられるに違いない。
ドラマ「風魔」は、そんな作品だ。
見た人はみんな名作だというけれど、
U局だったからリアタイで見た人は数が知れてる。
DVDを持ってる人は限られてるから、
新規で見ようとしても、
配信がないので見る手段がない。
これが売れてれば、少なくとも配信などに乗り、
誰もが見れる場所にあると思う。
でもDVDは全部売れたし、
舞台版は全席完売だ。
これ以上儲けようがない。
使った金が大きかった(想定より予算を使ったよ。
もっとへぼいものを作る想定だったんだ)から、
興行としては微妙だったろう。
プラマイで考えるなら、もっと予算を削れば、
最大リターンになるわけだ。
あの枠の第二作Rhプラス以降は、
そうした狙いになっていったと思う。
ていうか、僕が使いすぎた?マイナス分を、
補填していったのかもしれない。
ドラマ風魔は今でも売れると思う。
ただ、当時売れなかった(MAXは売れたが、
そもそも用意した文量が少なかった)から、
今売ってないだけだ。
もうそれって、商業主義の闇以外にないわけよ。
売れてないものは売れない、
売れてるものが売れるという、
流れに乗っかるだけなのさ。
だから、
僕は売れるべきだと思う。
それは、商業主義に媚びろと言ってるわけではない。
エログロをやれとか、
猫を入れとけというわけではない。
そうじゃなくて、
ほんとに面白いものをつくって、かつ売れろ、
と言っている。
売れなければ、どんなによくても、
抹殺されるのだ。
意図的な抹殺というよりは、
事実上の無視なんだよね。
無視というより、無知というべきか。
知らないものは知られないという。
じゃあ、おもしろさとは何か?
どんなものが売れるのか?
僕にはわからない。
だけど、一つだけ僕が知ってるのは、
熱いものは良いものだと思う。
ただの熱血ならいいの?
僕はそうじゃないと考える。
主人公の性格とか関係なくて、
「その行動が熱い」「その展開が熱い」
「そのゴールが熱い」ものを言おうとしている。
笑えるのがいい、
泣けるのがいい、
知識が増えるのがいい、
萌えがあるのがいい、
などなどと言われているけれど、
それがあれば売れるとは限らない。
そもそも面白くなきゃしょうがないしね。
僕らは機械ではない。
血が通い、涙を流す生き物である。
それが反応する熱源を、
つくればいいんじゃないかなと考えている。
捨てがたきもの、という定義は、
否定形だからあまり役に立たない。
肯定形で、こういうもの、と定義した方がいいと思う。
「心が動くもの」だとまだ「なんで動くんだっけ?」
がわからなくなる。
僕は、熱いものをやればいいんじゃないかと思う。
もちろん、全然違う解答があってもよい。
それぞれが、商業芸術として成功すればいいと思う。
商業芸術は、
毎年作れる本数に上限がある。
一本あたりの単価が高く、
資本主義で集められる金は有限だからだ。
それを上から順番に取っていったら、
毎年有限個しかつくれないことになる。
下の方からはじめて、上に上っていかなければ、
自由に作れないだろう。
でも、下でも上でも共通する良さってなに?
って考えると、
人生の真実を描く、でもなく、
読後感がよいもの、でもなく、
人生を変えるなにか、でもなく、
熱きもの、なんじゃないかなー。
まあ、人によるけれど。
ドラマ風魔がおもしろいのに、
なかなか広まっていかない理由について考えた。
おもしろい理由についてもだ。
風魔はさ、なんか最終回に至るにつれて、
役者の熱がどんどん入ってくるんだよね。
その感じがすごく好き。
何もない状態で役者は勝手に熱くならない。
台本がどんどん熱くなってるからだよね。
2025年08月11日
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