いつ、登場人物は冷静さを失っているかを、
チェックしてみよう。
人間、デフォルトは冷静である。
少なくとも人前では、冷静なふるまいを求められる。
実際には心中穏やかではない場合でも、
人前では冷静なふりをするものだ。
それが、取り乱したり、
冷静じゃいられない状態が、
物語の状態である。
間違えたり、逆に勢いで突破したりする。
平静ではとてもやらないようなことをやるし、
間違った判断もするし、
しかし結果オーライだったりもする。
冷静な状態では、
成長も発展もない。
「順調」しか存在しない。
あるいは停止だ。
内乱、外乱があって、初めて人生は混ぜ返しがあり、
事態は動くのである。
冷静な対処で最善手をとっていたら、
完封で終わってしまう。
完封というか、何も起こらなかった、
が一番日常で起こることだからね。
そうではない、非日常が物語なので、
冷静じゃない状態に、
いかに持っていくかにかかっている。
狂気でもいい。恐怖でもいい。慌ててでもいい。
混乱でもいい。怒りでもいい。テンションあがりすぎでもいい。
うれしくてでもいい。
何かしら、逸脱した状態で、
物語は進むのだ。
冷静の逸脱というとまた漢語でむずかしく考えてしまうので、
こういう時は簡単な言葉に置き換えると良い。
ヤバイヤバイヤバイ……!
だ。ヤバイは昔は悪い意味でしか使わなかったが、
最近はいい意味でも使うので、
ヤバイはつまり冷静を逸脱した状態のことだ。
「あああああ」でもいい。
でもあああああだと思考停止になってしまうので、
ヤバイヤバイヤバイのほうが行動を促せる。
冷静だったら、何もしなかった。
しかし、冷静じゃなかったので、
何かをしてしまった。
そのあとどうするかが、物語だともいえる。
普通は酔っぱらって寝ているだけなのに、
今日に限って起きたら隣に裸の女が寝ているのが、
物語というものだ。
もちろんとびきりの美人でもいいし、半魚人でもいい。
2026年01月06日
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