2026年01月06日

冷静さを失う

いつ、登場人物は冷静さを失っているかを、
チェックしてみよう。


人間、デフォルトは冷静である。
少なくとも人前では、冷静なふるまいを求められる。
実際には心中穏やかではない場合でも、
人前では冷静なふりをするものだ。

それが、取り乱したり、
冷静じゃいられない状態が、
物語の状態である。

間違えたり、逆に勢いで突破したりする。
平静ではとてもやらないようなことをやるし、
間違った判断もするし、
しかし結果オーライだったりもする。


冷静な状態では、
成長も発展もない。
「順調」しか存在しない。
あるいは停止だ。

内乱、外乱があって、初めて人生は混ぜ返しがあり、
事態は動くのである。

冷静な対処で最善手をとっていたら、
完封で終わってしまう。
完封というか、何も起こらなかった、
が一番日常で起こることだからね。

そうではない、非日常が物語なので、
冷静じゃない状態に、
いかに持っていくかにかかっている。


狂気でもいい。恐怖でもいい。慌ててでもいい。
混乱でもいい。怒りでもいい。テンションあがりすぎでもいい。
うれしくてでもいい。
何かしら、逸脱した状態で、
物語は進むのだ。

冷静の逸脱というとまた漢語でむずかしく考えてしまうので、
こういう時は簡単な言葉に置き換えると良い。
ヤバイヤバイヤバイ……!
だ。ヤバイは昔は悪い意味でしか使わなかったが、
最近はいい意味でも使うので、
ヤバイはつまり冷静を逸脱した状態のことだ。

「あああああ」でもいい。
でもあああああだと思考停止になってしまうので、
ヤバイヤバイヤバイのほうが行動を促せる。



冷静だったら、何もしなかった。
しかし、冷静じゃなかったので、
何かをしてしまった。
そのあとどうするかが、物語だともいえる。

普通は酔っぱらって寝ているだけなのに、
今日に限って起きたら隣に裸の女が寝ているのが、
物語というものだ。
もちろんとびきりの美人でもいいし、半魚人でもいい。
posted by おおおかとしひこ at 08:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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