あなたのストーリーが単純で、平板なのは、
これをやっていないからかもしれない。
あるストーリーライン、焦点がある。
Aはどうなったのだろう、
それに関して、この展開があり、
Aは次の焦点A2になるのだ、
というシーンを書くとしよう。
これはたしかにストーリーの基本であるが、
こればかりやっていると、
ストーリーが平板になり、
あまり面白くなくなることが多い。
裏切りやミスリードを使ってももちろんよい。
伏線や解消もカタルシスがあるだろう。
それだけではまだ足りないのは、
「複数のストーリーライン」を意識するといいかもしれない。
XとYいう登場人物がいるとする。
XはAという目的があり、YにはBという目的があるとしよう。
そしてあるシーンがあり、
そこでは行動や発言や事件や結果があり、
それがターニングポイントになるとする。
で、そのターニングポイントPが、
Aのターニングポイントになり、
かつBのターニングポイントになると、
話はおもしろくなる、という話をしている。
そのシーンに二つのターニングポイントがあり、
P1はAのターニングポイントになり、
P2はBのターニングポイントになる、
ではまだ弱い。
ひとつのターニングポイントが、
複数のターニングポイントに、
重なっていると面白い、という話をしている。
たとえば、
野球の試合を二人が見ていたとする。
優勝のかかった、阪神巨人戦だとしようか。
一人は阪神ファン、もう一人は巨人ファンだ。
そして阪神が勝って優勝したとしよう。
そうしたら阪神ファンにとっては、
この世の春が来たターニングポイントになるが、
一方、
巨人ファンにとってはバッドニュースで、
来シーズンまでつまらない冬を過ごすことになる、
最悪のターニングポイントということになるわけ。
もちろんこれは「他人の行動」を見ているだけなので、
映画では、「登場人物本人の行動」でやるとよい。
たとえばXがYに告白してOKをもらったら、
Yを好きだったZにとっては、
最悪のはじまりになるわけだ。
つまり、あることが、
立場や目的や事情によって、
良いニュースにも悪いニュースにもなるわけだ。
あるひとつの出来事だけを追いかけていると、
そういう複合的な事象には出会えない。
複数の事情、目的があるから、
そういうことになるわけだ。
複数の登場人物でなくてもよい。
あることが、
Aという側面ではグッドニュース、
Bという側面ではバッドニュース、
ということはよくあることだ。
「グッドニュースとバッドニュース、どっちから聞きたい?」
というとき、
2つのニュースがあることもあるが、
1つのニュースで、異なる側面があるときもある。
たとえば、
「会社が遠くに引っ越すことになった(バッドニュース)、
しかしそこは女湯の隣なのだ!(グッドニュース)」
ということもあるわけ。
こんな風にして、
単にいいことになる、悪いことになる、
というターニングポイントではなく、
良い展開にもなっているし、悪い展開にもなっている、
という複合的なターニングポイントとして考えると、
ストーリーにコクが出て、
複雑な味が出ると思う。
それは、
複数の事情を同時にコントロールする制御力が求められる。
複数の登場人物の事情や、
複数の側面での理解などが必要だ。
これを繰り返していくと、
「そのターニングポイントで、
ABCが同時に違う価値をもつようなものにしよう」
などと計画できるようになる。
そうすると、
複数のストーリーラインを走らせやすくなる。
そして、
「一つのターニングポイントで、
複数のストーリーラインにとってのターニングポイントになる」
というのを組むことができると、
「そこでストーリーラインが交差する」
という風なものをつくれると思う。
誰かの勝利は誰かにとっての敗北だ。
そういう複眼的な視点が必要だね。
何かしらの決定は何かしらの軋轢を生む。
そして物語とは、決定の連続的効果、連鎖的効果である。
2026年01月21日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック

