2026年01月21日

ひとつのシーンで複数のストーリーラインのターニングポイントをつくる

あなたのストーリーが単純で、平板なのは、
これをやっていないからかもしれない。


あるストーリーライン、焦点がある。
Aはどうなったのだろう、
それに関して、この展開があり、
Aは次の焦点A2になるのだ、
というシーンを書くとしよう。

これはたしかにストーリーの基本であるが、
こればかりやっていると、
ストーリーが平板になり、
あまり面白くなくなることが多い。

裏切りやミスリードを使ってももちろんよい。
伏線や解消もカタルシスがあるだろう。
それだけではまだ足りないのは、
「複数のストーリーライン」を意識するといいかもしれない。


XとYいう登場人物がいるとする。
XはAという目的があり、YにはBという目的があるとしよう。
そしてあるシーンがあり、
そこでは行動や発言や事件や結果があり、
それがターニングポイントになるとする。

で、そのターニングポイントPが、
Aのターニングポイントになり、
かつBのターニングポイントになると、
話はおもしろくなる、という話をしている。

そのシーンに二つのターニングポイントがあり、
P1はAのターニングポイントになり、
P2はBのターニングポイントになる、
ではまだ弱い。

ひとつのターニングポイントが、
複数のターニングポイントに、
重なっていると面白い、という話をしている。

たとえば、
野球の試合を二人が見ていたとする。
優勝のかかった、阪神巨人戦だとしようか。
一人は阪神ファン、もう一人は巨人ファンだ。
そして阪神が勝って優勝したとしよう。
そうしたら阪神ファンにとっては、
この世の春が来たターニングポイントになるが、
一方、
巨人ファンにとってはバッドニュースで、
来シーズンまでつまらない冬を過ごすことになる、
最悪のターニングポイントということになるわけ。

もちろんこれは「他人の行動」を見ているだけなので、
映画では、「登場人物本人の行動」でやるとよい。
たとえばXがYに告白してOKをもらったら、
Yを好きだったZにとっては、
最悪のはじまりになるわけだ。

つまり、あることが、
立場や目的や事情によって、
良いニュースにも悪いニュースにもなるわけだ。

あるひとつの出来事だけを追いかけていると、
そういう複合的な事象には出会えない。
複数の事情、目的があるから、
そういうことになるわけだ。


複数の登場人物でなくてもよい。
あることが、
Aという側面ではグッドニュース、
Bという側面ではバッドニュース、
ということはよくあることだ。
「グッドニュースとバッドニュース、どっちから聞きたい?」
というとき、
2つのニュースがあることもあるが、
1つのニュースで、異なる側面があるときもある。
たとえば、
「会社が遠くに引っ越すことになった(バッドニュース)、
しかしそこは女湯の隣なのだ!(グッドニュース)」
ということもあるわけ。


こんな風にして、
単にいいことになる、悪いことになる、
というターニングポイントではなく、
良い展開にもなっているし、悪い展開にもなっている、
という複合的なターニングポイントとして考えると、
ストーリーにコクが出て、
複雑な味が出ると思う。

それは、
複数の事情を同時にコントロールする制御力が求められる。
複数の登場人物の事情や、
複数の側面での理解などが必要だ。


これを繰り返していくと、
「そのターニングポイントで、
ABCが同時に違う価値をもつようなものにしよう」
などと計画できるようになる。
そうすると、
複数のストーリーラインを走らせやすくなる。
そして、
「一つのターニングポイントで、
複数のストーリーラインにとってのターニングポイントになる」
というのを組むことができると、
「そこでストーリーラインが交差する」
という風なものをつくれると思う。


誰かの勝利は誰かにとっての敗北だ。
そういう複眼的な視点が必要だね。

何かしらの決定は何かしらの軋轢を生む。
そして物語とは、決定の連続的効果、連鎖的効果である。
posted by おおおかとしひこ at 07:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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