アバターシリーズのことを、
「またキャメロンが、
きれいなスクリーンセイバーをつくったのか」
と評した悪口をTwitterでみた。
そのとおりだ。
絵は綺麗だけど、中身がスカスカだ。
AIが自動生成した高画質のスクリーンセイバーのようであった。
しばらくネタバレなしでつづけます。
誰に感情移入すればええんやろ。
父?妻?
息子?
人間のスパイダー?
鯨たち?
群像劇であるとすれば、
「どのキャラクターのエピソードも弱い」と感じた。
逆に言うとすべてが等価だったのかもしれない。
「これは主で、これは副」
という別がなかったので、
散漫であったように思う。
脚本技術的には、
「アメリカ人はバカなのか?」
って思ってしまった。
「一度に一つのことしか進行してない」のよね。
普通、含みがあったりするもんだろうけど、
ストレートな話しかしていない。
そして毎回歯をむく。
動物かよ。
都会に育ったアメリカ人が、
アフリカやインディアンや日本人の自然観などを勉強して、
ミックスされた「異国の世界」を、
頑張って作りましたって感じ。
ラストサムライよりだいぶマシかもしれないが、
本質的にはそのズレは変わってない感じだな。
さて、
何より脚本的欠陥をあげておこう。
以下ネタバレします。
また、大海嘯かよ!
これを、デウスエクスマキナという。
神と一体化した部族であるのだから、
神なるデウスエクスマキナが出張ってくることになるけれど、
それは「人間が問題を解決する」
という物語の前提と反するのよね。
最後、男3人の決闘に持ち込んで、
肉弾戦に戻したことはよかったけど、
主人公の息子はここで活躍しないし
(父の代わりに宿敵を倒してもいいはず)、
宿敵は自殺するしで、
全然スッキリしないラストだった。
そもそも僕らは1も2もよく覚えてないので、
宿敵がなんで主人公を追うのかわからないし、
スパイダーがなぜ脱走してこっちに来たのかわからない。
その辺のフォローがあれば事情がわかってのめり込めるのかもだけど、
何も情報がないので、
息子よとかダディとか言われても知らんがなってなるねえ。
で。
スクリーンセイバーの話に戻ってくる。
キャメロンはずっと映像の最先端にいて、
常に映像を新しくしてきた。
その画質に、
ドラマがついてってない。
これは、
ゲームの画質が上がりすぎて、
ゲーム性がついて行ってないことに似ている。
このCGワールドに人間であるスパイダーが合成されてると、
「そこだけ昔の技術」みたいに見えちゃうんよね。
画質がこれだけ上がったからには、
それだけ上がったドラマ性を見たいのに、
やってることは70年代くらいの家族ドラマじゃね?
って思っちゃうのよね。
世界観はおおむねナウシカだし。
アメリカ人的にはエキゾチズム的に新しいのかもだけど、
こっちとしては既視感だらけなんよな。
全部モアナ+ナウシカに見える。
(原作ナウシカは、王蟲を超える腐海のボスとして、粘菌が出てくる。
その粘菌が神、というところまで同じだったよな)
で、もっと大事なことは、
「このドラマを実写で見たかったな」
って感想なのよね。
B級SF、それこそエイリアンやコナンザグレートくらいでいいので、
人間の芝居で見たかったなと。
そしたら、
まだ説得力があったと思う。
真剣に青塗りしてるオッサンと、
ダディという息子の話は、
もっとグッとくるものになってたと思う。
だってそれは、人間のドラマだからだ。
人間のドラマをCGでやってるのが、
もう一歩遠いんだよな。
そしてたぶん、
人間を撮る画質以上の画質で撮ってるから、
人間ドラマが画質に負けてるんじゃないか。
もともとキャメロンは、
単純なドラマしかつくっていない。
ターミネーター12の頃は、
それが画質とちょうどあってた。
タイタニックもギリスケール感があってた。
デカプリオとセリーヌディオンの非現実的存在でなんとかなってたからね。
アニータあたりからズレ始めたかなー。
フィルムじゃなくてデジタルで撮りはじめてからだろう。
その高画質に見合ったドラマが、
つくれてない。
だから、きれいなスクリーンセイバーになるのだろう。
特撮をのぞけば、
SDのビデオカメラぐらいがちょうどいいドラマだったんじゃね。
そしたら「よくできたドラマ」とか言われた気がするな。
画質の向上は、
映画の首を結局絞めたと思う。
キャメロンは、ドラマをこそ発展させるべきだったのに、
首を絞めるものばかりを発明したね。
たしかにクライマックスの大海嘯、
鯨が戦艦落とすところは興奮したよ。
でもそれって大怪獣バトルで興奮してることと変わりないよね?
結局デウスエクスマキナだしな。
あ、それと。
タイトル「ファイアアンドアッシュ」って変じゃね?
あの敵の部族のことだとわかるけど、
それメインじゃなかったやん。
テーマでもないし。
2025年12月25日
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