創作物というのはたくさんのアイデアの集合体である。
だけど、それが取っ散らかると、
「一体なんなんだこれは」という、
全体性が失われる。
(とっ散らかってる例でいうと、
最近見た中では「タローマン劇場版」だな)
つまり、アイデア同士がけんかするということだ。
食いあいする、ともいえる。
あるアイデアとアイデアが矛盾しているのは最悪だ。
それはうまく逃げ合わなければならない。
同じ程度の大きさのアイデアが共存すると、
「何が大事なのだろう?」とわからなくなってしまう。
二つならまだいいが、3つ4つと増えていくと、
何が言いたいんだっけ?になってしまう。
竜と虎ならまだいいが、そこに鷲や鮫や蛇が共存すると、
なんだっけこれ、になるというわけだ。
だから、竜が最強として、
他は小さい、のように調整する必要がある。
アイデアとは、
「うまいこと考えたなー」という感心である。
強さの戦いではない。
だから、
その「うまい!」という腹落ち、爽快感が、
一番メインに来なければならない。
メインテーマの定着、
落ち、
決着の仕方、などが、
もっともうまくなくてはならない。
他のもののほうが「うまい!」になるなら、
それはアイデアのバランスがおかしいということだ。
出会いのアイデアがよくて、
その次の展開や落ちのアイデアがよくなかったら、
それは出オチという烙印になるだろう。
サブのアイデアがよくて、
メインのアイデアが微妙だったら、
「主人公以外のキャラがよかった」になるに違いない。
(そしてそれは結構多く、それらは「惜しい」になる)
つまりテーマとメインとへそだ。
そこに腹落ちする、素晴らしいアイデアがあるから、
それはそこがアイデンティティになり、
「うまい!」となるのである。
たとえば僕はフィンチャーの「ゲーム」を挙げておく。
一回きりしか使えないネタだけど、
あの落ちはめっちゃ素晴らしい。
それ以外はすべてネタバレになるため、
かの作品が知られていないのは、大変もったいないと思う。
もし未見ならばぜひ見てほしい。
ラストのアイデアがすばらしく、
最初から振ってきた前振りが、見事に回収される様を楽しんでいただきたい。
それでいうと「ソウ」(1作目に限る)も、
ラストは拍手ものだよね。
こういう、へそが一番「うまい!すごいアイデアだ!」
ってなるのが理想だと思っている。
つかみにもアイデアは必要だが、
それはメインのアイデアではないだろう。
もしそういうものを思いついたら、ストックだけして、
そこから発展して話を考えるのはやめておくことだ。
なぜなら、
それより良いアイデアが出ない限り、
出口が見つからないからだね。
「行ける!だってすごいアイデアが出たんだもの!」
と思うのは、最初のつかみではなくて、
落ちであるべきだ。
それが思いついていないなら、
まだアイデアとして、「うまい!」「なるほど!」に、
たどり着いてないまであるね。
最終的に、
あなたはすべてのアイデアを統合して、
一個の作品にしあげることになる。
だけど、
それらに使われている沢山のアイデアに、
点数や色をつけていくとして、
もっとも高い点数で、もっとも目立つ色が、
ラストやテーマを示す部分にないものは、
作品として凡庸である、ということだ。
「おもしろかったけど、何がいいたいの?」でおしまいだと思う。
すべてはテーマへと集約される。
そのことにアイデアを使うべきだ。
2026年02月06日
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