2026年01月08日

白って200色あんねん

とはいうものの、その200色を全部見分けられるわけではない。
それらが「違う」とはっきりわかるのは、
「比べた」ときだ。
IMG_6508.jpeg



近所にたまたまこのトラックが止まってたので写真を撮った。

背景も、牛の身体も白だ。
だけど違う白だ。
背景はブルー系の白で、
牛はイエロー系の白(きなり)である。

背景と同じ色で牛を塗ったり、
牛と同じ色で背景(トラックごと)塗る手もある。
だけどこのデザインは、
わざと、意図的に、
この牛と背景を違う色に塗った。
なぜだろう?

「違いを際立たせるため」だ。
つまり、
キャラクターであるこの牛を、
背景から際立たせるために、
違う白を使ったんだね。

同じ色の白だったら、
トラックの車体に紛れてしまうかもしれない。
だから、
トラックよりもさらにキャラクターを目立たせるために、
違う白を使ったのだ。


写真を見ずに牛とトラックの絵を描いたら、
たぶん同じ白で塗っちゃうよね。
白い牛と白いトラックを同等に描いてしまうだろう。
でもこのトラックのデザイナーは、
わざと違う白を使ったわけだ。

似たようなものは、
並べることで違いが際立つ。
人は、違いを比べる事に慣れている。

同じ条件や場所で比べることは、
物語の中でもよくやることだ。

腕比べ、試合、○○試し、試験、
求婚者たちのプロポーズ合戦、
部下たちの能力比較、
アイドルメンバー同士の比較。

そして単なるスペックだけでなく、
決断や行動や結末も、比較されるのだ。


似たものをわざとならべて、
わずかな違いが大きな差を生むのを描くことは、
こうしたテクニックを使う方法とも言える。
違いを比べるのって、
なんか楽しいからね。

「メンバーが一列に並んでこちらに歩いてくる」絵は、
いつでもワクワクする。
違いを比べられるからだ。

「バカな……偽物だと?」
「よく見ろ……全然違う!」
「ほんとうだ!」
なんて会話は、古今東西、何万回も繰り返されてきたことだろう。


赤や青や黒の中に白をほうりこんでも、
白同士の違いはわからない。
白同士を並べればいい。



追記:
ドラマ「風魔の小次郎」で、柳生屋敷に居候した風魔たちが、
「各々違うことをやって特徴を出す(掃除、炊事、洗濯など)」
という場面が第一稿であがってきて、
僕はNGを出した。
たとえば「掃除」というひとつの中で、
それぞれのキャラの違いを演じるべきだ、と提案した。
第4話の劉鵬と麗羅のシーンや、7話の玉ねぎむきは、
そうした議論をもとにしている。
あるいは食事シーン全般がそうだね。


追記2:
200色の白の中から目的の白を探すゲーム
https://gigazine.net/news/20220522-white-200/
各メーカーの微妙に違う白の塗料を255色用意したグランツーリスモ
https://www.4gamer.net/games/512/G051215/20220728076/

みんな好きねえw
posted by おおおかとしひこ at 09:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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