とはいうものの、その200色を全部見分けられるわけではない。
それらが「違う」とはっきりわかるのは、
「比べた」ときだ。
近所にたまたまこのトラックが止まってたので写真を撮った。
背景も、牛の身体も白だ。
だけど違う白だ。
背景はブルー系の白で、
牛はイエロー系の白(きなり)である。
背景と同じ色で牛を塗ったり、
牛と同じ色で背景(トラックごと)塗る手もある。
だけどこのデザインは、
わざと、意図的に、
この牛と背景を違う色に塗った。
なぜだろう?
「違いを際立たせるため」だ。
つまり、
キャラクターであるこの牛を、
背景から際立たせるために、
違う白を使ったんだね。
同じ色の白だったら、
トラックの車体に紛れてしまうかもしれない。
だから、
トラックよりもさらにキャラクターを目立たせるために、
違う白を使ったのだ。
写真を見ずに牛とトラックの絵を描いたら、
たぶん同じ白で塗っちゃうよね。
白い牛と白いトラックを同等に描いてしまうだろう。
でもこのトラックのデザイナーは、
わざと違う白を使ったわけだ。
似たようなものは、
並べることで違いが際立つ。
人は、違いを比べる事に慣れている。
同じ条件や場所で比べることは、
物語の中でもよくやることだ。
腕比べ、試合、○○試し、試験、
求婚者たちのプロポーズ合戦、
部下たちの能力比較、
アイドルメンバー同士の比較。
そして単なるスペックだけでなく、
決断や行動や結末も、比較されるのだ。
似たものをわざとならべて、
わずかな違いが大きな差を生むのを描くことは、
こうしたテクニックを使う方法とも言える。
違いを比べるのって、
なんか楽しいからね。
「メンバーが一列に並んでこちらに歩いてくる」絵は、
いつでもワクワクする。
違いを比べられるからだ。
「バカな……偽物だと?」
「よく見ろ……全然違う!」
「ほんとうだ!」
なんて会話は、古今東西、何万回も繰り返されてきたことだろう。
赤や青や黒の中に白をほうりこんでも、
白同士の違いはわからない。
白同士を並べればいい。
追記:
ドラマ「風魔の小次郎」で、柳生屋敷に居候した風魔たちが、
「各々違うことをやって特徴を出す(掃除、炊事、洗濯など)」
という場面が第一稿であがってきて、
僕はNGを出した。
たとえば「掃除」というひとつの中で、
それぞれのキャラの違いを演じるべきだ、と提案した。
第4話の劉鵬と麗羅のシーンや、7話の玉ねぎむきは、
そうした議論をもとにしている。
あるいは食事シーン全般がそうだね。
追記2:
200色の白の中から目的の白を探すゲーム
https://gigazine.net/news/20220522-white-200/
各メーカーの微妙に違う白の塗料を255色用意したグランツーリスモ
https://www.4gamer.net/games/512/G051215/20220728076/
みんな好きねえw
2026年01月08日
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