2026年03月17日

〇〇ごっこはなぜ楽しいのか

1 本当じゃないから
2 いつか終わることが分っているから

ではないか。


1 本当じゃないから

本当じゃないから、何をしてもいい。
殺してもいいし、殺されてもいいのだ。
ひどいことを言ってもいいし、
普段禁止されていることをしてもいい。
浮気しても乱交しても、神を殺してもいい。

本当じゃないからだ。

まずその解放感が、楽しいんじゃないか。
人は世間というルールの中で生きていて、
それを縛りとしている。
それを解放することが○○ごっこである。

逆にルールを縛って楽しむ○○ごっこもある。
なんでもいいわけ、ルールがいつもと変われば。


キャバクラ嬢と客ごっこでもいいんだよ。
「やらせろよ」という客と、
「お金を引き出そうとする」キャバ嬢の、
ごっこ遊びとか楽しいぞ。

首相ごっこでもいいぞ。
高市とトランプの役割をして、
トランプに無茶ぶりをさせて、
高市がうまく返せるように遊ぼうぜ。
そこに習近平が来てもいいよ。

どうせ本当じゃないんだ。
死んでもいいから、面白いことをやれるわけだ。


2 いつか終わることが分っているから

そして、それは終わることが分っているから、
ごっこ遊びが出来るんだよ。

もし終わらないごっこ遊びなら地獄だろ。
「サラリーマンごっこをしなければならない社会」が、
どれだけの人にストレスをかけているか。
サラリーマンはいずれ終わることは分っているけど、
ごっこ遊びのすぐ終わるのとはわけが違う。
ごっこ遊びは飽きたら5分で終わるわけだ。
だから、無茶もできるんだな。


つまり、ごっこ遊びとは、
実験なのだ。

いつもは出来ないことを実験するためにある。

仮面はひとつの実験だ。
私はいつもと違う人格である、
という事を試すためにあるわけだね。

仮面舞踏会なら、
普段は淫乱じゃないのに淫乱になってもいいし、
仮面ライダーなら、
普段は正義じゃないのに、
正義の仮面をかぶってもいいのだ。

それは、何かを押し付けている抑圧からの解放になるわけだ。
そして、そうして現れた人格が、
何をするかの実験であるといえる。

そして、
仮面をぬげば元の自分に戻ることが保証されているからこその、
なんでもできるわけだ。


ネットの匿名社会はこれを実現したともいえる。
ハンドルネームであれば、
普段の自分ならば言わないことも好き放題言えるからね。
これはネット壮大ごっこ遊びなのだ。
正義マンに普段なっていないやつも、
仮面をかぶれば、正義マンになれるわけだね。
そしてそれは、終わることが分っている。
ネットから離れた瞬間、
もとの人格に戻るからだね。

なんなら、○○ごっこは、無限にあるからいいのかもしれない。
忍者ごっこしか出来ないのならそのうち飽きるが、
アイドルごっこやお医者さんごっこなど、
どんどん増えるから面白いのだろう。
責任は、どんどん次へ行く。



物語を味わう行為は、
○○ごっこの延長であると僕は思う。

自分が、別の何者かになったとして、
その何者かになるごっこ遊びであると。

ごっこ遊びには、ある程度ルールがいる。
あなたはトランプです、
あなたは最強の抜忍です、
あなたはプロデューサーに気にいられようとしている地下アイドルです、
などなどだ。

それをもっと複雑に、
2時間楽しめるようなごっこ遊びを用意したものが、
映画なんじゃないかと思うわけ。

だから、
ごっこ遊びの面白さを提供していないものは、
遊びとしての映画じゃないんじゃない?
って思ってしまうのよね。

もちろん、ポジティブな方向だけのごっこでなくてもいいよ。
悲惨な、ネガティブな方向のごっこ遊びもある。
「貧困のアフリカの村ごっこ」は、
不謹慎だがおもしろそうだ。
それは、無責任で終わることが分っているからだね。

ごっこ遊びは、責任を負わなくてよい。
そして、好きなことを考えてよい。

それを提供しなければならない。



あたらしいごっこ遊びは何?

それをリアルな解像度で思いつけると、
あたらしいジャンルになると思う。


先日見た「フロントライン」は、
コロナが発生した豪華客船での、
現場とバックヤードの責任者のごっこ遊び、
という新しい娯楽を提供した。
だからめちゃくちゃそこは面白かった。

でもごっこあそびだけで終わってしまい、
テーマがなにもなかったのが、
映画に昇華しきれていないと感じたね。

ごっこ遊びの面白さで突き抜けて、
そしてテーマを残す。
両方やらなきゃいけないから、むずかしい。
posted by おおおかとしひこ at 08:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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