この人は面白い人。
この人は明るい人。
そんな風に設定することもあるだろう。
それだけじゃキャラクターは動いてくれないよ。
動いてくれるには、
「どうしてその人を面白いと思ったの?」と自分に問うてみると良い。
以下「面白い人」を例に考える。
なんでその人を面白いと思ったんだろう?
顔が面白いから?
それだけじゃその人は面白いと言えないよね。
大阪出身だから?
大阪出身が100%面白い人とは限らない。
(しょうもない東京人よりは面白い可能性はあるが)
服装? 髪型? それだけで面白さは決まらないよね。
じゃあ言動かしら?
近づいてきたね。
でも必ず「○○やねん」というから面白いわけじゃないよね。
あるときにベストに面白いことを言うから、
「この人は面白い」ということになる。
つまりあなたが「面白い人」を創作したいならば、
「いついかなる時も、
ある文脈のときに面白いことを言う」
というセリフを書く必要がある。
言動をつねに描くのである。
あるいは、言動でいうと、
「いついかなる時も、
ある文脈のときに面白いことをする」も描く必要がある。
口だけ番長にならないように、
面白いことを「する」も書けないといけないわけだ。
つまり、
あなたが「この人は面白い人である」
という風に設定するだけでは、
面白い人は書けない。
自動書記じゃないんだからね。
どんな風に面白いのか、それを詰めても、面白い人は書けないよね。
○○芸人みたいな面白さがある、
という風に設定しても、
○○芸人みたいなセリフを吐くだけになってしまい、
そのキャラクターのオリジナルの面白さには到達しない。
○○っぽいよね、で終わってしまう。
しかし、まずそれすらも出来ないのなら、
その真似をしてみると良い。
物まねは創作の第一歩だからね。
そのうち、芸人ABCを混ぜたキャラクターを書けるようになるかもしれない。
そうしたら、だいぶオリジナルキャラクターに近づくかもしれない。
ただ、その人の中でキャラクターが分裂しないように、
ひとつの人格としてコントロールできることが必要だけど。
で、
ここまでが初級編かな。
ここ以降が中級編になる。
「この人は面白い人」というのを描きたかったら、
エピソードで表現するのである。
中学のときに松尾くんという、
それまであまり面白くなかったやつがいるんだけど、
そいつが遠足で調子に乗って池に落ちたので、
それから急に松尾の言うことはなんでも面白い、
ということになった。
「松尾は池に落ちるやつ」というエピソードで記憶されたわけだ。
以後、仮に一度も松尾くんが面白いことを発言しなくても、
ずっと松尾は池に落ちるほど面白いやつ、
という印象はぬぐえまい。
そういう、「面白エピソードを一発持ってればよい」
というわけだ。
池に落ちるのは、創作じゃなくて現実だから爆笑になるわけだ。
創作で池に落ちるのは普通すぎて面白くない。
だから、
もっと面白いエピソードを思いつく必要がある。
そのエピソードこそ、創作なのである。
この人は面白いやつ、ということを設定した瞬間に、
そのエピソードを創作したまえ。
それが面白くないなら、
そいつはあんまり面白くないやつにしかならないよ。
リアル池に落ちた松尾くんより、
面白いエピソードにならないなら、
松尾くん以下になってしまう。
(だから大阪人は笑いに厳しい。
現実におもろい人をいっぱい知ってるからだ)
「こいつは面白いやつ」を創作するには、
面白エピソードこみだ。
ある文脈での面白い言動でもよい。
それがオリジナルで、
「こいつほんとうに面白いなあ」
というのが出来たら、
そのキャラクターは初めて「面白い人」になるだろう。
さて上級編。
そのキャラクターのエピソード披露はいつ?
僕は、初登場時でやるべきだと思うよ。
そのキャラクターの第一印象を作るべき時に、
やるべきだと思う。
ただし、実は本性がそれで、という展開を作りたいなら、
最初は逆のエピソードから始めるべきだろう。
初登場時にはあまり目立たなかったやつが、
ある面白エピソードをきっかけに、
急に面白いやつにブレイクする、
という流れだね。
そういう計画があるなら、
初登場時は逆の印象を与える(できればエピソード形式でね)
べきだろう。
つまり、人はエピソードで、
その人のキャラクターの印象を形作る。
思い出すときにそれごと思い出すというわけだ。
わざわざエピソードを思い出さなくても、
そこについているラベル「面白い人」で、
彼を判断することになるだろうね。
そのラベルは、エピソードからの印象になる。
第一印象とか、彼に対する印象や評価は、
そのようにしてつくられるのだ。
その人はどういう人?
面白い人?
優しい人?
怖い人?
ほんとうは勇気のある人?
ひどい人?
悪い人?
汚い人?
それは、設定や表面的なところからは決して生まれない。
もちろん、役者はその役の顔つきやしぐさを、
そのように作るよ。
怖い役なら怖い顔をするし、
面白い役なら面白い動作をするだろう。
でもそれはあくまでその人を分かりやすくする記号にすぎない。
ほんとうにその人がそういう人であることを示すのは、
脚本に書かれているエピソードなのだ。
面白い顔をしている暇があったら、
まず池に落とせ。
それで、キャラが立つ。
2026年04月06日
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