2026年03月16日

効果音の問題は難しいよね

Twitterから。
> アニメの剣や斧でひとつだけ気になる事があるんだけど持っただけで「チャッ」みたいな金属音鳴るじゃん。あれどこかの部品が緩んでいるのでは。

「スッ……」は音がないのにそこに意味のある動作がある、
を示す漫符。
擬音ではなく擬態語。
つまり、本来動きが小さい方が目立たなく、
音も出さないべきなのだが、
「動きが小さすぎてほとんどの観客は見逃してしまうもの」
に効果音(擬音語ではなく擬態語として)がついている。



だから、
チャキッは、擬態語。

同様のものに、
スッ、シャキッ、ぬーん、ヌメッ、
ヒリヒリ、びりびり、ぷかぷか、
などの、主に触覚を伴う感覚が、
聴覚という設定を通じて表現されているね。

もちろん、映画でもこれがあることで、
効果があるならば効果音をつける。
普通より大袈裟に音を鳴らしてもいい。

効果音があるところは「動きが小さくて見逃すが、
これをわかってないと今後わからなくなる重要箇所」
ということだ。
つまり伏線なんだな。

剣を構えてチャッて音がしたら、
「これから使う」ことへの伏線だ。

中国の文学表現で、
日本ではあまり使わない比喩に、
「剣の寒い光」というのがある。
人を殺す冷たい光の表現なんだけど、
意味はわかるよね。
別に温度が下がるわけではないが、
そういう気がする、という感覚だ。

視覚と聴覚しかない映画では、
そうした感覚を、
視覚と聴覚を使って表現するのだ。
鞘から抜いた剣が、
ピィィィンという響き(聴覚)をしていることで、
それを表現してもいいのだ。


つまり、
「そんな音リアルにしねえよ」って言う人は、
それをフィクションだと理解できない、
野暮だということだね。

まあ、あまりに定型句だから、
飽きてるということなら認めよう。

でも「ひとつだけ気になること」がそこなのは違うだろ。
もっとあるだろ。鼻の穴がないとかさ。
posted by おおおかとしひこ at 17:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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