2026年04月20日

面白いとは、勝利のことである

面白さとは何か。
物語上の面白さとは何か。

色々あると思うんだけど、
今回は「勝利のことである」という切り口で書いてみる。


正確にいうと、
勝利そのものと、「勝利しそうという予感」も含むと思う。

好きな女の子と付き合える、
というゴールだけが快感を生むのではなく、
「行けそうな気がする」のほうが大部分を占めていることが良くあるからね。
(だからセックスしてしまったら、
急に冷めるという現象があるわけだ。
ドーパミンが出なくなってしまうのだね)

で、
どういうときにこのストーリーを面白いと思うんだろう?ということだ。
設定の説明をされているとき?
伏線が解消したとき?
哀しい場面に沈んだとき?
かわいい子が出てきたとき?
たぶん、そうではなくて、
「勝利しそう」「勝利した」
というシーンで、
人はドーパミン、報酬系の快楽物質が出るんじゃないか、
という仮説だ。

もちろん、感情移入が必要だ。
そのキャラクターとともに進んでいる、
という感覚がないと、
他人が幸せになることに関心はない。

たとえば女子のほうが他人の幸せに嫉妬しやすい。
女子むけのラブストーリーで美人女優は使われない。
美人過ぎると、イケメン俳優を現実生活で取ってしまいそうだからだ。
だから微妙不細工が使われる。
あるいは、
「ずっと子役から知ってる子」もよい。
感情移入ができているからだね。
ニコラモデルなどが起用される理由は、
嫉妬を防ぐためだったりする。

男子はあんまり他の男子が成功することに嫉妬しないよなー。
なんでかは置いておこう。
とにかく、現実生活で嫉妬をしないような、
感情移入がしっかりできている状態、
入り込んでいる状態だと、
成功しそう、成功そのものに、
ドーパミンが出る。
それを「おもしろい」と錯覚するのでは、
ということが言いたいわけ。

だから、
「成功しそう」という匂いを、
ちょいちょい振りまくといいんじゃないか、
ということだ。
まったく成功しそうにないラブストーリーは、
おもしろいかな?
嫌われている女の子にアタックする話は、
やめとけ、でしかないのではないだろうか。
ちょっとその子がやさしいとか笑顔だとか、
好きかも光線をだしてくるから、
「いけるかも」という前のめりになっていくのではないかと思う。

ギャンブルでもそうかもしれない。
勝てなさそうな時はつまらないが、
リーチを引くとか、
行けそう、というときに一番興奮するんじゃないかしら。
もちろん勝つ瞬間も楽しいのかもしれないが、
そんなにめったにないから、
それよりも頻度としては良くある「行けそう」が、
ポイントになってきそうな気がする。
パチンコはやたらリーチ演出の数があるけど、
それはその「行けそう」をたくさん見せて、
おもしろいと錯覚させることが目的なんじゃないだろうかね。


で。
物語の場合、
大成功、小成功、
すごい行けそう、ちょっと行けそう、
などを組み合わせて、
惹きつける、ということができる。

もちろん、話はターニングポイントを使い、
掌を返すので、
行けそうと思ったらだめそうになるとか、
成功したのに欠陥が見つかるとか、
逆に行けなさそうなのに行けそうなポイントが見つかるとか、
そういうことで翻弄するわけだ。

成功と失敗で、翻弄可能ということになる。


このことを理解していないストーリーテラーは、
成功しそう、という種をうまく撒けないのではないかと思われる。
いつまでたっても「行けそう」がないのは、
ずっと見てておもしろくなくなるのでは、
ということだ。

道に迷ったときに、
「こっちに道がある!」となるだけで、
希望が湧いてくるものだ。
そういうことなんじゃないかと思うわけさ。
(もちろん、行けそうだけど不安もある。
それでも決断するのがストーリーだ)


というわけで、
行けそう、行けなさそう、成功、失敗を、
うまくコントロールしよう。

成功したと思ったらピンチがやって来て、
ピンチのあとにはチャンス(=行けそう)が来るのだ。
その、翻弄される主人公を、
作者が都合よく?つくるわけだね。

それが都合だと思われたら負けで、
都合じゃなく、必然に見えてきたら、
神脚本と呼ばれるだけのことである。
posted by おおおかとしひこ at 07:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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