2026年03月22日

詰め込み過ぎている(漫画「戯画人」第一話評)

新連載おめでとうございます。
お祝いにプロの洗礼を受けてもらうかー。
批評されるという洗礼。

増大ページなのはいいんだけど、
中盤のクライマックスでやるべきこと(主人公の正体)を、
第一話でやっていいのかなー、
なんて思ってしまった。


なんでそれをやらなきゃ行けないかを考えると、
第一の敵(双子)が魅力的じゃなかったからかな。
バトルものは、敵の魅力が主人公と同等である必要がある。
北斗の拳でもモヒカンはキャラが立っているし、
種もみジジイもキャラが立っているのに、
この双子はよく分らないまま死んでしまったのが、
違うって思ったところかな。


あと、いろいろ嘘が多すぎる。
未来の東京はいいとして、
あのお絵描き帳がなんなのか全然分らん。
「そういうものがあるとして」がそれ一個であるべきだけど、
そのあと戯画人とか出てくるわ、
えーっと、と情報量がどんどん増えていくわりには、
足しっぱなしになってて、
どれも魅力的になる前に次へ行ってしまう。

宿敵になりそうなやつも、特筆すべきほどいいキャラにも見えなかった。

漫画は造形だけでキャラ立ちさせて、
引き込むスタイルもあると思うが、
そういうタイプの漫画でもない。

たぶん、
メインディッシュであるところの、
お絵描きバトルが良く分らないところが問題だと思う。
お絵描きしてどうするのか、
幻獣同士で戦うのか、
現実世界と干渉するのか、
どうなったら勝ちなのかが、
よく分らない。
書き足しOKとか、途中で絵師が介入できるのかとかもね。

そして、そのバトルはいつ、どうやって発生するのか、が、
良くわからないまま話が進んでしまっている。

まずはファーストバトルであるところの、
双子とのバトルで、
この世界でのバトルのルールというか暗黙の了解を、
示すべきだと思う。
負けたらお絵描き帳を取られるとか、
思い出が一つなくなるとか、
リスクがないとバトルがワクワクしないんだよな。
思いの強いほうが勝つ、でもいいんだけど、
だったらどういうリスクがあるのか、
について、良く分らなくなってしまっている。

おそらくこれは、
バトルものの形をした、
自分探しの物語だと思うんだけど、
バトルものとして面白くないと、
幹が弱いと思う。

スポーツもので言えば、
ニュースポーツものなんだから、
そこが面白くないんだったら、
どんな面白いストーリーが来てもつまらなくなりそうだ。

どういうルールのバトルなのか、
勝利敗北条件、
リスクは何か、
が分らないと、
たぶん、バトル自体を楽しめない。
死ねばおしまいでもいいし。


まあ、編集さんたちがどういう着地点を目指して、
今はどういう状態なのか不明なので、
余計な批評かもしれない。
ただ、第二話を読むか?
という点については、
うーん、一話切りかな。

タイトルも覚えにくい。
戯画人を僕は最初「ギガジン」と呼んでいた。
同名の色々B級ニュースを特集しているサイトがあるからね。
(ギガマガジンの略かな。考えたことなかったが)
それを「ぎがんと」と読ませるのは、
なんでや。
「ぎが」が音読みだから、「人」も音読みになるのが普通。
それを重箱読みにするのは不自然だよなー。

ちなみに、お絵描き帳でのバトルは、
「戯画バトル」というのだろうか。
そういえばその名前もなかったな。
「デュエル」という言葉を遊戯王が流行らせたように、
「プラレス三四郎」が「プラレス」という新しいジャンルをつくったように、
何か名前がほしいよね。

情報量という点では、そのデュエルにあたる言葉と、
お絵描き帳というふたつくらいが特別な世界設定で、
あとは登場人物のことだけで良かったのでは。

たくさん設定があったわりには、
どれも芯を食った感じがしなかった。
何を忘れてもいいからデュエルだけが残る、
みたいになるのが理想なんだけど……


たぶん、主人公の目的を出そうとして、
正体バラシがあったような気がする。
それはまだ伏せておいて、
「○○を探している」とか、
「○○を追っている」程度にしておけば、
それはいずれ明かされる伏線であろう、
といいように解釈できて、
バトルに集中できたのではないだろうか。
巨大女は面白かったが、
「絵を描く面白さ」かなあ?

今後、あらゆる人々の悲劇を、
「絵を描くことで解決する」という人情ものになるのだろうか?
追われる抜け忍ものになるのだろうか?
そのうち世界を支配する巨大な組織に会うことになるのだろうか。

その展開次第では、今後おもしろくなるかもしれない。
posted by おおおかとしひこ at 17:47| Comment(2) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
作者の嶺王もとい自称弟子のれおです!
まさか大岡監督に読んでいただけるとは夢にも思わず……!
本当にありがとうございます!!

ご指摘の通り本当にまだまだ未熟な身なのですが、こうして連載のお仕事を頂けたからには、毎話毎ページ毎コマとにかく面白くするために今後も精一杯制作していきます!!
批評も本当に有難いです!
全力で糧にさせていただきます!!
Posted by 自称弟子のれお at 2026年03月23日 04:47
>自称弟子のれおさん

まずしばらくは敵が魅力的かどうかでしょうね。
がんばってください。
Posted by おおおかとしひこ at 2026年03月23日 05:50
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