2026年05月07日

ストーリーラインを複数上げ下げする

ストーリーラインとは、
「あれはどうなった?」という、ひとつの焦点にまつわる何かだ。

センタークエスチョンという、
ストーリーが終わるまで結果が出ない一番大きなやつから、
すぐに解決してしまう(なくなったりする)ものまで、
色々ある。
それを複数使いこなせると、
ドラマチックなものがつくれる。


なるべく同じレベルのストーリーラインを用意しよう。
「地球は救われるか?」と、
「ばんごはんはなにか?」でないほうがいい。
「彼女とデートする」
「仕事で残業する」
のような、相いれないやつみたいなほうがいい。

で、コツとしては、
ある一方がうまく行った瞬間、
ある一方がうまく行かなくなる、
ように組むとよい。

ターニングポイントである。
彼女とデートできると分った瞬間、
残業で今日帰れないことが確定する、みたいなことだ。
逆でもいい。
せっかく早く帰れるのに、
彼女にデートを断られる、みたいなやつだ。

また、逆を予想させておいて、
両方好転する、両方悪化する場合もある。
早く帰れて彼女とのデートもたまたまOKだった、
というラッキーデーもあれば、
残業もあれば、彼女から返事もない、
みたいなこともあるよね。

これらはあちらを立てればこちらが立たず、
みたいな等しい状況だけど、
「地球は救われたが、ばんごはんは食べれなかった」
「ばんごはんは食べれたが、地球は滅亡した」
というSFもアリになりそうだな。
これはつまり、両方のストーリーラインを、
等価として扱うおもしろさがあるね。

リアル方向と、極端な方向がある。


どうやってもいいのだ。
Aというストーリーラインと、
Bというストーリーラインが、
進む、戻る、を繰り返して、
次第に結末へ進むとしたら、
両方をコントロールして行くとよい。

そして、
とりあえず良い方に行くとか、
悪い方に行って良化させるとか、
主人公の行動を決めればいいのだ。

それは人生と同じだが、
人生をより劇的に見せるのがフィクションなので、
わざとタイミングを良くしたり、悪くしたりするのだね。

だから、昇進の知らせが来た瞬間に、
実家が燃えたりするわけだ。


まずは、
同じようにそろったものを選んで、
逆をつくると良い。
慣れてきたら、逆ではなく、同じにするとよい。
3本以上に挑戦してもいいかもしれない。

あるいは、大小に重さの差があるストーリーラインでもいい。
子供の人生と親の人生の同時進行は、
どちらが大事ということはないが、
人生の重さは異なるに違いない。

人生にはいくつものストーリーラインがある。
その何をどう選んで、
どう展開させるかが、
ストーリーテラーの手腕ということになる。

そして、
それを記録のように描くのではなくて、
より劇的に上下させるのが、
フィクション的ドラマであると思うと良い。

だから、
何かが成功しそうになると、
何かが悪化するのだ。
そのシーソーに右往左往するのが、
ストーリーの面白さであると言える。

Aを取るか、Bを取るか、
というのはストーリーで良くある手法であるが、
それってこのことを意味しているわけだね。
ストーリーラインをわざとこのように作りこめば、
いつでもこの二択場面をつくることができる。
そして、
両方良くなっている方向なのか、
悪くなっている方向なのか、
どちらかは良化していて、他方は悪化しているのか、
状況をつくり、
主人公に選択させればよい。

複雑な状況を整理して、
その二択の道が現れるようにすればよいわけだ。
これ究極の選択の場面じゃん、
に収斂していくのである。


もちろん、
その選択はいくつかのパターンがありえて、
世界は複数の可能性の重ね合わせになるだろう。
しかし、
その中でも、もっとも面白いパターンの世界線にするのが、
作者のセンスというものだ。
それを選択できないなら、
全パターン書き出して、テヅカチャートで考えることだね。


たった一つのストーリーラインが進んでいるわけではない。

うんこが漏れそうというときに、
トイレットペーパーが切れていることが加われば、
すぐに2本のストーリーラインになる。
「漏れそう」ということで締め切りがあることにも注目だ。
締め切りがある状態での、
選択の難しさ、面白さを作りこめば、
それは複数のストーリーラインの面白さになるだろう。

一人の登場人物の中に複数の焦点をつくってもいいし、
複数の登場人物の対立で、それをつくっても良い。
n人のm個の焦点の、上げ下げがあるのが、
フィクションというストーリーのおもしろさだと思うといいだろう。

それを創作して、編むのだ。
できあがったタペストリーがストーリーと呼ばれる。
posted by おおおかとしひこ at 07:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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