ドラマでよくある手法。
○○に関することを色々やります、
というやつ。
仮面ライダーでいう「怪人」、
刑事ものでいう「事件」、
探偵ものでいう「依頼」だ。
毎回○○が起こり、収束し、
次回はそれを忘れたかのように始まるタイプの、
一話完結スタイルだ。
この○○違いが、
ドラマのガワのひとつだ。
「今回のドラマは、
すでに時効になっている事件を趣味で解決していく、
へんてこな刑事を主役にして、
時効済みのモヤモヤを解いていきます」
というのが「時効警察」のコンセプトである。
「今回のドラマは、
スイーツ職人が、
毎回違うスイーツ店で修業して、
色んなスイーツをつくれるようになっていく話です」
などのようにもすぐ応用できるよね。
店ものはそういうのがやりやすい。
「あるスイーツ店が舞台で、
毎回違う客が来る。
それを毎回違うスイーツで癒す話です」
なんてのもすぐに出来るだろう。
探偵と依頼者がいて、
「毎回その探偵に、
誰もが断った変な依頼者がやってくる」
という形式もよくある。
たいてい持ち込まれるのはトラブルで、
それを解決したらおしまいになるわけだ。
それが怪人のような事件が仮面ライダーで、
人間ドラマになっているのがドラマである、
という違いでしかない。
何を言いたいかというと、
続きものではない一話完結の場合、
「収集癖」が鍵ということだ。
どういうことかというと、
【○○】というコンセプトで集められる、
色々が毎回ドラマになる、
というわけだね。
たとえば【超常現象】で集めたのが「Xファイル」だね。
風魔ドラマはこの形式を借りた。
原作は続き物であり、
実は必殺技が毎回変わる【○○】の代わりなのだが、
そこにCG費が投入できない予算の都合があったので、
人間ドラマをメインにするしかなかった。
それを【部活】に変更することによって、
収集癖ができたわけだ。
もっというと「部活とその裏」というペアのもの、
ということだね。
サッカー部と地下駐車場、野球部とバックスクリーン内、
ボウリング部とその裏のところ、
シンクロ部とその下の水中、
などのようにだ。
こういう収集が面白くなるように、
(そして予算が安くなるように、
原作の持ち味を一切殺さぬように)
色々考えたわけだね。
このように、
ドラマは「○○に関する収集癖を満たすもの」
をつくることができる。
たとえば、
毎回あるアイドルグループのメンバーが、
週替わりで出演する、
ということならば、
その収集癖を満たせるだろう。
(もともとアイドルグループは、
収集癖を満たすものである)
怪人や怪獣がトレーディングカードになるのは、
収集癖を商売に昇華しているということだ。
スイーツの企画ならば、
毎回「○○商店街の名物スイーツ」が出る、
という風になると、
その商店街の収集癖を刺激することになる。
(商店街そのものも、買い物に関する収集癖を刺激する)
人は、棚に何かを収集するのが好きな生き物だ。
(DVD boxはそういうものだ。
Blu-rayが生産中止になってこの流れはどうなるんやろ)
その収集癖を見極めて、
何かで軸を通せれば、
面白いドラマになると思う。
孤独のグルメはまさにそこの「孤独にオッサンが飯を食う」
に関する収集に特化したもの、ということだ。
これはドラマの特徴で、
毎週一回見るもの、という前提だからだ。
一回見たら来週になり、
先週見たものの前提を忘れている、
前の世界は前の事件が終わった時点でリセットされている、
という前提で見るものだからね。
だから、「今回は○○でございます」という、
新たなアイテムを楽しみにする、
という収集になっているわけだ。
さて。本題の映画になる。
映画は毎週見るようなものではないので、
この、収集癖が通じない。
むしろ、今週は○○を見よう、
などのように、
【色々な映画を見る】が収集の軸になっていることすらある。
だから映画内で【○○】をやってもだめだ。
お話を止めてしまう。
中盤で間違いの展開の中に、
スプレッドがあることを僕は警告してきたが、
これは収集癖の横展開をしてしまうと、
縦のストーリー展開が止まってしまい、
つまらなくなる、ということを言っている。
(逆にドラマでは、一週空いているから、
その間に横展開をして飽きられないようにする、
というわけである)
それは、「一気に見るもの」という前提だからだ。
「今週見る映画と、次の週に見る映画、
さらに次の週に見る映画……」のように、
映画たちが、収集の対象になる。
人間ドラマばかり見るのではなく、
人間ドラマ、アクション、ホラー、ミステリー、
恋愛もの、
などのように、ジャンルを収集することになるわけだね。
たとえば、
アイドルグループ5人がいるとして、
それぞれが主演の5本を毎週公開していったら、
それぞれを収集したくて、
収集癖のある人たちが来ると思う。
主演は同じだが、毎週5本公開されて、
実は同じ世界で繋がっている話なのだ、
などのように、映画は収集される。
○○監督の新作、
という風な収集の仕方もあるよね。
○○に関して収集癖を満たすものは、
おもしろいけど、それでは映画にならないし、
収集癖そのものは映画にならないことは、
覚えておくとよい。
今○○でスプレッドしていることを面白いと思い込んで、
映画的にはつまらないことをやっているな、
と自覚になると思う。
逆に、毎週やるものでは、
収集癖に刺さるようなことをしていくと、
長いこと愛されると思う。
たとえば、
大昔企画会議で、
「寿司のネタで毎回ドラマをつくる」
というのがあった。
今週はトロ、次回はエビ、みたいなことだ。
まあそれでつくることは出来るが、
「これ、映画になるんじゃないの?」
って言った馬鹿がいて、
なんでかというとドラマより映画のほうが予算があるから、
ということだ。
予算で見るのではなく、内容で見ていかなったんだねえ。
頭30分トロの話です、
次30分エビの話です、
次30分タイの話です、
ラスト30分ウニの話です、
という映画は面白いかな?
全然面白くないんだよね。
総集編ならわかるけど、
まっすぐつながった線がないから、
それは映画じゃないよね、ってなるよね。
シンウルトラマンもシン仮面ライダーも、
このことを理解せずに失敗している。
テレビシリーズの収集をただつなげただけで、
1本の話として弱い。
僕がドラマ風魔の小次郎の再編集版映画化
(新撮なしで小さな小屋でかけて、
イベント化しよう話もあった)を、
断ったのはそういう理由だ。
(今思えばやっときゃよかったwお祭りになったろうに)
収集癖は習慣的ドラマになるが、
映画にはならない。
このことを理解しておくだけで、
悲劇は十分避けられると思う。
2026年05月31日
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