2026年04月14日

【薙刀式】言葉と運指の単位をあわせること4

もし打鍵塊を、
「ロールオーバーで取る範囲」とすれば、
じゃあそれらを順番の必要な順次打鍵ではなく、
同時打鍵したほうがミスないやん、
と思ったらメジロ式があったわ。


ちょうどじーびすさんが打鍵例を出してくれてた。

きょう は あめ が ふっていた
KY- / -t / A-SKNIA / -k / TKUn-STt*

5塊。
/は打鍵塊の区切り、
-は「左手-右手」を指すのだと思われる。
(KYはKYIの誤記?)

単独で親指(小文字表記)を押した時は助詞が定義されていて、

に は の が で も と を へ

の単字、および左右同時でそれらを組み合わせられるみたい。
(「ので」「でも」「とは」「では」「にも」「のも」など)

万能ではなく代表的なものだけだね。
たとえば「から」「より」「よりも」「など」「にて」
「まで」「までも」などはないので、
別法が必要そうだ。
wikiを見ればわかるが助詞って70個くらいあるしなw

*の省略記法は全部把握してないんだけど、
左手「ふっ」右手「ていた」
ってことのようだ。


で、この5塊は、

名詞 助詞 名詞 助詞 動詞+助動詞

というふうに、
意味的な構造と、
打鍵的な構造が一致している。

qwertyローマ字みたいに、
ロールオーバー塊や運指のしやすさで、
意味と違うところで切れないのが、
優れた点だ。


もともとステノワードは英語で生まれたもので、
英語は空白で区切られた単語を次々に打っていく、
という構造になっているため、
日本語のようにごちゃごちゃくっつく言語ではない。
あったとしても接頭語接尾語ぐらい。
そして単語内の一音節をどうにかして同時押ししようとしたものなので、
「一音節同時押し配列」ともいえる。

(空白文字は入れられるんだっけ?
入れられるやつと入れられないやつがあるんだっけ?
このへんどこの資料を見ればいいんだろ?
英語資料に当たらないといけないのかしら)

それを二音節同時押しまで工夫したのがソクタイプ
(英語に比べて子音のバリエーション、
母音のバリエーションがすくないから、
一音節は片手でいけるやろ)、
さらに追加音で工夫したのがメジロ式とざっくりいえそう。
(ステノの文脈を知らないため、
どこがメジロ式のオリジナルの工夫部分なのか、
いまいちわかっていない)

メジロ式といえど、
長い単語は複数回打つしかないだろうから、
すべての同時押しが意味の一塊とは一致しない。
(「ひとかたまり」を1回の同時押しでは出せない)
あるいは熟語でも、漢語熟語の音読み-音読みはいけるが、
湯桶読みや重箱読みのような、
音訓の組み合わせでは無理なものもあるだろう。
(台所、番組、株券などなど)

とはいえ、
qwertyローマ字のような、
意味の切れ目でないところで打鍵の切れ目があったり、
意味の切れ目なのに打鍵が繋がる、
ということがないだろうから、
母語話者として使いやすいと思われる。



こうした、
「打鍵の切れ目と意味の切れ目が一致する」
「打鍵のつながりと意味のつながりが一致する」
配列を、
ラクダエンさんは意味論的配列とよんでいる。

これは、日本語が膠着語であるから難しいのだ。
一文節が単語ではなく、単語に何か貼りついたものだからだ。
メジロ式では、
単語と膠着パーツは別々に打つ扱いだね。
これはこれで潔い。

だけど速記的同時押しではない、
ふつうの配列だと、
だらだらと一文字ずつ打っていくため、
指の順次運動の軌跡を重視する。
その切れ目がどこか、
意味と一致してるかが、意味論的配列の必要条件だ。

薙刀式は繋ぎの語重視とブレーキ打鍵という特徴で、
飛鳥配列はよく使うフレーズを連続シフトによるつながりと、
語尾倍速打鍵(これも実はよくわかってないが)で、
意味の構造と打鍵の構造を合わせようとしたシステムだ。


ん?
実は意味論的配列って、
現状このみっつしかない?

できた順でならべると、
飛鳥配列、薙刀式、メジロ式。

日本語という世界的に特殊な言語を、
指の流れに合わせようとしたものは、
このみっつしかないのかな。


ざっくりと指と言葉の構造をたどってみるか。


アルファベット順

適宜打ちやすいように入れ替えてqwerty

英語の一音節同時押しをするステノワード
(省略打鍵で鬼のように異種がある)

英語を打つ為のものを無理矢理ローマ字に転用した、
qwertyローマ字

頻出音を中段に、マイナー音を裏に、
清濁同置で親指シフト

多くのカナ系新配列は、このパラダイム内で調整

統計的に繋がりやすい2音を左右にわけることで、
左右交互打鍵を実現した新JIS、月

母子左右分離することで左右交互打鍵を実現した、
行段系ローマ字

「意味的につながる音同士を指の繋がる動きにする」
をアルペジオや連続シフトなどで実現した飛鳥配列

統計頻出二連接を指のつながりに当てた新下駄、
1モーラ1アクションの達成

1モーラ1アクションを保ちつつ、
指のつながりを意味のつながりにした薙刀式
(繋ぎの語の発見)

漢字熟語を一度の同時押しで処理し、
多くのひらがな要素を同時押しで処理することで、
文節を構造化したメジロ式


ということになるか。


ステノ、新下駄、メジロ式は徹底的に音から入っている。
飛鳥、薙刀式は意味からアプローチしている。

多くの新配列は、
日本語は一音一音の音の連続である、
という風に考えてて、
その符号化を指の場所と動きに対応させようとした。
その根拠が統計的事実とした。

だが意味論的なアプローチで、
複雑な日本語の構造を、
指の構造にしようとしたのは、
飛鳥、薙刀式、メジロ式のみであったというわけか。
(派生版を除きます)


僕は薙刀式の作者なので、
なんでみんなそうしないの?
なんでこれまでほとんどそうしてこなかったの?
という感想なんだけど、
単に我々がコロンブスの卵だったのだろうかねえ。

世界に類を見ないほど複雑な日本語という奇妙な言語を、
高々30〜40キーと10本指のオンオフで打とうとするのは、
考えてみれば奇異な行為だ。

だけど誰もこれを達成しなかったから、
デジタル日本語はいつまでたっても生産性が低く、
質が悪いのではないか?


質の悪い道具を、
タイパーのように力でねじ伏せない限り、
日本語をスムーズに書くことはできない。

そうではない、構造のアプローチで、
我々は日本語を分解して、
指の動きをその通りに構造化して動かせばいいだけにしてゆく。

みんな、飛鳥か薙刀式かメジロ式やりなよ。
posted by おおおかとしひこ at 13:24| Comment(4) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
きょうは KYI-t がいけるので4チャンクのような気がします。

ふるという単語は登録されてないのですが、メジロ式の未登録語の*による動詞化機能が活用されています。

TKU(ふ)-ST(ら行)*。*をつけて動詞として動的に文字を作成しています。
小文字のntkがあると思いますが64種類の活用形にて"hu"+"ttetita"となるイメージです。

両手に小文字があるためntk-ntkと2^6通り表現ができ、"する"の場合は下記表現となります。

する、しない、した、します、しなかった、しません、しました、して

している、していない、していた、しています、していなかった、していません、していました、していて

させる、させない、させた、させます、させなかった、させません、させました、させて


される、されない、された、されます、されなかった、されません、されました、されて

してしまう、してしまわない、してしまった、してしまいます、してしまわなかった、してしまいません、してしまいました、してしまって

したい、したくない、したかった、したくなかった、してほしい、してほしくない、してほしかった、してほしくなかった

できる、できない、できた、できます、できなかった、できません、できました、できて

し、せず、すれば、しましょう、しなければ、しなく、してください、しよう

 あとはこれが"考える"とかに置換されたり、今回のふる同様に未登録でも造語で即席でたぴる(タピオカをきめること)とかにも対応されることになります。
Posted by @PTclown at 2026年04月14日 22:45
>@PTclownさん

>きょうは KYI-t がいけるので4チャンクのような気がします。

なるほど。
おそらくあとの「あめ が」と対応した方が気持ちいいので、
「きょう は」と揃えたんですかね。


>TKU(ふ)-ST(ら行)*。*をつけて動詞として
あー、右手部でラ行五段を指示して、
*と親指部で語尾変化をつける感じか。なるほど。

ということは上一段、カ変、サ変は無理なのかしら。
いや、カ変、サ変は限定的だから定義して、
上一段はIを入れれば行けるのかも。

>ntk-ntkと2^6通り表現ができ

実践的に対応可能なのか気になりますね。
だいぶ練度が必要そう……

あと語幹部が3以上は2ストロークになるんだなー。
咄嗟にこれ何文字か分からなそうなので、
慣れるまでは独特の道のりがありそうですね。
(わかんない場合は2文字ずつ打てばいいんだろうけど)
Posted by おおおかとしひこ at 2026年04月14日 23:10
カ変サ変はあらかじめ辞書による指定。
Iによる上一段指定、IAによる下一段指定、それ以外は五段活用というような形です。
 ただぱっと上一下一なんていちいち思って生活してないので五段でええやろっておもってしまいます()。

ntkは意味合いとしてある程度規則があるため、属性付与をしている形なのでトッピングとかキャラクリに近い形かなと。(過去+否定みたいな)

わかりにくいかもしれませんが、画像のリンク貼ります。
https://pbs.twimg.com/media/HF6MuMXbwAA6hw8?format=png&name=900x900

規則があるのはわかるけど、ちゃんと手が動くのかわからないというのを意図しているとは思いますが。。
 今、手がどうなってるんだっけという身体地図の整合がなれない間はずっとついて回るので物理配列とかキーキャップとかでアシストされるといいのかなと。
 それこそフレキ基盤でユーザー好みに押しやすいところになるようスイッチプレートで調整してねが理想ですが、メジロ式以外でもいえることですかね。。
 人差し指と親指も2Key範囲を同時押しをするというは珍しいのでどの位置に置くのが正解かわかってないです。
 無線分割カラムでやってますが、もっかいmejiro31をさわりたいなと。。
Posted by @PTclown at 2026年04月15日 10:38
>@PTclownさん

ありがとうございます。
マトリックスで整理されてるのは予想してたけど、
なぜその順なのかが直感的じゃなく恣意的なので、
これは漢直みたいに覚えるしかない世界に見えますね。
とっさに指が動くまで訓練する世界かなー。

> ただぱっと上一下一なんていちいち思って生活してないので

そこですよね。
カ変サ変もふつうは意識しないし。
文章を書くときはなおそうです。

> 今、手がどうなってるんだっけという身体地図の整合

それは距離感とかキーキャップの形でなんとなく把握するのでしょう。
ただ触ってみた感じ、
何本もの指を同時に把握出来なかったですね。
3本行けるか行けないかぐらいかなーと。

全く新しいこのシステムに、
慣れればいけるし慣れなければ無理みたいな、
だいぶオールオアナッシングなんじゃないかなー、
と触ってみて思いました。
まあ2時間くらい触れば慣れられるかも?
Posted by おおおかとしひこ at 2026年04月15日 11:28
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