先日までで、
タイパーの言う「打鍵塊」、
「ぐしゃっと潰す」「同時押し(のような)」「チャンク」
とは、
「一度にロールオーバー可能な打鍵列」という推定をした。
両親指を用いれば原理上最長10
(そんな打鍵列があるかは不明。
足の指がもし使えれば20)か。
日本語としては不自然な打鍵塊の謎は、
これで解ける。
で、これってタイパーだけのやり方過ぎて、
配列勢を含む一般人は誰もやっていないなと。
もちろん無意識に高速で打てるところは、
勝手にロールオーバーになってる部分もあろう。
qwertyローマ字のときのJIとか。
だけどすべてにおいてロールオーバー可能、
というほどには指は鍛えていない。
逆に言えばタイパー的な訓練とは、
単に指を素早く動かすことではなく、
どんな連接でもロールオーバーで取る訓練だと言える。
さらにいえば、
普通の人は、
ロールオーバー可能な塊単位で、
打鍵列を捉えていない。
打鍵列のうち悪運指が来たら減速するまでが、
ひとつの打鍵塊であり、
ロールオーバーの有無は関係がない。
ところがすぐれたタイパーは、
同指連続を最適化によって異指連続ロールオーバー可能にする技術や、
そもそもの悪運指でもなんとかする技術を有しており、
あらゆる?運指をロールオーバー可能にしているため、
ロールオーバー可能な限界までひとつの塊とできる。
そして、
「どこからどこまでがロールオーバー可能か」
「この打鍵列はいくつのロールオーバー可能な打鍵塊で、
区切れるか」
を見極める目が、タイパーの訓練である、
まで定義できると推定される。
つまり、
タイパーにとって打鍵の本質とは、
ロールオーバー可能範囲に切り分けること、
かつそれらをミスなくロールオーバー実行すること、
である、
といえる。
一方、その訓練を経ていない、
我々パンピーにとってはそうではない。
極論、来た文字を一文字ずつロールオーバーせずに打っていく。
ロールオーバーできるものが時々あるので加速する。
悪運指で一旦止まる。そこまでが打鍵塊で、以下繰り返し。
たのんさんのqwertyと、
僕のパンピーqwertyを比較しよう。
KYO UHA AMEG AHUT TEI TA(6塊)
きょ うは あめg あふっ てい た
KY OU HA AMEG A FUT TE IT A(9塊)
きy おう は あめg あ ふっ て いt あ
僕の打鍵は悪運指が来るごとに途切れる。
途切れたところで「よっこいしょ」と言っているかのようだ。
ロールオーバーしているかどうかは関係ない。
ただ頑張って繋げられればつなげるだけで、
KYはロールオーバーしてないし、
OUもできそうだがしてない。
ただ1個1個打つのみだ。
FUくらいかな、ロールオーバーしてるのは。
これを、
「ロールオーバーできるように鍛えなさい」
「ロールオーバーをできるだけ伸ばして、
最大範囲まで来て息継ぎで、次のロールオーバーへいくのです」
「ロールオーバーを先読みして、
息継ぎポイントを決めていくのです」
と訓練するのがタイパー的訓練であり、
そうではない方法で、
この指のまま打ちやすいように文字の配置を変えよう、
というのが新配列の考え方だ。
それにはいくつかの方法論がある。
・まずよく使うものを中段に集め、
あまり使わないものは端に、あるいはシフト面に逃がそう
(1gram的確率論)
・よく使う二連接を良運指に当てて(できれば)ロールオーバーして、
あまり使わない二連接を悪運指に当てよう
(2gram的確率論、同様にNgram的確率論があるが、
3以上は良運指パターンが少なく、
それに対して分母の組み合わせ爆発が大きいため、
急激に考察する意味が失せるので、大して研究されていない)
・確率統計ではなく、
日本語を構成する中核パーツを、
N連接良運指に置こう
(意味論的配列)
・同様にそれを中央指にわざと寄せよう、
シフト面に置き、文節の切れ目になりやすいものに限れば、
切れ目をコントロールしやすくなる
(薙刀式のブレーキ打鍵)
などが代表的だ。
このうち意味論的方法論を取っているものはかなり少なく、
飛鳥、メジロ式が部分的にやっていて、
薙刀式こそが「中核語とはなんぞや」を突き詰めた唯一の?配列と言える。
ついでに文節切れ目にきやすいものをブレーキ打鍵に定義していることで、
指の「つながりと切れ目」が、
脳内のそれと一致するようになっている、
というのが薙刀式の主張だ。
確率論的配列とは、
考え方=パラダイムが違うといえる。
もちろん薙刀式に確率論的部位がないわけではない。
頻出連接「ょう」「てい」「たい」などは、
ロールオーバー可能ポイントの高速打鍵が可能だ。
新配列は、
タイパー的訓練をいっさいせずに、
パンピーレベルの指に対して、
文字の方が迎えに来るように文字たちを配置し直したものだ。
次あなたが打ちたいのはこの指のこのへんでしょ、
ここに次来るやつを置いときましたよ、
ということである。
タイパーの指なら「次打てる場所はここ以外全部」なんだけど、
パンピーの指は半分くらいだろうね。
だから、のこりの半分悪運指が来てつながりが阻害されるポイントまでが、
新配列のチャンクだ。
この出現確率を5:5にせず、7:3とか6:4とか10:0にしたいわけだ。
このチャンクをできるだけ伸ばすこと、
チャンクの切れ目を意味の切れ目、
文節や文の切れ目に合わせる事が、
新配列のやろうとしていることだ。
まあ、qwertyローマ字に適応して自分を変えていこうとするタイパーと、
自分をなるべく変えずにキーボードを変えちまえという、
配列勢の基本スタンスの差であろう。
下駄配列、新下駄配列の名称の由来は、
配列の工夫によって「下駄を履く」だ。
背伸びできるということだ。
(ちなみに作者のkouyさんは初期の頃ロールオーバーが一切出来なかった。
なので下駄、新下駄はそれを前提とした設計である。
のちにできるようになって、
新下駄でもロールオーバーで取れる運指を調べている。
追記: 上の項不正確。
下駄配列の頃はロールオーバーをあまり意識しなかったが、
その後新下駄ではロールオーバーを意識した運指を仕込んでいる。
ご本人のコメント参照。
いずれにせよ、何個ものキーをロールオーバーしてひとつの打鍵塊とする、
ような考え方ではないと推定される。
ただ新下駄では単打率が高いため、
単打だけで何キーか行ける時は無意識にロールオーバーで取ってるかもしれない)
さて、
「ロールオーバー塊」前提から見ると、
月配列が親和性が高く、
同時打鍵系が親和性が低いことはあきらかだ。
以前から「同時打鍵が苦手な人がいる」
というのが不思議でしょうがなかったのだが、
これで謎が解けた。
ロールオーバーの塊で進む前提の中に、
同時打鍵が混ざると、
そこに切れ目が生じてしまい、
塊は分割されてしまい遅くなる。
逆に普通ロールオーバーしないで、
悪運指が来るまでゆるゆると進む前提では、
同時打鍵はそこに組み込めるばかりか、
それで大抵の手間が省けるので、
むしろ加速ポイントになるのだ。
ここから考えられる結論は以下だ。
タイパーのような訓練を経た人にとっては、
順次打鍵ロールオーバー配列が相性が良い。
すなわちJISカナ、月配列しかない。
そしてロールオーバーの始まりから終わりまで、
「離さない」ができるならメジロ式は相性が良い。
それができない人にとっては、
同時打鍵配列で手間を省き、結果的に加速するのが良い。
そして以下もある。
脳内に文章が完全に浮かび、
それをコピー打鍵していく方法論でものを書く人は、
タイパー的であろうがそうでなかろうが、
確率論的な配列がむいている。
脳内に文章ではなく意味的な何かが浮かび、
それを手で組み立てる人は、
意味論的な配列がむいている。
間の人は、どちらの極性が強いかできめればよい。
逆にここからわかる、
タイパー向きの新配列を予言しよう。
ローマ字の場合、
ロールオーバーできる打鍵列が確率的に最大なもの。
親指2本も使う前提で、
最大10ロールオーバーできるものがよい。
最大5.9カナ一気に進める計算だが、0.9はないので5カナか。
親指は母音が他と同居しやすいかな。
4段が打てるなら、4段+親指を使った配置がいいんじゃないか?
カナの場合、
4段が打てるなら、すべてロールオーバーできるのがよい。
同指連続を避けた、確率論的配置で設計するのがベストだろう。
もちろん親指を併用して、最大10カナロールオーバー打鍵塊をつくるとよい。
つまり10gram解析をして、
機械計算で求められると思う。
ここまで極端にはやってないが、
近づこうとしたのはいろは坂配列だ。
裏面を持つ配列の場合、
月配列のようなロールオーバーできるやり方がよい。
打鍵範囲を決めて、
シフト率を決めれば、
あとは10gram以下(シフト率に応じて下がる)の解析をして、
機械計算で求められるだろう。
部分的に4段目を使う、中指薬指のみ、
みたいな芸当も可能だろう。
大体これで、
タイパーたちの打鍵塊と、
僕ら普通の打鍵塊の違いと、
そこから来る前提の違いが描写できたかしら。
できてない部分もあるかもしれないので、ご指摘ください。
2026年04月15日
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というのはちょっと言い過ぎかと……。
下駄配列の頃はロールオーバーが重要だという認識がなかったのは確かです(“一切出来なかった”ということはないと思うけど)。だからシフトキーはいくら増やしてもよいという考えでした。新下駄ではロールオーバーできる組み合わせは多い方が良いと思っていたので、シフトキーは無闇に増やしませんでした。
また、新下駄配列では設計段階からロールオーバーはかなり意識しています。例えば、単打の[D][F]「かん」、[K][J]「いう」などは最頻出の2文字連なりだし、シフト[D]から[F]「ん」、シフト[K]から[J]「う」、シフト[L]から[K]「い」への運指は多くなるよう作りました。
一方、文字キー同時打鍵だと、左右の手を使うキー連接はロールオーバーできない箇所が多くなります、それは構わない(文字キー同時打鍵のメリットの方が大きい)と思っていました。ロールオーバーできないキー連接に頻出2文字連なりが当たっても気にしませんでした。だから[L][F]「しん」がロールオーバーできないなどの問題があるのですが、ロールオーバーしないようにゆっくり打てば良いと思っていました。なので、この点では新下駄配列はロールオーバーを重視していないとは言えます。
後で調べたのは、そうは言っても左右の手を使うキー連接でもロールオーバーできる箇所はあって、速く打つならロールオーバーできるならした方が良いので、できる所を調べたというところです。これはタイピングゲーム用です。日常文入力にはほぼ関係ないです。
あらためてブログを調べたら、
https://kouy.exblog.jp/3236093/
は下駄配列の頃でしたね。
その後調べて実際には自分の意識に反してロールオーバーしてた、
という以下は見逃してました。
https://kouy.exblog.jp/4276989/
これがあっての新下駄の設計だったのか、
と腹に落ちましたです。
(ブログって遡って読むから時系列を逆に記憶してる事が多いです。
すいません)
そうそう、まさに「しん」を打ったときに「?」となって、
新下駄はロールオーバーをしない前提なのかなー、
と勘違いしてました。
よく考えてみたらIJ系の運指など、片手アルペジオはロールオーバーできるし、
シフトキー絡みの左右交互がロールオーバーできない、
という感覚ですかね。
(重なりがあっても許容する系の同時判定なら、
単に速度を落とすだけでいいのかもだけど)
それもタイピングゲームでのシビアさと日常でのゆっくりでは、
感覚が変わってくるんでしょうね。
記事に訂正入れておきます。