昔勉強のために、
そういう分解をずっとしてたことがあるので、
その話をしてみる。
名作を見たとしよう。
良かった、だけで済ませずに、
分解して吸収しておこう。
色んなやり方があるが、
今回は「それを思いつくのをシミュレーションする」というやり方について。
自分がそれを書いたと仮定する。
どこから思いついただろう?
を想像するのだ。
どんなストーリーでも、
最初に思いつく核というものがある。
細胞の誕生のようなものだ。
その核がどんどん増殖して、
体の形になってゆき、
ある部分は死に、ある部分は伸びて、最終形になったはずである。
(そして誰かに蹂躙されて、また別の形として再生して……
を繰り返したものが最終形だろう)
その、最初の一細胞はなんだったろう?
を想像するわけだ。
ある日「ひらめいた!」と思ったのは、
どういう形だったろうか?
ここからすべてが始まった、
というのはどういう形だろう?
あれがああなってこれがこうなって……
と爆発的に発展した、最初の核はどうだったろう?
たとえば「FALL」はどこから思いついただろう?
「高いところに取り残されて、降りれなくなる」
というまでは「ひらめいた!」というほどではないと思う。
「YouTuberが高い所に上っている途中、
階段が壊れて降りれなくなるのを生中継したら面白いんじゃね?」
位だったかもしれない。
一人だと会話が難しいから二人にしよう、
男二人いたら解決できそうだから女にしよう、
しかし男女だったら女が足手まといになるから、
それを枷にするとフェミがうるさいから、
女二人にしよう、
まではすぐに発展しただろう。
だけど、どうやって降りる?
というのを一個ずつ考えていったはず。
あるいは、ハゲタカから思いついたかもしれない。
あるいは、○○にスマホをくるむ、から思いついたかもしれない。
あるいは、塔の近くに止まっていたキャンピングカーから、
思いついたかもしれない。
赤いランプから?ドローンから?
何を折り返し点にしただろう?
作者がどうやったかは作者しか分らないだろうが、
「俺がこの物語を書いたとしたら、
どこから思いつき、どうやって発展させて、
どこで新しいアイデアを接げれば、
最後まで書けただろう?」
を想像するわけだ。
ハゲタカは多分、あとで足したものだろう。
眠りそうになり、
怪我したところから血が出ていてれば、
ハゲタカに狙われる、
という障害はすぐに思いつくが、
それを○○しよう、それをテーマにつなげよう、
というのは後付けでも出来ることだと思う。
まさか「適者生存」から、
「塔を舞台にして降りれなくなった話をつくろう」とは思わない。
後付けでテーマは出来ることだと思う。
あることさえ思いつけば、
大体これらのディテールは思いつく。
それがクリエイターというものだ。
連想や、関係あるものの共通点を見つけたり、
相違点を見つけることは、
最初の核がなければ、
逆に出来ないことだ。
出来上がったものは、
テーマを中心にすべてビルドされているが、
そこから分析することではなくて、
もっと「思いついた核」「発達した順」を、
想像しようというエクササイズだ。
色んな作品でやってみると、
「俺なら○○を思いつけば、できる」
という風に考えられるようになる。
(それが勘違いであってもね)
そして、
ついでに○○を中心にして、
自分で発展させてみれば練習になる。
そして、別の○○に相当するものを思いついたとき、
自分でオリジナルを発展させられるようになってゆく。
そのやり方、思いつき方だけは教えられないが、
そういうものを練習すると、
出来るようになっていく。
「なに食ったらこんなの思いつくんだ」
なんてのは最近よくあるリアクションだが、
食ったら思いつくわけじゃなくて、
核を思いついて、
正しくその苗を育てられたら完成するわけ。
そこには、
いくつか越えなければならないアイデアのハードルがあり、
そのキモの部分をシミュレーションしよう、ということなのだ。
もちろん最終形を写経することは偉大なる作品の模写として重要だ。
そのもっと最初はどうだったのかを、
想像して、再現してみる訓練というわけだ。
2026年06月02日
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