2026年06月04日

色んなジャンルを書こう

もし一つのジャンルばかり書いている人がいるなら、
ショートでいいから、
まったく別のジャンルをやってみることをお勧めする。


若い時期でもいいし、
実は年を取ってからでもいい。

そういうものをまず書いてみることで、
「世の中には別のあり方があってよい」
と認識することができる。


シリアスなドラマしか書いたことのない人は、
コメディを書いてみるといい。

こんなふざけた、そしてのほほんとした、
「生きてていいんだ」と肯定してくれるジャンルはない。

逆にコメディしか書いたことのない人は、
救いのない話を書いてみるとよい。
「世の中を真面目に語るとは、
こういうことか」を知ることができる。

恋愛ものばかり書いている人は、
ミステリーを書いてみるのはよいことだ。
殺人事件のトリックや、陰謀がある世界は、
人間社会のあり方が異なるだろう。

男が主人公の話を書いている人は、
女が主人公の話を書いてみるとよい。
世界が異なるだろう。

人間に飽きたら、
ロボットや犬の話を書いてみるとよい。
見えている世界が変わって来るだろう。

フラットな世界しか書いた事がないなら、
人に上下のある世界を書いてみるといい。


フィクションでは、何にでもなれる。
それは、見ている人だけでなく、
作者自身もそうだということだ。

世の中にはいろんな人物になりきって、
いろんな世界になりきって、
フィクションが展開されている。

だから、いつものあなたのものであろうが、
やったことのないものであろうが、
どんなものでも受け入れられ、
そしてこれまでの作品と比較される。
その中で、出来がいいかどうかが判定されるだけだ。

あなたが得意なジャンルが、
他の人も得意で、
それらの位置づけとしてはあなたは下の方かもしれない。
他の人が苦労してなかなか書けないジャンルを、
あなたは3日で書いてしまうかもしれない。

得意なことと、
求められていることはちがうかもしれないし、
あなたしか出来ないことは一つじゃないかもしれない。

何か分らないから、
試すとよいのである。

それで失敗したら、隠しておけばいい。
たくさんたまったら、
失敗集としてまとめておくと良い。
自分は、こっちじゃないと分ることができる。


で、ようやく本題かな。

失敗したものは、
「別のジャンル」で生かすことができるんだよ。

ヒーローものを書いているときに、
まったく別のものを入れ込んでもいいわけ。
法廷ものや医療ものを入れてもいい。

家族ものなのに、恋愛ものを入れてもいいんだよ。
ジャンルは複層化していいのだ。
○○ジャンルという型にはまるものとは限らないのだ。

だから、
メインディッシュとしては○○ジャンルなのだが、
実は隠し味に○○と○○の要素が入っているんだよね、
という味変に使えるということだ。

そのときに、
一つのジャンルしか書いたことがない人は弱い。
たくさんのジャンルを書いてきた人が、
色々応用が出来る。

今度は探偵ものを書かなくてはいけなくなった、
としても、
恋愛ものとバディものの要素を入れて、
味付けを変えるといいのだ。
この味変はよくあるよね。
だから、なるべく今までミックスされていないものがいい。
新しいジャンルができたら、
似たような違うものがよくできるのは、
そうした理由でもある。


自分しか書けないものを書いてたら、
行き詰ってしまう。

書けないものを書こうとすることで、
「これは何がおもしろいのだろう?」と、
よくよく考えるくせがつく。

行き詰まりを突破するのは、
これまでにない発想で、
それは同じジャンルばかり見ていたら生まれない。

横を見て、観察したり、
ためしに書いてみるのが、
一番早い。

知的ミステリーばかり書いてた人が、
アホアホ仮面を書いたら急に化けることだってある。
人は一つではない。振れ幅がある。
書く側も、受け手側もだ。
posted by おおおかとしひこ at 08:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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