2026年05月09日

【薙刀式】そこにそのカナがある感覚

コンビニや百均の棚には色々なものが並べられてあり、
ある種の法則によってそこにある。
最初はその法則を一々確認しながら推測するが、
その店に行き慣れてくると、
「あれはあのへんにあったろ」という感覚になる。
そのうち、
「あれとあれとあれが欲しい」と思った時、
最短経路で歩いてカゴにいれていく。

qwertyローマ字はその店内動線が長くてめちゃくちゃ。

新配列は、それを最短かつ直感に沿うようにしていく。


直感というのは人によるかもしれないし、
日本語話者ならみんな持ってる感覚かもしれない。
そこは、配列作者のカンの鋭さみたいなことかしらね。


薙刀式の場合、他の配列と違うのは、

・第一の音はJ、BSはU位置にあるペアリング
・重要語(これも直感的だが)をアルペジオ
・つなぎは左、とどめは右。
 助詞はほぼ左、終止形は右。
 漢音の第一音は左、第二音は右。

・辺縁の単打より、中央部のシフト
・人差し指は器用で同期が一番取れるはずなので、
 シフトとして使う

・拗音同時押しの気持ちよさ
 (外来音はメジャー部は気持ちいいが、
 マイナー外来音はがんばって収録できた程度)
・1モーラ1アクションのリズム感と、アルペジオの融合
・逆に節目にシフトや同時押しを入れて、
 変換結果の確認のリズムをつくっている

・音象徴では、i、eは軽く、a、uは真ん中、oは重い。
 オ段は下段が多く、イエ段は上段が多い。

みたいなことになってるかな。


薙刀式を練習中の人のツイートより。

> かな配列を毛嫌いしてたけど、薙刀式を練習してると「ここにこのキーがあるはず」というように仮名を取り出す感覚で意外と早く覚えられそう


毛嫌いしてた理由を知りたいものだ。
覚えるのが大変そうだからかな。
パッと見子音母音みたいな法則性が見えないからかな。
(行段規則による整理は、日本語のことばとしての整理ではないよね)

で、触ってるうちに、
行き慣れたコンビニのように、
「あれはあのへんにあったろ」
という感覚ができてきて、
ある言葉を書く時に、
「あれとあれとあれだな」と、
わりと最短距離で歩けるようになってると思う。

全てにおいて、は無理で、
優先順位をつけなければならないから、
棚の並びとは、
優先順位をつけた並びということだ。

スーパーの棚にたとえると、
Aというスーパーではカレーと鍋をつくるための動線はいいから、
それを優先してると言えるが、
Bというスーパーはフレンチやスイーツのための動線が最短、
みたいなことかしらね。


それは、しばらく通わないとわからない感覚で、
最初に説明されてもたぶんわからない感覚
(そういうものの存在すらわからない)で、
あー、それねー、
と知ってる人しかわからない感覚だと思う。


薙刀式は物語を書くための配列として第一目的を設定されてるけど、
別にふつうの文体もこうして書けるので、
じゃあ何が共通なんやと考えると、
繋ぎの語理論なんじゃないかしらね。


もちろん、他のカナ配列はまた別のスーパーの形をしている。

新下駄は統計的二連接がアルペジオだし、
飛鳥は恣意的な言葉を連続シフト+アルペジオだし、
新JISや月は必ず左右交互にして、
打鍵速度を平均化しようとしている。

親指シフトはスタッカートな感じがする。
深く理解してるわけではないが。


こういうのを配列の「書き味」というのかもしれない。
でもこの感覚って言語化しにくいよね。

スーパーによって動線が異なるから、
得意料理が変わってくる、
というのは今回あたらしいたとえ話ができたな。


で、得意料理ほど明確にはわかれるわけではないので
(どの配列も日本語を書くためのものだし)、
僕は作者の文体を比較すると、
なんとなくイメージしやすいんじゃね?
と思っている。

自分がその作者の文章が、
好き、しっくりくる、スッと入る、なら、
その配列は自分に向いている。

なぜなら、その文章を書くのに最短の手間で書かれてるはずだから。
(しっくりこないなら配列を直してるはず)

逆に、いくら理論的に正しくても、
その作者やユーザーの文章が、
生理的に合わないなら、
そのスーパーは合わないかもしれない。

成城石井は高級品を集めたスーパーだけど、
全然肌に合わないよなwww
逆にあれが合う人もいるんだと思う。
東急とか商店街が僕は好きだなー。



ということで、
カナ配列にはカナ配列の理屈と感覚がある。
理屈は伝えられるのだが、
感覚はなかなか難しい。

だけどそれこそがその配列の効用なので、
うまく言語化していきたい。


一番簡単なのは、
ダメな配列を使う=qwertyローマ字を使うことで、
一度不便を体験してから文明に帰ってくることだ。
ものごとを相対化する方法だな。

薙刀式は欲しいものがちゃんと次にあると思う。
整然としてるいい棚だ。
棚職人がいて、整理されてる。

ドイツ人みたいなかっちりした職人
(新下駄、新JISはこっち系かな)じゃなくて、
舟を漕いでる人みたいな、
川下りの流れのような職人の書き味だと思う。
緩慢がしっかりあって心地よい。

qwertyはたらい回しにされるし、
足がもつれるし、小指薬指がいじめられるし、
全体にトゲトゲしてるし、
よく間違うし、文字以外は別のフロアにいくし、
10回に1回くらい変なポーズを強要される。
同じ面積なのにだだっ広く感じてしんどい。
ろくでもない店だ。
posted by おおおかとしひこ at 14:46| Comment(2) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
毛嫌いの理由ですが、かな配列=JISかな配列しか知らなかったためあまり覚える気にならなかったというのと、
かな配列はダサいみたいなうっすらとした雰囲気に流されていたからですね。

他にもゲームをするから配列を崩すと面倒であったり、
プログラミングをするというのも後で発生した要因ではありますが、
QWERTYのブラインドタッチができるようになった後なので主たる理由ではないと思います。

自作キーボードに入門して配列切り替えに対する障壁がなくなったので新配列を試すモチベーションが生まれました。

大西配列に惹かれたのは使用頻度による整地だけではなく、
ひらがなを音として巧みに整理しているからというものがありました。
そして薙刀式は日本語としての配置最適化と、
清濁同置・拗音合成が自分の感覚とあっていたため試したいと思いました。

自分の配置だと親指の仕事量が多すぎるので中指シフト化したりそれに伴ってかなを多少入れ替えたりしていることをご容赦ください。
Posted by 石 at 2026年05月11日 11:09
>石さん

なるほど理解しました。
JISカナなるほんとうにろくでもないものを、
なんで残しているんだとすら思いますね。

あとなぜかカナ印字がダサいのは、
どうすればいいんだろう?
外人はカタカナをクールと思うらしいけど、
ひらがなだとマジどうしようもなくて、
ひらがな印字キーキャップつくろうとしては、
萎えてますw

美しいひらがなフォントないしデザインを考えると、
小さく印字することになり、
プリンタの限界に来るので、
デカくてオシャレをつくりたいのです……
Posted by おおおかとしひこ at 2026年05月11日 11:44
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