30分に持ってくると、あとがつらくなるから、
と考えると戦略的に書けると思う。
第一ターニングポイントをどこに持ってくるかは、
脚本を書くうえでの最初の難所と言える。
日常の一幕が終わり、
非日常の二幕が始まる、
という考え方だと、
どうしても場所が大きく変わった部分、
ステージの変更を境目にして、
変わる前のシーンを第一ターニングポイントとしがちだ。
でもそうである必要はないと思う。
ステージが30分に変わったとしても、
25分に第一ターニングポイントが来てもいいのだ。
ステージが20分に変わっても、
25分に第一ターニングポイントが来てもいいのだ。
第一ターニングポイントを、
ポイントオブノーリターン、
もはや引き返せないポイントであり、
ストーリーのセンタークエスチョンが決るところであり、
逃げずに解決へと乗り出す宣言や行動であり、
自ら責任を引き受ける場面であれば、
それからいくつかのシーンがあってから大きくステージが変わってもいいし、
ステージが大きく変わってからそういうポイントがあってもいいのだ。
つまり、絵替わりとストーリー上のターニングポイントは一致しなくていい、
ということである。
ステージ、絵替わりを幕の切れ目に持ってくるほうが、
なんとなくわかりやすい。
東京から大阪に転校するとか、
地球から宇宙に上がるとか、
都会からジャングルへ行くとか、
そういう方が分りやすい。
次のステージはそのストーリーのお楽しみポイントになるはずで、
そのストーリーのイコンになる場面になる確率が高い。
だから、その境目をストーリーの境目と考えたくなるのも良く分る。
しかし、それは見た目の境目であって、
幕の意味の境目になっていないかもしれないよ、
ということだ。
第一ターニングポイントの一番のポイントは、
センタークエスチョンの提示かな。
つまり、
「○○は出来るのか?」
「○○がゴールである」
「○○から逃げられるのか?」
などの、これが出来たらストーリーはゴールである、
というポイントを設定する場面か、
ということがでかい。
そのあと、
それを解決するために、
次のステージへ移動する、
というのがあったら、大きく場面は変わり、
絵替わりをすることがあるが、
別にそのまま絵替わりをしなくても、
ストーリー上は区切れになっている、
ということを知っておくと、
絵の影響を受ける必要はないよ、
という事である。
さて。
さらに、第一ターニングポイントを、
30分ギリにせず、
25分くらいにしておくと良い、
という話をしておこう。
なぜなら、第一ターニングポイントを30分にすると、
「たいてい一幕をリライトすると伸びる」からだね。
一幕は設定部分であるから、
その世界の常識を設定する必要がある。
それって、セリフで説明するよりも、
絵で説明したほうが記憶に残り、
分りやすくなる。
(それがイコンになったりもする)
それをやろうとすると、
セリフを一行書くだけではなくて、
ト書きが数行にわたることになるわけ。
そういうことを綿密にやることになり、
結果的に一幕の文字的な分量は伸びるのだ。
30分ギリに第一ターニングポイントを設定しておくと、
32分とか34分にリライトで来ることになってしまい、
一幕全体がだらだらしたような印象になってしまうよ、
ということ。
これを縮めていくことは結構難しい。
だから、最初からキュッと縮めておけ、
ということを言っている。
25分あたりに第一ターニングポイントがあると、
多少一幕が伸びてもかなり余裕がある。
数行、数ページ伸びても、
全然30分より前に第一ターニングポイントがあるわけ。
だから、
まずセンタークエスチョンがどのようなものか、
明らかになり、
それを解決しようと主人公が宣言する、
ないし行動を示す、ような場面を、
とくに劇的な場面を、
25分あたりに用意したほうが、
一幕をうまくまとめられるよ、
という経験則を話している。
もし第一稿で、
第一ターニングポイントが30分あたりにあると危険だ。
25分あたりの場面で、
センタークエスチョンをうまく示せないか、
ということを考えるのだ。
そうしたら、前の30分にあったシーンは、
二幕の途中のシーンになり、
センタークエスチョンの提示場面を省略して、
スムーズにストーリーは進むことになる。
第一ターニングポイントは、
劇的なシーンであっても、
静的なシーンであってもよい。
その映画なりの、そのストーリーなりの、
シーンでよい。
長くても短くてもよい。
ドラマチックであることが重要だ。
ただ部屋にいて、
「よし、コンテストに応募しよう」
と独り言を言っても劇的にはならない。
コンテストの書類をまとめて、
側転しながら郵便ポストに入れればよい。
あるいはネット応募なら、
側転しながら「応募する」ボタンを押せばよい。
側転する必要はないが、
どうしてもドラマチックな表現、
オリジナルな表現が思いつかないときは、
そうしてみると分かりやすく目立つだろう。
(もちろん、側転する理由はいる。
主人公は必死になるときに側転する癖がある、
みたいに設定すればいいだけだ)
どんな第一ターニングポイントでもいい。
とても静かなものでもいい。
それまでヘッドホンでうるさく音楽をかけていた深夜の部屋で、
急にヘッドホンの音量を0にして、
しずかな部屋になり、
ヘッドホンを外して、
「応募する」というボタンを押したら、
案外大きな音で「ポン」と言ってもいいのだ。
記憶に残る印象的な場面にしよう。
あのときの決意はどうなったのか?
と、あとで思い出せるような場面だ。
それが25分くらいにあると、
あとあとリライトでいかようにもできるぞ、
ということだ。
逆に、そうなるように、
別の場面で、そういう場面をつくってもいいのだ。
あるストーリーラインを遅らせて、
先にそっちを済ませる、
という手だってある。
まずは25分に収めよう。
本格的なリライトはそれからだ。
2026年06月24日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック

