2026年06月24日

第一ターニングポイントは25分前後に持ってこい

30分に持ってくると、あとがつらくなるから、
と考えると戦略的に書けると思う。


第一ターニングポイントをどこに持ってくるかは、
脚本を書くうえでの最初の難所と言える。

日常の一幕が終わり、
非日常の二幕が始まる、
という考え方だと、
どうしても場所が大きく変わった部分、
ステージの変更を境目にして、
変わる前のシーンを第一ターニングポイントとしがちだ。
でもそうである必要はないと思う。

ステージが30分に変わったとしても、
25分に第一ターニングポイントが来てもいいのだ。
ステージが20分に変わっても、
25分に第一ターニングポイントが来てもいいのだ。
第一ターニングポイントを、
ポイントオブノーリターン、
もはや引き返せないポイントであり、
ストーリーのセンタークエスチョンが決るところであり、
逃げずに解決へと乗り出す宣言や行動であり、
自ら責任を引き受ける場面であれば、
それからいくつかのシーンがあってから大きくステージが変わってもいいし、
ステージが大きく変わってからそういうポイントがあってもいいのだ。

つまり、絵替わりとストーリー上のターニングポイントは一致しなくていい、
ということである。


ステージ、絵替わりを幕の切れ目に持ってくるほうが、
なんとなくわかりやすい。

東京から大阪に転校するとか、
地球から宇宙に上がるとか、
都会からジャングルへ行くとか、
そういう方が分りやすい。
次のステージはそのストーリーのお楽しみポイントになるはずで、
そのストーリーのイコンになる場面になる確率が高い。
だから、その境目をストーリーの境目と考えたくなるのも良く分る。

しかし、それは見た目の境目であって、
幕の意味の境目になっていないかもしれないよ、
ということだ。


第一ターニングポイントの一番のポイントは、
センタークエスチョンの提示かな。

つまり、
「○○は出来るのか?」
「○○がゴールである」
「○○から逃げられるのか?」
などの、これが出来たらストーリーはゴールである、
というポイントを設定する場面か、
ということがでかい。

そのあと、
それを解決するために、
次のステージへ移動する、
というのがあったら、大きく場面は変わり、
絵替わりをすることがあるが、
別にそのまま絵替わりをしなくても、
ストーリー上は区切れになっている、
ということを知っておくと、
絵の影響を受ける必要はないよ、
という事である。


さて。

さらに、第一ターニングポイントを、
30分ギリにせず、
25分くらいにしておくと良い、
という話をしておこう。

なぜなら、第一ターニングポイントを30分にすると、
「たいてい一幕をリライトすると伸びる」からだね。

一幕は設定部分であるから、
その世界の常識を設定する必要がある。
それって、セリフで説明するよりも、
絵で説明したほうが記憶に残り、
分りやすくなる。
(それがイコンになったりもする)
それをやろうとすると、
セリフを一行書くだけではなくて、
ト書きが数行にわたることになるわけ。

そういうことを綿密にやることになり、
結果的に一幕の文字的な分量は伸びるのだ。
30分ギリに第一ターニングポイントを設定しておくと、
32分とか34分にリライトで来ることになってしまい、
一幕全体がだらだらしたような印象になってしまうよ、
ということ。

これを縮めていくことは結構難しい。
だから、最初からキュッと縮めておけ、
ということを言っている。


25分あたりに第一ターニングポイントがあると、
多少一幕が伸びてもかなり余裕がある。
数行、数ページ伸びても、
全然30分より前に第一ターニングポイントがあるわけ。

だから、
まずセンタークエスチョンがどのようなものか、
明らかになり、
それを解決しようと主人公が宣言する、
ないし行動を示す、ような場面を、
とくに劇的な場面を、
25分あたりに用意したほうが、
一幕をうまくまとめられるよ、
という経験則を話している。


もし第一稿で、
第一ターニングポイントが30分あたりにあると危険だ。

25分あたりの場面で、
センタークエスチョンをうまく示せないか、
ということを考えるのだ。
そうしたら、前の30分にあったシーンは、
二幕の途中のシーンになり、
センタークエスチョンの提示場面を省略して、
スムーズにストーリーは進むことになる。


第一ターニングポイントは、
劇的なシーンであっても、
静的なシーンであってもよい。
その映画なりの、そのストーリーなりの、
シーンでよい。
長くても短くてもよい。
ドラマチックであることが重要だ。


ただ部屋にいて、
「よし、コンテストに応募しよう」
と独り言を言っても劇的にはならない。
コンテストの書類をまとめて、
側転しながら郵便ポストに入れればよい。

あるいはネット応募なら、
側転しながら「応募する」ボタンを押せばよい。
側転する必要はないが、
どうしてもドラマチックな表現、
オリジナルな表現が思いつかないときは、
そうしてみると分かりやすく目立つだろう。
(もちろん、側転する理由はいる。
主人公は必死になるときに側転する癖がある、
みたいに設定すればいいだけだ)


どんな第一ターニングポイントでもいい。
とても静かなものでもいい。
それまでヘッドホンでうるさく音楽をかけていた深夜の部屋で、
急にヘッドホンの音量を0にして、
しずかな部屋になり、
ヘッドホンを外して、
「応募する」というボタンを押したら、
案外大きな音で「ポン」と言ってもいいのだ。

記憶に残る印象的な場面にしよう。

あのときの決意はどうなったのか?
と、あとで思い出せるような場面だ。

それが25分くらいにあると、
あとあとリライトでいかようにもできるぞ、
ということだ。
逆に、そうなるように、
別の場面で、そういう場面をつくってもいいのだ。

あるストーリーラインを遅らせて、
先にそっちを済ませる、
という手だってある。

まずは25分に収めよう。
本格的なリライトはそれからだ。
posted by おおおかとしひこ at 11:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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