2026年05月31日

【薙刀式】タッチタイピングを習得するために知っておくべきことまとめ

新配列をやろう!
効率的で楽になって、思考と同期して書けるぜ!

しかしそのための基礎技能である、
「タッチタイピング」を学ぶ上で、
意外と知られてないことがあり、
それを知っておくだけで、
挫折せず、不安にならず、ゴールを見据えた行動ができるようになる。

新配列は教室があったり、
身近な経験者に聞く事ができるほどには流行ってないので、
「こういうことですよ」の、
全体像を得られにくいと思う。

なのでまとめておく。


1. タッチタイピングの習得は、無意識に身体が動くまでやることだ
2. 標準運指ができてない人が多い
3. よく知られる過渡期現象
4. 複数の配列の習得は可能か


1. タッチタイピングの習得は、無意識に身体が動くまでやることだ

新しい楽器を始めるとしよう。
仮にギターにしよう。
持ち方を覚えて、コードの指の形をつくって、
少しずつ弾き始めるだろう。
簡単な曲からはじめて、難しい曲にいくだろう。
新しいコードに出会ったら、
咄嗟にその指の形になるように、
何度も何度も反復するだろう。

野球にたとえよう。
あなたはショートである。
強い打球をダイビングキャッチする。
そしてランナーを刺すために、
○塁へ投げる。
この時に考えている暇はない。
反射で動く。
逆に、反射で動けるように練習する。

反射で動けるには?
無意識でコードを押さえられるようになるには?

反復練習するしかないことを、
我々は部活で習ってきた。

部活をやったことのない人は、
実はここを知らなかったりする。

音楽系、体育系、美術系の部活は、
必ずこの道を通るけれど、
文系部活や帰宅部では、
実はこの経験がない人もいたりする。

苦痛である。苦痛を習慣化する。
するとそのうち人間というのは慣れて、
苦痛でなくなり、
最短距離を体が無意識に動けるようになっている。

コツは少しずつ、と、睡眠だ。
人間は寝ている間に神経回路が書き変わり、
繰り返しあることに対して最短経路の神経をつくって、
無駄な神経回路を捨てているらしい。
だから一晩で書き変えられる程度の苦痛をうまく与えて、
そして幾晩も幾晩も繰り返しそれをやるのがコツだ。

2週間とか1ヶ月かかるよ、という我々の経験則は、
それくらい寝ろ、ということと、
それくらい継続して神経に刺激を与えて、
神経を改変せよ、ということが目的だ。

だから一度にぐわっと練習しても全然伸びない。
ギターを買った初日に伝説のギタリストにはなれない。
少しずつ練習して、何年もやった人だけが、
ギターを弾けるようになり、
その中でも才能があって磨き続けた人だけが伝説になれる。

初日に大谷にいきなりなれる野球部の方法はない。


新配列は、
伝説になるほどの技能を必要しないように、
合理的に組み立てられている。

むしろ、特殊な難しい運指を要求する、
qwertyローマ字やJISカナのほうが難易度が高い。
この2つの配列は、タッチタイピングを前提として設計されていない。
これらができたあとに標準運指ができたことは、
知られるべきことだ。
タッチタイピングは、
いびつな道具を使う為の、対症療法だったのだ。

だとしたら、最初からタッチタイピング用に設計された前提の、
新配列を使ったほうが、
楽で簡単になるようになっている。

実はqwertyローマ字をタッチタイピングできる人は、
どれくらいかけてそれをマスターしたか、
ほとんど記憶にない。
1か月やそこらで自在になった人はいないはずだ。
年単位かけて現在まで来た事を覚えてない事が多い。
なのに新配列は、
1か月もあればそこそこ打てるようになるよ。

1か月でギターはそこそこ弾けるのかな?
1か月でショートはダブルプレーを無意識にできるかな?
たぶんもうちょっとかかる。
でも新配列は、1か月やれば大体無意識に身体が動くようになるよ。
ただしい練習メニューが用意されてれば、だけど。

実は配列設計者が練習メニューまで設計してることは少ない。
薙刀式と大西配列はちゃんとある。
最近#新配列の日で、この2つの配列使用者がめだったけど、
実は練習メニューの充実してる配列だから、
という説もあるかもね。


2. 標準運指ができてない人が多い

ホームポジションに構えて、
ずれることなく、
決まったキーを決まった指で押し、
押したらホームポジションに戻る。
各指の担当は、ホーム、上段、下段の3キーであり、
人差し指のみ6キー担当。
そのキーはその担当だけが独占して、
他の指で押さないこと。

これを標準運指と呼ぶ。(30キーの場合)

実はこれができてない人が多い。

たとえばqwertyローマ字しかやったことない人は、
右小指中段;と下段/を使わないため、
ここを押す事が苦手だ。
数字段のーを押すため重心がかなり上になってて、
そもそも右小指のホームポジションが取れてないことが多いからだ。

まずこれを矯正して、
きちんと標準運指の漏れ欠けがないようにしたい。

増田式のような体育会的なやり方もあるので、
参考にされたい。

コツを一つだけ書いておくと、
手首の位置や親指の位置を固定して動かさないことだ。
FJのポッチはすぐに見失いがちなので、
そこを基準にするのではなく、
「私の手の位置から見てあのへんが○指○段」と、
自分基準に相対化していくこと。

今自分が立ってるとして、右に1歩、前に3歩あるくとする。
そして左に1歩、後ろに3歩あるくとする。
歩幅感覚にずれがなければ元に戻れる。

このため、僕は幾何学的な格子配列で、
標準運指をマスターした方がいいと思うよ。

なお、短い指の上段、
QTYPは、完全にマスターする必要はない。
合理的な新配列は、
そのキーは使わないか、
ごくマイナーな頻度の文字しか当ててないよ。


新配列は、標準運指ができてる人が、
楽にタッチタイピングをするための方法論だ。
走るのが下手な人は野球ができない。
まず走れないとね、みたいなこと。

qwertyローマ字やJISカナは、
いびつに走る機能しか要求しないため、
これができる人は長年やった末に、
変な癖がついてることすらある。
その解毒スタートになることを覚悟しよう。

そもそもタッチタイピングができてない人はラッキーだ。
変な癖がついてないから、
素直に練習すると良い。



3. よく知られる過渡期現象

身体を無意識に動かせるようになるまでは、
色々な苦痛があるが、
中でも神経が「前のものを維持しようとする機能」
(恒常性維持)が邪魔をしがちだ。

この機能は「世界が変わらなければ同じ事をすればよい」
というのに最適化した本能、恒常性維持なのだが、
今それをねじ伏せて新世界へ行こうとしているわけで、
この抵抗のパターンを知っておくと、
「ああこれか」と制御しやすくなると思う。


・前の動きが出る

前にやってた動きが咄嗟に出ることは、
想像できると思う。
新3:旧7くらいのバランスならば、
7の動きが出ちゃうことはよくある。
まあこれは新しい技能をマスターするに当たって、
理解できると思う。
反復練習が足りてねえな、と判断できるだろう。

・前の動きをやろうとして、新しい動きになってしまう

これも理解できるだろう。
5:5になってきたときによくあることだ。
どっちがどっちやねん、って自分でツッコミたくなる。
このどっちつかずの状態にきたときは、
「5号目に来た」と自覚しよう。
あと一山越えれば、新が旧を上書きするぞ。

・ミラー現象

右手の動きをやろうとして、
なぜか対称の左手の動きをしたり、その逆になること。
右手と左手を間違えることある???
って最初はびっくりするんだけど、
これも配列習得初期にはよくあることとして知られている。

おそらく我々の脳の中には信号が行き来していて、
これは右、これは左、と分別する機構があるのだと思う。
そこすら今書き換えようとしてるので、
混線が起きるのだろうと想像する。

3〜7合目くらいでよくあると思う。
まだ完全に空間感覚ができてない時とか、
大体できるようになってスピードアップしたいときに、
よく起こる。
我々の脳内の処理が、まだ無意識的に分別できてない証拠だ。

これも根気よく繰り返して、
寝て、使う神経を太くして、
使わない神経を細くしていけば、
次第に消えてゆく。

新しい街に引っ越した時、
「あれ?ここを右に曲がるんだっけ、左に曲がるんだっけ」
となることはよくあること、
と想像すれば、
「そのうち慣れてくる」の感覚はつかみやすいのでは。


・今どっちの配列かとっさにわからなくなる

新旧を往復してるとよくあるやつです。
大阪と東京を頻繁に仕事で往復してた時は、
今自分がどっちにいるか、朝起きた時に混乱したなー。

まあこれも未分化の状態だと考えれば、
そのうち慣れますよ。

引っ越した時に、
新しい部屋で起きた時の違和感ってあるじゃない。
1か月くらいはあるよね。


・配列によってキーボードを変えるとマスターしやすい

キーボードだけでなく場所なども関係するっぽい。
我々は触覚や自分の姿勢や周りの光からも、
多くの情報を得ているので、
それを変えるだけでその感触に紐づきやすい、
という経験則が知られている。
服やメイクを変えると人格が変わる、
みたいなことに近いかもしれない。

職場と家で、パンタグラフと自作キーボードで、
ノートPCとデスクトップで、
窓際と机で、座ってと寝っ転がって、
明るいところと薄暗いところで、
静かなところとうるさいところで、
などのように五感に紐付いて使い分けていると、
それぞれに紐付きやすいだろう。


・似たものは混同しやすい

1個だけqwertyと違う配列とか、
微妙に似てる配列は、
混同してしまい分離しづらいことがわかっている。
脳は似たものを同じものに分類して、
全く違うものは全く違うと分離しやすいのではないかと思う。

なので、qwertyと一つもかぶってない配列のほうが、
混同しにくいと予想できる。

全く新しいものに手を出すと制御不能で怖いから、
少しは似てるものを触ろう、
そこは前の運動を活かせるだろう、
などとつい初心者は腰が引けてしまいがちだが、
結果的に自分の首を絞めることになる。

いつまでたっても新配列とqwertyが混同する、
という人は、実は一番臆病な人という可能性が高い。



4. 複数の配列の習得は可能か

地方出身者が東京で住み始めたとき、
最初は言葉の切り替えに戸惑うが、
1〜2年もすれば相手によって使い分けられるようになるものだ。
東京で地元の友人に会った瞬間言葉が戻るとか、
そこに東京の人がいたら標準語に戻るとか、
意外と切り替えられるようになる。

長年東京で暮らしている人は、
同じ地方出身者と会っても、
地元言葉を出さず標準語のまま会話することもできるよね。

そんな風に脳のモードを切り替えることは、
配列でもできるようになる。
バイリンガル、トリリンガルがいるように、
身体の無意識の操作や脳のモードは切り替えられるようになる。

経験的に分かっているのは、
qwertyローマ字とカナ配列、
qwertyローマ字と行段系ローマ字(母子分離型)、
は比較的混ざりにくいことだ。
カナ同士、日英共用配列同士など、
似たものは混ざりやすく分離しづらいことが知られている。

なので、
qwertyローマ字と○○配列、
などの両立は余裕。

ただ、qwertyローマ字、ローマ字系、カナ配列、
みたいに3つの配列を平行でマスターしている例はあまりない。
あまり例はないが人類には確実に可能で、
kouyさんは、新下駄配列、大西配列(日のみ)、
qwerty(日英)の都合3配列を使いこなしている。

類例が少ないのは、
三箇所で三配列を使う積極的な理由がないからだろう。
kouyさんも好奇心で実験的にやってみた、
ということだと思う。


また、すぐに切り替えられるようになるわけではなく、
ゆっくり分離していく事が知られている。

新しい配列を学んだら、
初期の頃はqwertyを忘れがちになり、
咄嗟に指が出なくなるため、
「忘れてしまった」とパニックになるかもしれないが、
マッスルメモリーのようなものがあるので、
新しい配列が定着し、
学習が落ち着けば、
次第に自分の中で分離が進んでゆく。

これも同じく、使い分ける事を繰り返して、
何晩か寝ると安定してくる。

今度は「使い分ける神経」を発達させればよいのだ。

仮に新配列を習得するのにN日かかったとして、
使い分けるのにもうN日必要かというとそうでもない。
おそらくN/2程度のオーダーで可能だ。


運動神経は比較的長いこと体内に残り、
暗記と違って忘れにくいことが知られている。
無意識に咄嗟に動ける能力のせいで、
人類は絶滅せず生き残ってきたのだろう。

それゆえに恒常性があり、
簡単には書き換えにくいので、
一度身につけた能力をアンラーンすることは、
経験がない限り何が起こるか予測する事が難しい。

なので、
大体どういう事が起こるかまとめておいた。


あと何か書き忘れてないかな。
経験談をおよせください。


(追記)

・配列移行を一度経験すると、別の配列に移行するのが楽になる

標準運指がしっかり身につくからだろうか。
標準運指と配列を分離できるようになるからだろうか。
ものごとを相対的に見れるようになるからだろうか。
単に慣れたのだろうか。

理由は分からないが、
「最初の配列移行」が一番つらく、
「配列に移行するスキル」が身につく事がわかっている。
人間の神経すごい。
posted by おおおかとしひこ at 13:19| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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