2026年06月07日

【薙刀式】小松さんと話したIMEの話

僕はどうしてもIMEが信用できない。
だからそのくびきから逃れるように、
漢直の城を部分的に建てた。

とはいえ100%ではないから、
IMEにできそうなところはあずけて、
共闘することを選んでいるといえる。
お前が消えて喜ぶ者にお前のオールを任せるなみたいな気持ちだ。
IMEが喜ぶかどうかは知らないが。

などと考えていた所で、
IMEの中の人である小松さんとIMEの話をするなどした。


IMEには色々なバリエーションやスペックがありえるが、
それは国語辞書がことばをどう扱うかと同じで、
IMEによるだろう、というのが中の人らしい答えだった。
まあ、そりゃそうですよね。


でも国語辞書は、
本屋で読み込んで比べる事ができる。
私はこの本を信用する、
あの本は信用できない、とすることができる。

また、辞書は複数買って、引き比べることもできる。

IMEはそうではない。
ある変換を比べることはかなり難しそうだ。
まったく同じ文章をあたえるテストを、
きちんとやる必要がある。

2000字程度の文章をあたえて、
第一候補だけで確定するような実験を、
誰かやってほしい。

もちろん、各IMEの特徴が出やすい文章がいいな。
それは特徴とはなんぞやがわかってる人が用意するべきだろうなあ。


当てずっぽうでよいならば、
先日あまりにも腹が立って笑ってしまった、
転校生が空手をやる子で、空手家の主人公の道場に習いに来る事になり、
一通り組手をやり、防具付き組手もやったあとに、
師匠に「お前にはブドウ科の心が足りない」
と言われる変換例の文章を与えたい。

一度もフルーツも葡萄も出てきてない。
武道も武道家も出てきていない。

だけど前段に空手道場や防具付き組手の話や、
道着や黒帯や、形や乱取りがあって、
初めて出てきた「ぶどうかのこころ」を、
どっちに変換するかは実験したいね。
ちなみに僕はMS-IMEだった。


たとえばATOKには1か月無料トライアル期間があるから、
Google日本語入力もDLして、
三者を比べることはできそう。

やるやらフリーランスになってひまな1か月間とか、
徹底的にやりたいな。
それで納得するなら、高額に値上がりしたというATOK税を払ってもいいよ。


今、普通に使えるIMEには何があるのだろう?

Windows: MS-IME、Google日本語入力、ATOK
iPhone: デフォルト、azooKey
あたり?

小松さんに個人開発のIMEが山ほどある事を教えてもらってびっくりしたが、
それを知らなければ上の5つを知ってるだけでも詳しいほうだろう。
本屋で辞書を比較するように比べるには、
どうしたらいいかなあ?



で、その時思いつきで話したんだけど、
「IMEがなぜその変換結果にしたのかの理由がわかるボタン」が、
欲しいと思った。

○○パラメータがいま90、45、15だからこうした、とか、
このように構文解析したのは、
辞書のこの数値がこうだったから、
などのログみたいなデータ。

つまり、車を運転するときにエンジンがどうなってるか、
車体や路面がどうなってるか挙動予測ができれば、
我々の運転もうまくいくはずだ、
ということ。


今IMEはブラックボックスだ。
だから我々がブドウ科事故に遭うのは、
運転の予測を外れたときだけだ。

つまり我々は常に暗闇から突然IMEに槍に刺される。
刺されないかもしれない。刺されるかもしれない。

それが不信感を増幅している。

車は少なくともスピードメーター、回転計や温度計があろう。
飛行機ならもっと計器類がある。
同様に、IMEにも計器類が欲しいということだろう。

もちろんメーカーとして隠したい部分はあるかもだが、
ユーザーに公開できる部分はして欲しいね。


これはつまり、
事故調査委員会が入りたいということでもある。

なぜその事故が起こったのか、
我々は知り得ず、したがって反省もできず、
次の事故が起こらないような改善ができない。

だから常にブラックボックスに対して、
パチンコをし続ける必要がある。
暗闇からいきなり予測できない槍が飛び出ることを恐れながら、
目をつぶって運転するしかない。

パチンコの方がまだ予告演出があるよな。

もし計器類があれば、
次の「ぶどうかのこころ」はどちらに変換するのか、
ここがIMEにとって急カーブであることを予測できるかもしれない。


被害を受けるのは、一方的に僕なんよな。
そこがゆるせん。
ここから考えていた物語の展開や、
彼女たちの気持ちがいったん吹っ飛んで、
自分が何をしようとしてたかもわからなくなるこの被害が、
一番大きい。
そしてその回復には、1日単位かかる。

また、全治1日の怪我は、肉体ならば1日かもしれないが、
そこで作品の質が下がったかどうかについては、
比べられないのが残念だ。


我々はこうした、
思いつきというふわふわした状態のものをおいかけるのが仕事なので、
「じゃあそんなものにブラックボックスIMEを使うべきではないのでは?」
という安全策すらありえるよね。

まあ僕はタイピングそのものを信用してないので、
本気の作品の時は手書きで書くのだが。

(なんといってもフル漢直なのがよい。
そしてずっとタイピングの研究をしてるのは、
手書きに近づけたい、手書きを超えたいというのがモチベだ。
物理キーボード、論理配列は、
極限まで個人のレベルでは詰めた。では次は?かもしれない)


ということでオープン公開に積極的なGoogleなら、
何かおもしろいことをやってくれたりして。
向こうも商売だが、
なぜその変換結果になったか透明化されたIMEを、
つくってくれたらおもしろいと思う。

今ふとGoogleって何で儲けてるんだろ?
って不思議に思った。
エンドユーザーにはすべて無料提供してて、
へんな企業だな。
株?
ってgoogle AIに聞いてみたら広告収入ですってよ。

検索結果の上位に来る企業は金を払ってるという話は、
広告の世界では常識なのだが、
へえそこ結構なお金なんだなあと興味深い。
ちゃんと「スポンサー」って表示するのは透明化がしっかりできててよいので、
ぜひIMEも透明化を。



そうそう、
学習をオフにしたIMEというのは、
現実的にひとつの手段だと思う。
確率的挙動をせず、予測100%になるのは信頼できる。

で、やってみて不満だったのは、
「お前のその並べ方の基準が気に食わない」だった。

僕にとって重要な順に並び替えられるならば、
たぶん僕はそれを選ぶと思う。
その変換が出た時に、なんらかのショートカットでできるとか、
辞書ファイルを直接さわるとか、
やり方はなんでもいい。



結局IMEはブラックボックスだ。

そんなんいうたらパソコンの挙動もブラックボックスだ。
だけどこうやればこう動くというのは、
そのアプリやOSを触ってればなんとなくわかることで、
その挙動予測が事前に可能だ。
(あれ?おっかしいなーこう動くはず、はよくあるがw)

その、挙動予測可能性がIMEは極端に低く、
それをして僕にパチンコと呼ばせるのだろう。

一度完全ランダムIMEを使ってみたい。
どれくらい挙動に差があるか知りたいな。
音で言えばホワイトノイズを体験したい。


OSやアプリの挙動と違って、
IMEはやることが毎回違って豊かだ、
という違いがあるかもしれない。
とはいえ、たぶん僕が一番1日触れてるアプリなので、
もうちょっとなんとかしたい。

(じゃあ自作IMEなのか?自作エディタなのか?
その前に作品作らせてくれよ……)
posted by おおおかとしひこ at 13:22| Comment(8) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>>ぜひIMEも透明化を

Mozc(Google日本語入力)が既にossとしてGithubに公開されているので、十分透明化に貢献しているような気がします。変換ロジックもコードを読めばわかりますし。その意味では完全ブラックボックスではないかと。
Posted by サスペンス春風 at 2026年06月07日 14:44
>サスペンス春風さん

僕はgithubの使い方を知らないし、
ソースコードも読めないので、
「しらんがな」という状態です。

そのレベルの人だがヘビーユーザーの方が99%だろうから、
その人にも透明化を、という話ですね。

そのハードルを越えればどこまでわかるのかわかれば、
頑張ってソースコードを読めるようにしますが、
何年かかりますか?
Posted by おおおかとしひこ at 2026年06月07日 15:43
AIにソースコードを解読させてみればよいのではないでしょうか?

そもそも変換結果のログを表示したいなんていう人は少ないので(開発者でない限り..複雑ですし辞書のコスト定義ファイルも膨大ですし)、そのようなニッチな機能を搭載していないからと言ってブラックボックスと仰るのは、小松さん方にも気の毒かと。

中身自体は公開されていますし、あとは気になる人はソースコードを追えばいい話だと思います。しかも、昨今はAI使えば誰でもプログラムの解読くらいはできる時代ですし。
Posted by サスペンス春風 at 2026年06月07日 17:11
>サスペンス春風さん

>AIにソースコードを解読させてみればよいのではないでしょうか?

やったことがないのですが、
素人が分かるレベルですか?

開発者目線ではなく、
ユーザー目線で変換の具合を事前に予測できるかを知りたいです。
そのための今内部状態がどうなってるかを知る為の、
何かの情報を取りたいです。

ソースコードの言語は知らないし、
変換の基本的なアルゴリズムを知らないし、
最長一致法の原理を知ってる程度で、
人のソースコードは読んだことがありません。
AIでソースを読む事がどういうことかわからないまま、
初めてやる事になりますが、
エンジニアしてない脚本家に可能なことでしょうか?
可能ならやってみます。
技術的には可能だが現実的ではないなら、
他の方法を探ります。

また、課金してないAIで可能でしょうか?
課金して解読するべきAIはなんでもいいでしょうか?

車を普段利用していて、
免許を持ってないですが、
知らないガレージに行ってエンジンをAIに分解させたい、
という人に、
それが可能かどうかを知りたいです。

車の場合は無理そうと思えますが、
プログラミングは素人なのでたぶん無理そうという予測が成り立ちます。


この会話はおそらく何も知らない素人vsよく知ってる人のすれ違いが起こってると予想しているので、ていねいに文脈を書いています。
Posted by おおおかとしひこ at 2026年06月07日 18:03
横から失礼します。

ウェブの無料版のchatGPTなどでもMozcについて質問すればGitHubを探してソースを解析して質問に答えてくれるというのは私も試してみました。
分からないことを言語化することが応答の精度を高めるということはご存知だと思います。
そこで少しでも感触を掴めたら次のステップに進まれるのが良いと思います。

もし実際にコードの解読や可視化に挑戦されるのであれば、まずはプログラミングに特化したツールであるCodex(ChatGPTをプログラミングに特化させたようなツールです)をパソコンに導入して試してみるのが一番現実的かと思います。

GitHubの使い方やツール群も知りたければ質問すれば答えてくれますし、それをしなくても作業フォルダを与えて権限を渡せば勝手にソースコードを複製して作業してくれるところまでAIは進歩してきています。ブラックボックスを嫌われるのであれば許容できないかもしれないですが...

Codex自体は無料で使い始められるので、まずは無料の範囲内で試してみて、AIがご自身の疑問にしっかりついてきてくれるか、難しい仕組みを噛み砕いて説明してくれるかを試されるのも良いかと思います。

そこで「これなら自分でも理解できそう」と思えたら、より多くのコードを読み込ませたり質問を続けたりできる有料プランを検討すればいいですし、「やっぱり素人には無理そうだ」と感じたら、その時点で引き返せばいいと思います。

ご多忙だとは存じますが、一つのアプローチとしてご参考になればと思います。
Posted by 石 at 2026年06月08日 15:17
>石さん

詳しいロードマップをありがとうございます。
自分でIMEをつくるつもりになったら、
こういうルートが今風だろうなとは思います。

当然、すべてがブラックボックスになってることに耐えられるか、
という問題はあります。
(たぶん気質的に無理だとは予感してますが)

それと漢直つくるのどっちが楽?って考えると、
今のところ1:10000くらい(予想)なので、
しばらくは漢直やると思いますが。

僕は言葉の専門家ですが、PCの専門家ではないので、
楽なほうから潰していくと思います。
Posted by おおおかとしひこ at 2026年06月08日 15:33
スゴイ議論、 文脈によって変換語を変える 話、 人々がデフォルトを安易に受け入れて いる中で。
今は 学習 頼み。 何回やっても ダメなら 困るが。

変換に使える 「文脈」 のアイデア は? Aiでも 語の共起性 頼み。
文脈の範囲、 人の日常シーンだけ でいいのか、 頭で想像の世界もか、2001年宇宙の旅。

Posted by MMX at 2026年06月11日 00:34
>MMXさん

>スゴイ議論

実際IMEを一番使ってるヘビーユーザーは、
間違いなく一日一万字以上書いてる文筆家であり、
IMEの中の人と議論する機会なんてほとんどないのが、
変とすらいえますね。
ヘビーユーザーはそんな風に使いたいのか、と市場調査ができてないように、
こちらからは見えるときがあります。

それと一般ユースのバランスも見てるとは思いますが。
Posted by おおおかとしひこ at 2026年06月11日 09:18
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