言う、書くの違いについてまとめてきた。
これは薙刀式が、
結局qwertyローマ字の不満を、
どう質的に転換したのか、
ということを言語化したことのような気がする。
先日挙げた「欠点」を、
どう具体的に解消したのか、
対照的に確認してみる。
そもそも薙刀式の活動?は、
「qwertyローマ字じゃ俺の文章書けねえよ!
俺が書く文章についてこいよ!」
という、マグネットコーティング前のアムロの叫びであったように思う。
モスク・ハン博士がいなかった、
ないし先行研究で満足いかなかったので、
そもそも考えてる事がちがうのでは?
ということに薄々気づき、
自分がモスク・ハン博士になり、
自分を実験台にしてきたのがこの10年。
その総まとめ?になるかもしれない。
以下、qwertyローマ字の批判点は「・」で、
薙刀式の解答を「→」以下に示す。
・一番納得いかないところ:
日本語の言葉の難易度と運指の難易度があってないところ。
思考と手の濃淡がバラバラ。
→高速アルペジオや左右交互によって、
「日本語の中核語」を打ちやすくした。
ある、ない、する、して、こと、てき、って、とき、ところ、ひと、
なる、いく、くる、たい、なら、たら、られ、られる、
もの、まで、にも、のも、とは、いる、ょう、ゅう、ょく、ゅく、
ひと、けど、ろう、ほう、などなど……
日本語を繋ぎの語(おもに助詞、助動詞、活用語尾)と、
話題の語(おもに名詞、動詞語幹)にわけたこと。
繋ぎの語が中央指に集中している。
日本語は、話題の語を繋ぎの語がつなぐ構造である、
と考え、話題の語は話題によっていくらでも変わるから、
これは統計的確率分布に従うので、
統計的に打ちやすいような配置とするが、
とくに繋ぎの語が打ちやすいため、
ことばを高速で繋ぎ、論旨を展開させやすい構造とした。
助詞は左手に多いので、左手で繋ぐ感覚が多い。
(象徴的なのはE位置の「て」)
動詞終止形は右手終わり。
(「ぬ」以外のウ段は右手。象徴的なのはI位置の「る」)
このことで、左手でつなぎ、右手でとどめをさす、
みたいな左から右への大河的な流れを感じる。
しん、かん、かい、せん、せい、
など漢語熟語に多い読みはたいてい左→右。
拗音第一音(イ段)は左、
やゆよは右で、これを同時押しして拗音を出す。
このあとに続きやすい、う、くなどは右なので、
これも左→右の意識。
なお、左→右の方が、右→左よりも有意に速い事が、
自分の統計から出ているし、
経験知としてもなんとなくあると思う。
左右交互というのは言葉のあやで、
本当は左右のみが速い。
(おそらく右利きだから。僕は左利きではないので未検証。
よろしければ左利きの人、
以下のような900連接を測定してみて!
もし左右逆の傾向が出たら、薙刀式を左右反転するといいかも)
https://oookaworks.seesaa.net/article/490739021.html#gsc.tab=0
つまり、大きくは左→右の流れで、
助詞や語尾などの繋ぎが打ちやすく、
中核となる言葉が高速アルペジオで処理できる流れだ。
また、
実は助詞の多くや句読点確定が、シフト面や同時押しに当てられていて、
高速ではなく半拍遅いようになっている。
これは、文節の終わりにこれらが来やすいことから、
変換をここでかけるかどうかとか、
変換したものをここで確認するかなどの、
「判断」の間に使えるようになっている。
結節点にしやすいのだ。
すなわち、
これらの工夫で、
日本語の意味の濃淡と、指の運動の濃淡(変換含む)とが、
かなり一致した感覚を得られる。
・基本的には、自分の動きの美しさと、
書く意味の美しさは一致したい。
→上のようなリズム、動きがあり、
ガチャガチャした意味と一致しないqwertyにくらべ、
日本語の構造にあった指の動き、リズムになる。
かつ中央指(人差し指、中指)が8割の頻度なので、
強く動かしやすい指で、
「日本語の構造を制御している」という感覚になる。
美しいかどうかは主観だが、
機能美的な動きであることはいえる。
・一番使うAが左小指。これで5000字も書けない。痛い。
→一番使うのはJ。次がF。
1日15000字は大丈夫。2万字以上は調子やキーボードにもよる。
・子音で一番使うTが左人差し指伸ばし。打ちにくい。
・拗音に使うYも打ちにくい。
→遠くて使いにくいTYはカナには不使用。
カーソルの左右(縦書きで候補選択)があり、
文字を書くモードと、制御モードの意識わけに使う。
(スペース連打で候補選択できない時くらいしか使わないため、
ほとんど使わないのがよい)
・Nを何回打てばいいのか咄嗟にわからない。
「はんのう」とか一発で打てたことがない。
・促音が必ず子音2回になって打ちにくい。
一番あるのは「って」「った」だが、ttもteもtaも打ちにくい。
→その問題はなくなった。カナなので。
「って」はGEのアルペジオ、「った」はGNの左右でとても打ちやすい。
・長音「ー」を一発でブラインドタッチできる気がしない。
(4段目が僕は無理)
→長音「ー」は;になりました。
スーパーマーケット、キーボード、コーヒーメーカーとか、
バンバン打てるよ。
・DE、KIなどの同指縦連は問題だが、
他の欠点が目立ちすぎてどうでもいいレベル。
→縦連は原理上残る。
ローマ字は子音のあとは必ず母音、という構造をもつが、
カナはどのカナともつながるため。
ただ900連接測定から、人差し指と中指の縦連は、
そこまで遅くならない事がわかっていて、
「いる」「とは」「には」「では」などは、
すべて中指縦連。そんなに嫌ではない。
ローマ字の縦連は基本パーツの1文字だが、
この縦連は2文字だから、進んだ感覚になるからではないか。
・最も使う格助詞「が」が指広げるので打ちづらい。
次に使う助詞「で」も縦連でつらい。
→「が」はFJ同時という一番打ちやすい同時押し(こだわり)。
「で」はEJ同時。とても打ちやすい。
・FJ使わないのにホームってなんだよ。
・ホームポジションを一番使わないのはなんでだ。
(Aはのぞく)
→FJを一番使うし、段でいえば中段を一番使う。
(これは新配列はたいていそう)
・なんだよ;って。ここにエンター持ってこいよ。
→;位置には「ー」。
なおエンターはMV同時。
ただし「、エンター」「。エンター」があるため、
何かを変換してよければ次を書くことで確定する(自動確定)か、
結節点まできて変換して、
よければ句読点確定する、というスタイルなので、
エンター自体はあまり使わない。
薙刀式動画でエンターをどう打ってるか見てください。
一番使うのは空行をつくるときだろうなあ。
あと「ドヤ」エンターはMV同時が多いかなw
・?と!がペアになってない気持ち悪さ。シフトキー遠い。
→記号類は編集モードの左手に集約。
?はJK+D、!はJK+Cと、縦に整理。
また、「?」は、「か?」「は?」「で?」
などの、助詞から隣位置になるような位置になっている。
・左薬指がつらい。sa、seがとくにつらい。ctrl+sもつらい。
→左小指2%、右小指3%、左薬指5%と、
弱い指の使用率を極端に下げて、
長距離を走ることを考えている。
短距離なら8%程度まであげても気にならないかもだが、
ランニングシューズが軽いように、
長距離のバランスになっている。
なお「保存」はJK+Rと、薬指を使わない仕様。
・IOからの句読点が必ず段越えになる。
→そんなものないです。
・られる、られて、させる、させて、などのよく使う語が左手が絡んで無理。
→以下センターシフトを【】で表記。
られる: ./I
られて: ./E
させる: 【UA】I
させて: 【UA】E
と、とても打ちやすい。
・その他よく使う語で打ちにくいのがたくさんある。
(嫌いすぎて収集していない)
→もちろん薙刀式でも打ちにくい語は原理上あります。
なるべくレア単語になる工夫はしています。
qwertyローマ字は「日本語としてはしてない」からね。
・文節の切れ目が運指の切れ目と一致しないため、
日本語を書くリズムで指が動かない。
→最初の議論参照。
・なんかいつも指がいろんなところに行かされて、
常にもつれてる気がする。ずっとツイスターゲームみたい。
→ホームポジションにどっしりと構えて、
中央指だけが上下に動いて、「真ん中を沢山使う」
運指イメージ。
動画参照。
・音の位置が僕の直感(アフォーダンス?)と違う
たとえば母音の音象徴では、
AUが中くらい、IEが軽い、Oが重いのは人類共通だが、
そうなってない。(カタナ式はそうなってる)
→ローマ字で脳内発声して、
カナでは脳内発声しなくなったので、
音に関する違和感は現状感じていない。
だが、
ア段ウ段はまんべんなく散らばり、
イ段エ段は上段、端が多く、
オ段は下段が多かったので、音象徴はある程度保たれている。
以下左が単打側、右がシフト側。
ア段:
・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・さ・・・
・・・か・ ・あ・・・ ・・・ま・ や・・・・
・・は・・ たな・ら・ ・・・・・ ・・・わ・
ウ段:
・・・・・ ・・るす・ ・・・・・ ・・・・ゆ
・・・・・ く・・う・ ・・・・・ ・・・つふ
・・・・・ ・・・・・ ・・・・ぬ ・・む・・
イ段:
・き・し・ ・・・・・ ・・り・・ ・・・・・
・・・・・ ・・い・・ ・みに・ち ・・・・・
・ひ・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・
エ段:
・・・・・ ・・・・へ ・ね・め・ ・・・え・
・け・・・ ・・・・・ せ・・・・ ・・・・・
・・・・・ ・・・・れ ・・・・・ ・・・・・
オ段:
・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・よ・・
ろ・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・のも・・
ほ・・こそ ・・・・・ ・・を・・ お・・・・
もちろん、あちらを立てればこちらが立たず、
という組み合わせ最適化問題なので、
それでも結構がんばってるほうだな。
・左ロウスタッガードは左手が特にねじれて痛い。
4段目も含めて、1/2、1/4、1/2とずれ幅が違うので、
一生予測できない。
→格子配列MiniAxeで改善した。
薙刀式自体の改良ではどうしようもない領域。
一応、QTYはカナでは使わない仕様にはしてある。
・エンターBS小指は無理。痛い。2000字で限界。
薬指でやったらだいぶ遠くて無理。
→エンターは前出。
BSはJ位置の上、U位置という特等席。
書いては消す、を右人差し指で象徴。
・カーソルやシフトキーで変換操作をするたびに、
ブラインドで取れなくて無理。
→編集モードにカーソル、シフトカーソルを集中して、
ホームポジションのまま操作が可能。
カタカナ変換、ひらがな変換、再変換、ホーム、エンド、
とかもあるよ。
・全角半角なんてまず取れない。トグル式なので、
今どっちかわからない。ウィンドウ移動すると勝手に変わるのも無理。
→IMEオンはH+J同時、オフはF+G同時という、
普段標準運指で取らない組み合わせに当ててある。
明示的にオンオフできるMac方式。
・打鍵数が多くてつかれる。
指よりも精神が先に削られる。
漕いでも漕いでも進まない自転車。
→qwertyローマ字は打鍵効率、
すなわち「1カナを出すのに必要な打鍵数」は1.7。
薙刀式や効率の良いカナ系新配列は、1.3。
1.3/1.7=76%に打鍵数削減。
客観的測定方法はないが、運指距離自体もかなり短くなっていると感じる。
・脳内発声が起きてしまいうるさい。考えられなくなる。
(僕は脳内発声がないので静かにしたい)
→僕はなぜか脳内発声が、
ローマ字だとあり、カナや漢直だとないようだ。
「ここにある文字」のように、
空間と言葉がパレットの色の空間感覚で対応しているようだ。
・日本語は5文字7文字が基本だと思うが、
それを一気に打てるのは相当実力がいる。
つまり常にぶつ切れで打たないといけない。
→なめらかにつながる運指によって、
5文字はひといきでいける。
7文字は難しいが、3+4や5+2に分解すれば、
ひとつづきで可能。
これは動画を参照した方がわかりやすいだろう。
・このため、思考の射程が目の前の文レベルしかなくなり、
思考が近視眼的になる。
文章の段落、章立て、頭から尻までの一気通貫、
対比や逆転、伏線と解消などの、
大局観を見失う。
→以上によって、
脳や手の負荷が少ないため、
「言う」ことから「書く」ことに、
質的に転換して、大局観を見失わないようになった。
qwertyローマ字は、
日本語を書くためには設計されていない。
あくまで英語を打つ為のキーボードを、
日本語用に魔改造しただけのことであり、
日本語の構造や指の運び方について、
最適化されたものではない。
ただ使うキーが少なく、目で探しやすいから、
楽だと思われて普及しただけだ。
目で探さないブラインドタッチをするならば、
日本語の構造と、指の動かし方が一致するような、
合理的な配列をつかったほうが、
書くことが楽になり、
打鍵そのものに負荷ウエイトをかける必要がなくなる。
qwertyローマ字をこのように置き換えた方が、
書くのは楽になるし、
考えに集中できるというものだ。
薙刀式がベストである、とは言わないが、
ベスト候補のひとつである、くらいまでは、
よく出来た配列だと考える。
また、人には相性があるため、
相性のいい靴を履いて走るべきだ、
というのが本当のところ。
新配列という存在を知るまで、
人は1種類の靴しか履いた経験がない。
それでは多くの人が纏足になるのでは?
と僕は考えているので、
こうして「他の靴」を提案している。
あとはIMEのクソ漢字変換をどう解消するか、
という別の軸の解決を、
ワンショット漢直で探求しているが、
それはまた別の話。
別の話とはいえ、「日本語を書く」ことの核心ではあるがね。
2026年07月22日
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