2026年08月07日

【薙刀式】qwertyローマ字は最善手ではなく、最短手でしかなかった

どうしてqwerty配列(英語+日本語)を日本人は使っているのか?

答えは簡単で、
「コンピュータを使うためには、最短手だったから」
だ。


歴史的には、
電報を打つためのカナ配列から来たJISカナ配列、
ワープロ時代にシェア1位だった親指シフト、
ワープロで対抗選択肢だったM式、
日本産コンピュータプロジェクトとしてあったが、
アメリカの外圧で中止になったTRONに搭載する予定だった、
TRONかな配列+超漢字、
JISカナ配列の不具合を解消すべくより洗練させた新JIS配列、
などの、
最善手を模索する流れがあった。

このときはまだ、パソコンとワープロが並立してあったので、
「誰もが同じPCを使う時代」ではなかった。


qwertyが支配的になったのはいつか?
Windowsの上陸によって、
日本のオフィスから98が消えて、
ガラッとWindowsになったときだ。

Windowsで日本語を打つ為の方式は、
2つしか用意されていなかった。
qwertyローマ字とJISカナだ。
そして英語はqwerty一択だ。

2つしか選択肢がなかった。
英語qwerty+日本語はqwertyローマ字。
英語qwerty+日本語はJISカナ。

何も知らない人がいきなりWindowsを使え!
と渡されて、
アワアワした人はどちらを使うか?

覚えるキーが26か?
26+50か?

26を使うに決まってる。


こうして、2つの選択肢しかないときに、
qwerty英語+qwertyローマ字が主流になった。

仮にWindowsがDvorakだったら、
Dvorak英語+Dvorakローマ字に収束しただろう。
「26でなんとかなる」が、
キーボードアレルギーたちには救いだった。
水は低きに流れるのだ。


僕はこれをリアルタイムで体験してないので、
歴史的考察は間違ってるかもしれない。
数々の証言から構築したイメージなので、
間違ってたら訂正してください。


各メーカーがWindows用のPCを出したが、
日本語入力については何も代替物が用意されなかった。

 親指シフト→富士通はWindowsに載せなかった
 M式→NECもおなじく
 TRONカナ配列→だれもやらず
 新JIS配列→廃止(使用実績がないため)

なんでWindowsに用意しなかったんだろう?
僕にはわからない。リアルタイムの肌感もない。

オルターナティヴを用意することで、
顧客を取り込めたかもしれないのに、
特に富士通はなにやってたんだって感じ。
(当時の技術では移植できなかったの?)

なぜ日本語オルターナティヴがなく、
qwerty一択になっていったかは、
リアルタイムの人の話を待つしかないが、
とにかく僕が本格的にPCで日本語を書く、
2010年頃には、
qwertyローマ字かJISカナしかなかった。
2015年頃、変やぞとなって調べて現在に至る。



ユーザー的には、
日本語を本格的にやるかどうかはどうでもよく、
まずPCが使えなければ話にならない。
その最短手がqwerty英語+qwertyローマ字だった。

日本語の最善手は意識されなかった。

そもそも最初は短い文書程度であったろう。
ところが何もかもPCのデジタル時代になり、
あらゆる書類やチャットや手続きやAIトークなどに、
日本語入力をする必要が、
95年当時より、
2010年当時より増えている。

95年の少量需要に対する間に合わせの対症療法が、
2026年を苦しめていると僕は思う。


因果応報である。
損して得取れ、急がば回れを、
日本人はPCにはできなかった。


日本語を書くための最善手は、
いまやqwertyローマ字ではない。
いまの最短手は僕はフリックだと思うので、
qwertyローマ字の最短手すら崩れかかっている。

(もっとも、PCではフリックは使えない。
逆にスマホでもqwertyローマ字を使う人たちの多さは、
最短手を遵守する人がいかに多いかを物語る。
若年層は当然フリック派だが、
日本人全体だとスマホでqwertyローマ字の方が多いというのは、
驚愕の調査結果だ)



さて。

最短手はわかった。
では、日本語をキーボードで書くための最善手はなんだろう?

薙刀式、大西配列、新下駄配列、飛鳥配列、月配列、
TUT-code、和音漢直、
せおと配列、四月一日配列、Tomisuke配列、
SKY配列、AZIK……

僕が知ってるだけで数百の新配列が提案されている。

何が最善手かわからないのは、
「最善手と証明する方法がない」からだ。


数値計算で可能なのか?
そもそも人の指の特性の統計的調査すらない。
(長さや大きさの統計調査はあるが、
運動性能や連動性能に関するものはない)

短期的スピードが指標で良いのか、
長期的スピードを指標にすべきなのかも、
議論すらされていない。

疲労度に関する調査は、参考にできるものがなにもない。
そもそもタイピングに使われる筋肉がどこまでなのかもわかっていない。
少なくとも指だけでなく、手のひら、前腕、肘、上腕、肩、
腋、背中、腰くらいまでは連動してることは、
僕の凝り方からわかっている。

打鍵フォームも実はバラバラだろう。
キーボードの形も少なくとも伝統形とパンタグラフがある。



そしてそもそも、
「日本語を書く」ってどういうことだろう?

「与えられた日本語文字列を、できるだけ速く入力すること」が、
書くことではない。
書くことは書いたことと書こうとすることふたつを入力とする、
変化していく行為だ。(だから制御を失敗すると話がよれる)

タイプライターの時代から、
キーボードは入力オペレータのものだったので、
「与えられた文字列をなるべく速く打つこと」が、
評価の指標であった。
オペレータは考えてはいけない。
自分の考えを書き写しに混ぜるべきではない。

この指標が、
「自分の考えをキーボードで打つ」時代になっても、
まだ「唯一の」数的指標として使われているのは、
書くことへの無知としかいいようがない。
もっとほかも提案されるべきやろ。


「他の指標」として僕が提案しているのは、
自分の考えを10分以上自由に書き(自由文)、
10分あたりの文字数(変換後)で測ろうというものだ。
自由文10分速とでもいうか。

分速で測っても「考え」というまとまったものにはならないので、
最低10分位は考えようぜということだ。

もちろん、話題や調子によって変動する。
だから何回も測って、分布として考えれば良い。

ほんとはこれに付随して、増えた乳酸値みたいな、
疲労度を測定したい。
脳の疲労度も測定できるのかな? 減った糖分?


ほかに最善手かどうかわかる指標はなんだろう。
どんどん提案して、揉んでいくべきだろう。



コピー打鍵最強は、
今のところqwertyローマ字だ。

最短手であることと関係してるかもしれない。
すぐに始められることで、最も長く習熟した、
先行者利益があるかもしれない。

あるいは、単に若い手に向いた配列かも知れない。
RTCの世代交代の速さがそれを物語る。
タイパーはすぐ引退する。

qwertyローマ字は最善手ではない。
最も使うAが最弱の小指であること、
他たくさんの数字的批判を出す事ができるがここでは繰り返さない。


現在、いろんな人が「これが最善手だ」を繰り出す状況は、
もっとも健全な世界だと思う。

日本人はそろそろ間に合わせ最短手の次の、
最善手を模索してもいいんじゃないだろうか。



最善手とはなにかを考える為の最短手wは、
大西配列をやることだと僕は思う。

なぜなら、「文字を整理すると打ちやすくなる」
ことを体感するのに最短手だからだ。

数学的な最短手はまだありそうだけど、
見つかってる解としてはベストエフォートだと思う。
(別方向でカタナ式もいいけど、話がややこしくなるので割愛)



ほかにもいろんな自称最善手がある。

マスターするまでの手間を評価に入れるかどうかでも変わる。
日英共用かどうかでも変わる。
日英共用でも、日本語重視(大西配列)、英語重視(Colemak)
などのバランスもある。

使える指の能力もある。
多くのカナ配列は弱い小指、薬指を結構使う。
薙刀式はそれを極端に減らしたバランスだ。


新配列ナウ2026みたいな記事を書きたいのだが、
ATC以降たくさん新配列が出てきているので、
旧新配列(なんやそれ)と合わせると膨大になり、
何が生き残って何が死んでるのかよくわからない状況だ。


だれか新配列図録をまとめてないのかなー。
昔はatwikiでまとめてくれてる人がいたが、
それを見ると、今では死んでる多くの新配列があるのよね。
だから図録は常に墓場になってしまう。
(自作キーボードもそういう運命だよね。
基板だけで、何千はあったろう。何万?)


というわけで、
「最強の格闘技はまだ決まっていない」(「喧嘩商売」から)
のと同じで、
「最善のキーボード(物理、論理)はまだ決まっていない」
のが現状だ。

僕は薙刀式の作者なので薙刀式が最善手といいたいが、
それもほんとかどうか、人によるのでは、
などと冷静に見ている。




日本人は苦しみのあまり最短手を選んでしまった。

急がば回れをしたいなら、
最善手を選ぶべきだった。

もちろん、今からでも最善手を探す旅に出ることはできる。
それが新配列だ。
ジャンル名が決まってないのがややこしいんだけど、
とりあえず僕は新配列と呼んでいる。
そう呼んでない人もいるので、検索は難しい。

人気のあるのは、
大西配列、新下駄配列、薙刀式、親指シフト(古参のみ)かな。

月配列、飛鳥、(シン)蜂蜜小梅、AZIK、Tomisuke、Eucalynは、
聞かなくなった。水面下ではたくさんいるのかは不明。
Twitterでの言及で温度感を見ている。
メジロ式、漢直はじわじわと伸びている?



最善手がなにかはわかっていないし、
歴史的なことはどうでもいいが、
過去の最短手はもういいんじゃない?

日本人は次の時代へいくべき。
日本人が行かなくても、個人が勝手にいくべき。

海外旅行でここよかったよ、
みたいに、個人が開拓してシェアすればいいと思う。
posted by おおおかとしひこ at 15:16| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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