2026年09月02日

誰もやっていないところで、誰よりも深く掘る

なかなか勇気のいること。


観客の側から見よう。
よくあるやつ、よくあるシチュエーション、
よくある職業、よくある事件は、
もう飽き飽きしている。

見たことないやつ、見たことないジャンル、
見たことない事件や問題、
見たことない解決を見たいわけだ。

ということは、誰も手をつけていない領域について、
書かないといけないわけだ。


たとえば先日絶賛した、
小説「プロジェクト・ヘイル・メアリー」は、
誰もやっていない内容で非常に面白かった。
(映画版は糞なので見なくて良い)

まさかあんな展開、こんな展開が待っているとは予測できず、
しかもあんな内容は、
誰も書いたことがなかったものだと思う。

つまり、パイオニアである。
こういう所を開拓したよ、
というのがフィクションは面白いわけ。


さて。
書く側に回って考えよう。
そんなの、むずくない?ってことだ。

もちろん、誰も知らない領域は調べられないから、
我々が調べられる範囲になる。
あんまり知っている人が少ない方がいい。

そこで面白いストーリーをつくらないといけない。
そしてその調べた範囲において、
かなり詳しくなっている必要がある。
聞きかじりの知識でそんなマイナーなジャンルを紹介されても詰まらないよね。
ガチで詳しい人に紹介してほしいもんなー。


書く側からしたら、リスクが大きい。
そのジャンルが受ける保証はない。
でも見る側からしたら、
見たことのないマイナージャンルで、
一番面白いことをやってほしいわけだ。

この両方の見方をしていないと、
誰も知らないジャンルを書く時に、
周りが見えなくなるに違いない。


さらに僕がアドバイスできるとしたら、
「一個じゃなくて複数やろうぜ」ということかしら。
誰も知らない世界A、
誰も知らない世界B、
誰も知らない世界C……
という風に、
一杯そういうものを書こうぜ、
ということかな。

一個だけだとアタリハズレがあるから、
外れる確率の方が高い以上、
ほぼハズレになってしまう。

しかし、そういうのがいっぱいあると、
何かしらが当たる可能性がある。
そして、一発当てたときに、
それが一番よく調べられていて、
そのジャンルの教科書になるくらい良く出来ているものだけが、
大ヒットするんだよね。


それはつまり、
複数のパイオニアになれということだ。
誰よりもそのジャンルに詳しくなり、
また別のジャンルも誰よりも詳しくなればいい。
そんなことをたくさん持っていると、
まったく別のシナリオ、世界を書けると思うよ。

あれはどうだろう、なんて調べ始めたら、
別の何かに合流することも良くある。
そしたらまた別のネタとしても使えることがあるわけだ。


博覧強記と昔から言う。
たくさん調べて、たくさん知って、
そしてたくさん書けばいい。

一個だけ、少ない数だけ書くと、
当たらないことに落ち込む。
たくさんあれば、何かが当たる。
そう考えて、
マイナーな、誰も知らないものをひたすら掘って、
その辺を穴だらけにしてやれ。


もちろん、時間がかかる。
でも、
他人が時間をかけて書いてないものを、
観客が楽しめるはずがない。

観客が欲しがっているのは、
「新しいものの消費」だ。
その欲望に食いつかせるために、
どういう餌が必要か、
という事だ。

新しい餌じゃないと、食いつかないよな。
posted by おおおかとしひこ at 08:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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