2026年08月15日

【薙刀式】棚に置いてある感覚

京都で暮らした人は、碁盤の目に住んでる感覚がわかるかもね。


東大路をあがって、
今出川を東へ、白川通りをあがって、
西側。
僕が昔よく行ったスーパー「大黒屋」の場所。
ちょっと下って今出川まで戻り、
東にドンツキ(銀閣寺)までいかずに、
一筋目を下りたすぐに銀閣寺湯という銭湯がある(廃業)。
白川通をさらに上がれば、
北大路手前にたこ焼きの蛸安(1号店、廃業)があり、
そこで梅たこ焼き+ビール。

銭湯、スーパー、たこ焼きのコンボが、
僕の学生時代の黄金コース。
これがいわば格子配列のように、
碁盤の目で僕の中にコース(運指)のように入っていた。


高校の校舎を思い出そう。
三階建で、1階に1年、3階に3年として、
西から東に1組〜4組まであるとしようか。
これもまた格子配列だ。

あなたは数学の先生だとして、
月曜日は、1-1、2-4、2-5、3-4
のように移動するシークエンスがあるとしよう。
これもまた運指である。


格子配列は、頭の中で思い浮かべやすい。

銭湯に行ってビール、月曜日の動線、
などを想像しやすい。

碁盤の目ではない(ふつうの?)街、
徐々にズレた平行四辺形の校舎を想像しよう。

急に動線がわかりにくくなる。
あるいは、疑似的に幾何学図形をイマジナリ街のように想像できるが、
いずれにせよ、
「最短距離である自覚が難しい」のはたしかだ。
さっきの道を曲がった方が近かったのでは、とか、
階段一つ間違えたかな、とか、
正確な地図をかかないとたぶん確信が持てない。

つまり、ロウスタッガードは、
距離感を惑わせて、それが最短であるという感覚をつくるのは、
かなり難しい。
だから論理配列の異常に気づきにくい可能性がある。

逆に格子配列は最短距離感覚がわかりやすくなるため、
論理配列の変さに気づきやすいかもしれない。
qwertyおかしくね?と、
格子配列やコラムスタッガードにした人は、
気づきやすい環境にある。


さて、
薙刀式の「棚に言葉が置いてある感覚」
というのは、格子配列でより強く感じる事ができる。
元々はロウスタッガードで開発されたので、
その時はそんなことあまり考えた事がなかったのだが、
格子配列を長いこと使うと、
銭湯からビールに行く感覚、
月曜日の数学の感覚、
のような、言葉と運動の対応がしやすくなる、
ことに気づいた。

さらにそれはワンショット漢直にも継がれていて、
「あそこに漢字がある」「こう動けば熟語になる」
みたいな感覚と共に生きている。


僕は脳内発声がない。
言葉は脳内で音を発しない。
(聴覚障害者ではないため、
音と言葉が結びついていることは理解しているが、
自分の脳内ではデフォルトで音がしていない)

言葉はどういうふうに脳に格納されているかというと、
ビジュアルや色や触覚といった広義のイメージと、
「あのへんにある言葉」だ。

ブラインドタッチという性質上、
触覚、空間感覚で文字を取り出すしかない。
そのときに手がかりになるのは、
「あのへんにあの文字がある、
それらをこうつなぐとこういう言葉になる」感覚であり、
「あの言葉を書きたいならこういう動線を動けばいい」
という感覚だ。

どんな人も最終的にはこの感覚になるのかな?
よくわからない。

ただ「棚に置いてある」感覚は、
そのように言葉を使っている僕の感覚として、
しっくり来るようにつくった。

他の新配列ではいまいちその生理に合わなかった。
音基準だったからかもしれないし、
棚の感覚が違うのかもしれない。

薙刀式の紹介ページで、
最初のバージョンからずっとある文言が、
「それがそこにあってほしい感覚」というやつだ。
今思えば、
棚に置いてある感覚の、
もう少し解像度が低い言語化だったんじゃないかな。



……みたいな話を、GreenKeysの以下の記事で期待したのだが、

オーソリニア配列は本当に指の移動を減らす?75%日本語配列キーボードの運指距離を計測した結果
https://green-keys.info/jis-ortho/

掘り下げが浅すぎてずっこけた。
せめてとある文200文字を書いた時に、
指の移動総量はこんなに変わる、
とか見れると思ったのだが、
BSと小指外の話か……まあ初心者にはこれくらいでいいのか……

僕はBSだけでなく、
文節移動や伸縮、候補選択のためのカーソルも遠いよね?
と同時に疑問を抱いたくちなので、
観察力低くね?と思ってしまう。

まあ、初心者のために、BSひとつに話題を絞ったのだと、
考えるとしようか……


言葉はいくつあるのだろう?
NTT研のページによる判定では、
僕のボキャブラリーは13万語。
それぞれが、銭湯ビール、月曜の数学のような、
その棚のそこにある感覚でできている。
(全ボキャブラリーを格子配列で打った保証はないが)

滅多に使わない言葉は、
棚の奥の方でいいけれど、
よく使うものに関しては、
手前のすぐ取れるところに置いておき、
すべてが最短距離でありたい。


ちなみに、
脳内発声派の脳内がどうなってるか、
僕はイマイチわからないのだが、
もしキーボードが音を奏でる楽器だとしたら、
音数は少ない方が楽で、
ローマ字>カナになるんじゃないかなあ。
僕は「棚が整理されてるべき」なんだけど、
音派は、棚が小さい方が楽なのかもしれない。
posted by おおおかとしひこ at 22:10| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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